関係代名詞のthatは「先行詞が人にも物にも使える」と教えられています。果たして本当に「人にも使える」のでしょうか。
なんていうと、私の結論は「人にはthatは避けた方がよい」などと結論づけられそうになるのですが、私の結論は従来どおりの「thatは人にも使える」というものです。
ではなぜこんな当たり前の話題を改めて持ち出したのかというと、最近の文法について書かれた本の中に「先行詞が人の時のthatはネイティブスピーカーは嫌がるので、thatの『人にも使える』という記述は改めた方がよい。『物や動物には使える』という記述に改めるべきだ」という旨の記述を見つけたからです。こういうセンセーショナルな内容は確かにまったく裏付けがないわけではないだけに、余計たちが悪いのですが、結論のあり方がいささか早計だと思うのです。先ほども述べたように私の結論はthatでも、人の先行詞を受けることができます。特に会話ではthatは人でもかなり積極的に用いられます。ただし、フォーマルな場面ではwhoを使う方がよいでしょう。もう少し詳しく見ていきます。
どんな場面でどの関係代名詞が用いられているのか、詳しく考察しているのはBiber(1999;pp.608-630)でしょう。Biberによれば、会話でもっとも使われる関係代名詞はthatです(ただしこの数には物を先行詞にとるものも含まれています)。そこで会話の中で、先行詞に人をとる場合にthatが使われている割合を見てみると、30~40%です。ちなみにwhoが使われている割合は40~50%なので、whoの方が会話でも若干用いられることがわかります。しかし、その差は大きくはありません。ただし、ニュースや学術的な文献では、thatは5%以下にまで激減します。また、関係代名詞が目的格で使われた場合は、ゼロ関係詞(あるいは関係詞の省略)が80~90%と圧倒的で、thatは5~10%程度です。
人が先行詞の時のthatは、物が先行詞のthatよりは頻繁に使われないことは確かですが、会話ではかなり積極的に用いられます。よって特に人が先行詞の場合にthatは使えない、と結論づけるまでには至らないでしょう。
【参考文献】
Biber Douglas et al.(1999). Longman grammer of spoken and written English. Longman.
なんていうと、私の結論は「人にはthatは避けた方がよい」などと結論づけられそうになるのですが、私の結論は従来どおりの「thatは人にも使える」というものです。
ではなぜこんな当たり前の話題を改めて持ち出したのかというと、最近の文法について書かれた本の中に「先行詞が人の時のthatはネイティブスピーカーは嫌がるので、thatの『人にも使える』という記述は改めた方がよい。『物や動物には使える』という記述に改めるべきだ」という旨の記述を見つけたからです。こういうセンセーショナルな内容は確かにまったく裏付けがないわけではないだけに、余計たちが悪いのですが、結論のあり方がいささか早計だと思うのです。先ほども述べたように私の結論はthatでも、人の先行詞を受けることができます。特に会話ではthatは人でもかなり積極的に用いられます。ただし、フォーマルな場面ではwhoを使う方がよいでしょう。もう少し詳しく見ていきます。
どんな場面でどの関係代名詞が用いられているのか、詳しく考察しているのはBiber(1999;pp.608-630)でしょう。Biberによれば、会話でもっとも使われる関係代名詞はthatです(ただしこの数には物を先行詞にとるものも含まれています)。そこで会話の中で、先行詞に人をとる場合にthatが使われている割合を見てみると、30~40%です。ちなみにwhoが使われている割合は40~50%なので、whoの方が会話でも若干用いられることがわかります。しかし、その差は大きくはありません。ただし、ニュースや学術的な文献では、thatは5%以下にまで激減します。また、関係代名詞が目的格で使われた場合は、ゼロ関係詞(あるいは関係詞の省略)が80~90%と圧倒的で、thatは5~10%程度です。
人が先行詞の時のthatは、物が先行詞のthatよりは頻繁に使われないことは確かですが、会話ではかなり積極的に用いられます。よって特に人が先行詞の場合にthatは使えない、と結論づけるまでには至らないでしょう。
【参考文献】
Biber Douglas et al.(1999). Longman grammer of spoken and written English. Longman.
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