英語教師のひとりごつ

英語教育について考える。時々ラーメンについて語ることもある。

無批判にESL成果を取り入れることを批判する

2015-02-21 21:51:00 | 日記
以前の「EFLで学ぶということ」の続きです。前回、最後に述べたかった結論が少し曖昧になった気がしたので。

結論から述べると、タイトルにもあるのですが、ESLの教授法が必ずしもEFLにおいて効果的とは限らない、ということです。もう少しこのことを掘り下げたいと思います。

そもそもESLでやたらと引用されるクラッシェンの仮説がどの程度明らかになってきたのかもわからないままとにかく引用されるわけです。インプット仮説については「大量のインプットが大事だ」ということにおいては否定の余地はないと思います(ただ「大量」がどれくらいなの?という疑問は残ります)。ただし、モニター仮説(明示的知識は自分のアウトプットを監視する働きはするけども習得にはつながらないという説)については、引用する価値が果たしてあるのか、かなり疑問です。そもそも最近の英語教育における明示的知識の指導(いわゆる文法の説明みたいな類いのもの)が極端に敬遠される根拠のひとつとなっているこのモニター仮説への盲信は、なかなか根強いものがあります。このモニター仮説を含めたクラッシェンのいくつかの仮説へ反証を示すのはかなり難しいのですが、それはある意味では科学的な仮説としてそもそも認められないことの証拠ではあるでしょう(そもそも反証不可能なものは科学的ではない、というのが科学的な仮説かどうかを見分ける重要な要素だと思います)。というわけで、ESLでもかなり怪しい仮説はましてEFLで信じるのはやめましょう、という話でした。

アウトプットは必要なの?という疑問に関しても、必ずしも一致した見解は見られません。ESLでは教室の外でも話す機会があるので、これもEFLとは一概に比べられません。EFLでは当然アウトプット活動を取り入れて、というよりアウトプット活動で伝えたいことが伝えられることをゴールにしてその前の活動が行われるべきだと思います。しかし、その道のりはかなり険しく、アウトプットするにはインプットの時間を十分に確保してやることが必要ですが、アウトプット活動にもやはり時間がかかるわけです。EFLはこういったジレンマを抱えながら進んでいきます。「どの程度インプットに時間を使い、どの程度アウトプット活動をすればよいの?」という素朴な疑問についても答えることはできてきていません。

こういった処々の疑問に答えを一応出してくれるのがメタ分析ですが、ESLという大きな括りの中でさえ、条件の大きく異なる様々な研究結果から、1つの正しい結論を導き出すのは難しいのです。ましてEFLにその成果が当てはまるのかはもう少し議論されるべきでしょう。

とにもかくにも、以前の「EFLで学ぶということ」から一貫して述べたかったのは、古典的なESLの教科書に載っている教授法はおろか、現在のESLで主流となっているものも、EFL環境でどれだけ適用できるのかはもう少し検証すべきだと思います。逆に、ESLでは否定的なやり方のいくつかが、日本では効果的だということもまた忘れてはいけないのです。

札幌 Vegieのトマトマサラ麺

2015-02-18 22:47:35 | グルメ
札幌白石区にVegieというラーメン屋があります。トマトラーメンを主に提供していますが、最近はメニューが増えていろいろ楽しめるお店です。

写真はトマトマサラ麺というメニューです。普通のトマト麺もおすすめです。パスタのような感覚で、値段も手頃で、〆にスープに入れる焼おにぎりがまた合うのです。一度で2度おいしい最高の、新しいラーメンです。

かつての教え子からのメール

2015-02-14 07:33:00 | 日記
先日、かつての教え子からメールが届きました。1校目(その当時、私は中高一貫校の中学校を主に指導していました)の時の、右も左もわからなかった頃の私は、ただ勢いだけで指導していました(勢いは今でも衰えていませんが、まだ何も悟っていないのも何も変わっていません)。その頃英語の授業と部活で指導していたその子は、現在日本を代表するアスリートとして活躍しています。当時キャプテンだった彼にだけ、私の携帯の番号を伝えていたので、それでメールを送ってきたようです。

高校での彼を見ることなく転勤した私は、しかし、彼の活躍をテレビや新聞で見ていたのですが、連絡がきたのは転勤して以来はじめてのことでした。メールの内容はともかく、おそらく私に気を使っての要素も多分に含まれているその内容から、自分が今も昔も変わらず生徒に伝えている言葉があるのだなぁとしみじみ思ったのです。

私はよく生徒に「私は、成せばなる、とか、やればできる、とか大嫌いだ。それを証明するにはやればいい。言っている暇があったらやりなさい。努力できることも才能だ。」と、ことあるごとに言っています。やらない子が「自分はやればできるけどやらなかった」と言い訳するのは悲しいことです。自分を防衛する手段としては大切なのかもしれませんが、それで人間的に成長するとも思えません。なお、ここではやる気にさせるのも教師の仕事だ、という至極真っ当な意見は一旦置いておきます。

そしてもうひとつ。「カッコつけるなら、外側じゃなく、中身でカッコつけなさい。」外見のカッコよさだけを磨くことに大した価値はないと思いますが、人のやりたくないことを進んで行うことや、困っている人に手を差しのべること、もっといえば勉強することも含めて、内面を鍛えることは意外と重要だと思います。私はこの言葉を伝えるために、何度か坊主にして「俺は見た目なんか気にしないよ」というパフォーマンスをしていました(この行為自体がもう外見を気にした行為であることはとりあえず棚上げしておきます)。なお、「じゃあ外見を全く着飾ることは重要ではないのか」といわれれば、それはそれで大事だということは、まぁ大学で学んで頂くとしましょう。

教師のどんな言葉が生徒に影響を与えるのかはわかりません。彼はこの言葉を今でも胸にがんばっていると言ってくれました。それはそれで教師冥利につきます。また気持ちを新たにした1日でした。

札幌 カレー気分のスープカレー

2015-02-08 18:06:00 | グルメ
札幌はスープカレー王国ですが、その中でも観光客がほとんどこない、でも本当においしい、地元の方々に支持されたお店はたくさんあります。清田区にある「カレー気分」というお店はまさにそんなお店でしょう。

さらさらのスープは、あっさりしていながらコクがあり、野菜の旨みも感じられ、毎日でも食べられる味付けです。そして何よりも、店員さん(おそらくご夫婦)のやさしさが感じられます。お客さんへの接客が本当に丁寧で、最高に好感が持てます。わざわざ清田区まで足を運ぶ価値があります。