夏休みに入り、早くも半分が過ぎました。楽になるどころか、講習や3者面談、部活の大会ラッシュでむしろ忙しいくらいです。休まる時間がほしいと思う今日この頃。
愚痴はこれくらいにして、生徒は「服」という意味でよくclothと言いますが、これが間違いであることを理解させたいものです。
clothは「布」(不可算名詞)という意味です。ちなみにこれが数えられるようになると、数えられる布→「ふきん、ぞうきん」(可算名詞)という意味になります。これの複数形はclothsとなります。Swan(2005;109)からそれぞれの例文を挙げておきます。
(1)His suits were made of the most expensive cloth.(彼のスーツは最も高価な布で作られていた。)
(2)Could you pass me a cloth? I've spilt some milk on the floor.(ふきんをとっていただけますか。牛乳を床にこぼしちゃって。)
それにたいして「服」という意味をもつのがclothesです。つまり、服を買った時には次のように言うのが正しいのです。
(3)I bought some clothes.
このclothesはその形式が示す通り複数扱いです(別に1着しか買っていなくても問題なく使えます。念のため)。また、このclothesと似た語でclothingがありますが、意味は「衣類」という抽象的な意味の不可算名詞で、a clothing store「衣料品店」など会話ではほとんど特定の文脈でしか用いられません。
ちなみに、もちろん(3)のように言ってもかまいませんが、混乱するようなら具体的に何を買ったのかを述べてやるのもひとつの方法だということは、知っておくべきでしょう。
(4)I bought a hoody.(パーカーを買った。)
繰り返し使っていれば覚えます。こういう間違えやすい語は、意図的に日記などで使うことで簡単に覚えられるのです、と生徒に言っても、やっているかはまた別の話。
【参考文献】
Swan, M.(2005). Practical English Usage. Oxford.
小西友七.(2011).『現代英語語法辞典』.三省堂.