犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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T、シャツを求める

2018年06月08日 | LGB&T
[まえおき] 生まれながら女性であるが、身体的に違和感が有る。しかし男性になりたいわけではない。
恋愛対象は女性である。
つまり自覚的にはトランスジェンダーで、傍から見たらレズビアン、ということになるだろうか。


自分の身体の中の、女性的な特徴を自覚したくない。
以前、ある女性とその二人の子どもと生活していたことがある。
中学生の子が、風呂あがりの私を見て言った。
「おっさんボイン、キモい。」

ボインがキモくてたまらんのはおっさん本人なのである。

取ってしまう、という選択肢も有る。
手術で乳房を取り、ホルモン剤を使うと、外観はかなり変わる。
さらに外性器形成手術をする人もいる。
私は男性化したくはないわけなので、"性別適合"手術はもちろん、
ホルモン剤も要らん。

乳房を取ることには魅力を感じる。無ければどんなに落ち着くか知れない。
しかし、大好きな銭湯や温泉に入ったら、他人の目が気になるのではないか。
いやそんなの毎日ではない。
身体的違和感は毎日四六時中感じている。
これから解放されることのほうが意義が大きいのではないか。

痩せると気にならない程度に乳房は縮む。
太ると存在感が増して、いつも心に濁りが有る。

ブラジャーなんかもってのほかである。
引き立たせたくなんかない。
じゃあ潰すか?
ナベシャツという物が有る。
でも胸を締め付けるのは苦しい。
緩いナベシャツという商品も、在る。去年、乳首じゃない入手した。
しかし、一枚余計に着ることになるのは、夏場、暑い。

夏場は薄着だから胸を意識しがちなのを防ぎたいのに、
一枚増えることによって暑いという矛盾。
Tシャツ一枚の野郎を見ると、そんなことがうらやましくて仕方ない。

そこで、私の苦肉の策は、両胸ポケット付のブロードのシャツである。
ブロードは織りの目が詰まっているので、これまた暑いことは暑いが、
中身を透けさせない頑丈さが有る。
結局、作業着や軍服のようなものばかり着ることになる。

こんなことを書きたくない気持ちも有る。
でも、こんなくだらんことで「心に濁り」なんてものまで感じているのを
知ってもらうのも面白いかもしれない。

都心に出たついでに、服を探す。
作業着屋なら郊外にも有るが、街中なら他にもいろいろ有るだろう。
アウトドア用品店なら、しっくりくる物も見付かりそうだ。

けれど、服のコーナーはこれまた気分を滅入らせる。
「男性用」「女性用」なんて掲示して、くっきりと棚が分けられている。
なんだよ、じゃあ私はどこで自分に合う物を探せばいいんだよ。
「男性用」「女性用」の棚をあちこち見て回りながら、
次第に居心地の悪さが蓄積してくる。

男性であれ女性であれ、生まれながらの性別と違和感を持つことが無ければ、
服屋でもいちいちこんなことは気にならない。
やわらかい暖色系が好みの男性や、くっきりした色合いの好きな女性や、
小柄の男性や足の大きい女性から、不満の声を聞くことも有る。
こういう人たちもマイノリティとして押しやられ片付けられているクチだ。
これはみんな経済だ。
たくさん売れる商品だけ作っていたほうが、儲けやすい。

でもほんとにそんなにマイノリティか?
LGBTは消費者層として設定できるのではないか?というのが、
数年前からの日本のLGBTの扱い方のひとつの流れである。
LGBT市場なんていう言葉もよく聞かれた。

世の中こんなもんなんだから、いちいち気にしていたら、自分が損するだけ。
そう言う人も多いと思う。
もっともだと思う。
どれだけ、実際にそうしてきたことか。
気にしないようにしてやり過ごそうとしてきたか。

気にする必要が無いのと、気にしない必要が有るのとでは、
大きな違いが有るのだ。

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