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映画作りの糧とすべく劇場鑑賞作品中心にネタバレ徹底分析
映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

2021年 映画マイベスト…

2022-01-06 07:52:00 | 私の映画年間ベスト
毎年恒例の個人的映画ベストテンの記事を書かねば!!と、2021年に観た映画をTwitterの履歴と記憶をひっくり返して調べたのですが…
配信あわせても観た新作(昨年公開で今年になってから見た作品含む)は11本しかありませんでした。

もはや「趣味」の欄に「映画鑑賞」と書いてはいけないレベルです。

こんなに新作を見なかった理由はただ一つです。コロナです。1年のほとんどが緊急事態宣言だったためです。などと言っても配信でも全然見なかった理由になってませんね。
せっかく優待目当てで東京テアトルの株を単元で買ったのに、使用期限内に一度もヒューマントラストシネマに行けずに終わってしまいました(『アナザーラウンド』観たかったなあ)
とはいえ負け惜しみみたいですが、見た作品はどれもすごく面白かったです…

いくらなんでもベストテンってわけにもいかないので、鑑賞新作全部にコメントつけて、それでも無理やりベスト5を…

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『鬼滅の刃 無限列車編』
イベント的に観れて良かった。これはもう煉獄さんに熱くなればいいし、原作知ってると猗窩座の「術式展開」もちょっと泣けちゃうのである。鬼滅の刃好きでもない人はこの劇場版をけなすかもしれないが、鬼滅の刃大好きでよかったと思えた。遊郭編も楽しいなあ

『マ・レイニーのブラックボトム』
これをアカデミー授賞式より前に見ておいたおかげで、アカデミー賞大どっちらけ事件を楽しめてよかった。
ただチャドウィックの演技を楽しむ以外に映画的魅力は乏しかったように思う

『Mank』
思えば『ソーシャル・ネットワーク』は2010年の『市民ケーン』だったわけで、フィンチャーが『市民ケーン』の裏話を描くというのは映画史的必然を感じるわけです。

『隔たる世界の二人』
アカデミー賞短編部門の受賞作。一昔前、アカデミー賞受賞作といえども短編部門やドキュメンタリー部門の作品を見る機械などほぼ皆無だったことを思うと、NETFLIXやAMAZONによって映画配信時代がきたおかげで映画との出会いは確実に増えたと思う。
黒人男性が白人男性の警官に殺されるたびに、その日の朝に戻る。殺される日の無限ループから脱しようとする男性の物語。無限という時間をかけて地獄の中で理解し合おうと戦い続ける姿に勇気づけられる。

『ドント・ルック・アップ』
『バイス』のアダム・マッケイ監督による、社会の分断を風刺したSF。6ヶ月後に小惑星が地球に激突することを突き止めた科学者だが大統領もマスコミも相手にしてくれない。この地獄。アダム・マッケイ監督、いつもながらリベラル臭がすごいが(俺が言うのもなんだけど)、それもネタに笑い飛ばす。でもなんかこの人の映画によって分断はより進むだろうなあ

『シカゴ7裁判』
政府に従い国の政策を信じるのが愛国心だと思ってる連中に見せてやりたい「本当の愛国心」を問う映画。配信で観た作品の中では一番心に刺さりました。

2021年マイベスト第5位 『すばらしき世界』
西川美和さんの映画にハズレはない。この素晴らしくなんかない世界を素晴らしい世界と言わねばならない息苦しさ。


2021年マイベスト第4位 『ミナリ』
おばあちゃんがやっぱり最高。映画を観ればわかるタイトルの深さ。丁寧な脚本と活き活きしたキャラクターの上質な映画。普通の意味で一番おススメはこれかもしれない。


2021年マイベスト第3位 『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』
ダニエル卒業を祝福できるような作品でよかった。人類を滅亡から救う情報部員というアホらしさを本気の感動に持っていく全編本気汁が染み出すアクション娯楽映画。初めて見たシリーズのきちんとした最終回。連続ドラマ的に007を楽しませようというプロデューサーの狙いも大成功だった。ビリー・アイリッシュの主題歌もずっと頭の片隅で鳴り続けてます。


2021年マイベスト第2位 『ファーザー』
疑似体験映画の傑作というのは時どきありまして、宇宙空間疑似体験の『ゼログラビティ』、まばたき以外体を動かせない状態疑似体験の『潜水服は蝶のの夢を見る』、戦場疑似体験の『プライベート・ライアン』。そういう映画は、うぉ!すげーと思うのですが、ただその多くは映像や演出で疑似体験させるものでした。『ファーザー』は脚本の力で認知症を疑似体験させる。記憶の混乱による戸惑いを私たちはアンソニー・ホプキンスと共有できる。脚本力のすごさに感服いたしました。アンソニーじいちゃんの演技もさすがのうまさ。


2021年マイベスト第1位 『ノマドランド』
やっぱり格上の一作と言う感じ。いかに生きるかって映画は沢山あるけど、いかに人生を終えるかって映画はそんなにない。廃れ行くようなアメリカの灰色の景色の中で、車以外何も持たない人たちは人生の炎が消えるのを一人で見つめ、でもそこに後悔は感じられない。作品全体に神々しさを感じるし、それでいて今までにない新しい映画でもあった。「一人じゃない」って映画は沢山あれど、「一人でいい」って堂々と語る映画はすごい。コロナ禍で廃れた心に寄り添う灯のような映画にも思えた。祖国から見放されたクロエ・ジャオさんは今後何を見つめていくのか…(と言いつつジャオさんの新作『エターナルズ』は見逃しましたが…『ノマドランド』が話題になる前に監督契約していたマーベルスタジオすげーな)

ちなみに『ファーザー』と『ノマドランド』の両方で作曲担当としてクレジットされている作曲家ルドビコ・エイナウディさんが今年の一推し作曲家です。エイナウディの映画音楽を集めたアルバム「Cinema」は素晴らしい名盤です。

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という感じでございます
2022年はベストテン選べるくらいには映画観たいな!!
それでは今年もよろしくお願いします

↓よろしければこちらもどうぞ。有志23名による2010年代映画ベストテン
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そして私が監督した自主製作映画『巻貝たちの歓喜』(ゆうばり国際ファンタスティック映画祭コンペ入選、マンハッタンヘンジ国際映画祭最優秀外国映画賞受賞他)もよろしくお願いします。
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巻貝たちの歓喜

映画「巻貝たちの歓喜」公式HP。監督:齋藤新 出演:古本恭一 きむらまさみ 神戸カナ 山城まこと 愛と時空の歪みを描いたSFラブストーリー。...

映画「巻貝たちの歓喜」公式

 


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2 コメント

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ご無沙汰しております (ここなつ)
2022-01-07 17:36:50
まだ松の内なので、明けましておめでとうございます。
大変ご無沙汰をしておりますが、季節ものの縁起物ということでお邪魔させていただきました。
…コロナがこんなに長引くとは…しかも第六波にももう突入とのこと。予断を許しませんね。
昨年はそんなことで、劇場完全クローズドの時期があり、なかなか辛かったです。
当方もベスト出してみましたので、よろしければお寄りください。
では、今年もよろしくお願いします。
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今年もよろしくです (しん)
2022-01-08 08:56:20
ここなつさん、コメントありがとうございます
こなつさんのベストも拝見しました。
沢山映画を観ていてうらやましいです。10そこそこの私のベストが恥ずかしくなります
レイジングファイア面白そうですね
今年も細々ブログですが、よろしくお願いします
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