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映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

大人の見る繪本 生れてはみたけれど [監督:小津安二郎]

2010-11-09 00:21:44 | 映評 2010
ブロガーによる00年代(2000~2009)の映画ベストテン
↑この度、「ブロガーによる00年代(2000~2009)の映画ベストテン」を選出しました。映画好きブロガーを中心とした37名による選出になります。どうぞ00年代の名作・傑作・人気作・問題作の数々を振り返っていってください
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個人的評価: ■■■■■□
[6段階評価 最高:■■■■■■(めったに出さない)、最悪:■□□□□□(わりとよく出す)]

【映評概要】
活動弁士の澤登翠さんの名調子のおかげで2倍くらい楽しく観ることができました。子供の目で大人の世界を除いてみればなんと浅ましきかな

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【映評詳細・・・ネタバレ】
蓼科高原映画祭で鑑賞。 1932年の小津映画。
活動弁士の澤登翠さんの名調子のおかげでより楽しく鑑賞できた。
澤登翠さんはすごい。何人もの声色を使い分けて、クライマックス(?)の子供たちがお父ちゃんを激しく責め立てるシーンなど迫真の演技でほろりと涙を誘われた。さりげなくちょい役の笠智衆を紹介する台詞を潜り込ませてみたりとサービスも抜群。

映画はやたらとよく動くカメラに感動した。
すねる子供たちを映すカメラがぐいっと後ろに下がってお母さんをフレームインさせるとか、お父さんの会社のオフィスを右に左に動いて紹介したり。
さらにいじめっ子から逃げる子供たちの視点の移動カメラとか、わだちにはまった車輪の部分アップとか、そんな普通の映画じゃごく当たり前なショットの数々が小津映画だと事件になる。

子供同士で主従関係を示す転ぶおまじないと立ち上がるおまじないが可愛らしい。寝たり起きたりするだけなのに楽しそうで、混ざって一緒に遊びたくなる。スズメの卵を宝物のように箱に入れて持ち歩きいざという時には子供同士のワイロになるのも微笑ましくも大人を茶化していて面白い。
子供の視点からみねと大人の世界がとても浅ましく見えるというのは時代を問わず共感できるテーマだろう。

[追記]
これの前に「SR サイタマノラッパー」を見て、「サイタマノ」主演の駒木根隆介さんの舞台挨拶もあった。
そこで思ったのは駒木根さんにラップで「生まれてはみたけれど」の活弁やってくれたらめちゃくちゃ面白かっただろうなあ・・・と。

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