犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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ペーパーフル

2023年01月18日 | 日々
蔵書の整理をしている。 亡父の人はアメリカ文学が専門であった。 現代アメリカの小説が山ほど有った。 外国文学の厄介なところは、原書と訳書の両方を持つから、 数が単純に2倍になる。 翻訳もしたが、自分自身で小説を書くこともした。 訳書は一般的な大手の出版社からも出たが、 自作は自費出版をした。 著者在庫や、自費出版の買取分が何十冊ずつも手元に残る。 老母の人は国語国文学が専門であった。 辞書の編纂や方言調査に関わった。 辞典の見出し語ひとつひとつのカードを作る。 ひとつの辞書について何千枚のカードができる。 いくつもの辞典の分、カードの束ができる。 一番大きな仕事は、『奄美方言分類辞典』だった。 カードは戸棚一つ分という量になった。 ※ 人の一生分の紙の量とは、こんなに多いのか、と思う。 職業柄も有ろうけれど、多い。 ※ 加えて、両親とも、大学の教員であった。 学生たちの答案用紙も、一部分残っている。 卒業論文の写しも、一部分残っている。 また、慕ってくれる卒業生が、 小説を書いた論文を書いた本を書いたといっては送ってくる。 この量も多い。 学会誌や、大学の紀要などの多くはA5版である。 自分の書いた部分だけを刷って綴じた薄っぺたいものを抜き刷りというが、 これもまたものすごい数が有る。 自分のもの、自分の先生のもの、自分の教え子のもの、同僚のもの先輩のもの後輩のもの。 ※ 手に入れにくい本は、まるごとコピーする。 それをクリップで綴じていたり、 紐やリングで綴じてみたり。 亡父は自分で丁寧に製本したりしていた。 私も製本の方法を教わって、 手に入れにくい本はコピーして手元に置いた。 鍼灸の専門書なんか高価なので、 図書館や人から借りてはコピーして製本した。 製本せずにそのまんまにしているものも有る。 読まないならコピーもしなくて良かったじゃないか。 ※ さらに、 亡父には、若くして亡くなった最初の妻がいた。 この人は、英文学が専門であった。 この人の蔵書がまたたくさん。 ※ 私は中高一貫校でオーケストラに所属し、 卒業後も指導に通った。 20年ほど経った頃、指揮者先生が雇い止めになった。 雇い止めということが社会問題になるハシリだった。 年度をまたいで4月に大きな演奏会を催していたが、 そこで指揮をしたいと申し出たものの、学校側には受け入れられなかった。 自作の曲も準備していた。ソリストとも稽古を重ねていた。 とんでもない中断に傷付いて、この先生はその後、音楽をやめてしまった。 しばらくして、楽譜を全て捨てようと思うと言う。 私は慌てて、引き取ることを申し出た。 音楽家先生も、楽譜は大学の図書館で借りてコピーして自分で製本していた。 先生の製本はヘタクソだった。 オーケストラの活動では、私が製本方法を伝えて、 さらに時々あらわれるセンスある生徒がステキな表紙を付けたりしていた。 ※ さらに整理していくと、 段ボール箱の中から、祖父に関する資料や蔵書がゾロゾロ出てくる。 父方も、母方も有る。 ※ 人の一生分の紙ってスゴい量だな。 じゃ、ない。 我が家には、何人分かの人の一生分の紙が有る。 五生分か六生分か。 私ひとりが暮らす家に、 私のものでない物が多過ぎる。 チョメ!!!
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