英語教師のひとりごつ

英語教育について考える。時々ラーメンについて語ることもある。

スラングについてのちょっと大事な話 ~追記~

2014-04-25 08:39:00 | 日記
もう終わりにしようと思いながら、ひとつだけ述べておきたいことがあります。同じ英語を話している国や地域でも、同じスラングを使っているわけではない、ということです。アメリカとカナダはスラングについてもかなり共通していると思われますが、イギリスやオーストラリア、あるいはニュージーランドとはかなり異なる、と思ってよいでしょう。私が挙げてきたスラングはカナダやアメリカの話です。

イギリスの代表的なスラングといえばbloodyでしょう。何かを強調するときに使われますが、こちらは逆にアメリカやカナダでは使われません。

これらの国のスラングの違いについて本当に包括的に扱った文献は意外と少ない(特にイギリス英語やオーストラリア英語、ニュージーランド英語については本当に少ない!)のですが、実際にその国の人たちと話してみて感じるのが一番手っ取り早いのかもしれません。そういえばアメリカのドラマでLostといのがありましたが、アメリカ英語だけでなく、イギリス英語やオーストラリア英語を話している人たちが登場して「典型的なイギリス(オーストラリア)英語」を話していました。現地の人たちがなんというかはわかりませんが、そのあたりはかなりおもしろいと思いました。それにしてもイギリス出身のバンドマン役の人が、解散した有名バンドの人とかぶるのは私だけでしょうか。


スラングはおもしろい その3

2014-04-24 20:09:46 | 日記
今日は、というかいい加減これでスラングについては最後にしようと思っているのですが、英語での呼びかけ方について。

特に男同士だと、親しい気持ちを表すために、あるいは名前を思い出せないときに便利な呼びかけ方がいくつかあります。以下のものです。

(1)Hey, dude.
(2)Hey, bro.
(3)Hey, buddy.
(4)Hey, pal.

このdude, bro, buddy, palはどれも相手の名前を言わずに親しみをこめて用いられます。かなり一般的な表現なので、例えばカフェの店員さんがbroと使ってくるときもあります。broはbrotherの略ですが、別に実際の兄弟ではなくてもまったく関係なく使われます。

前のALTは「名前が思い出せなかったら、dudeで済ませちゃうなぁ」と言っていましたが、基本的には相手のファーストネームを言うのが英語の礼儀だと思います。思い出せないときには、これらの表現を使ってみるのも手だと思います。ただし相手が自分の上司なら、相手との人間関係にもよりますが、ファーストネームでよぶか、bossということもあります。

スラングはおもしろいですが、あまり積極的に用いると人間関係に支障が出る場合もあるので、ある程度慣れてから使うのがベストでしょう。ただ、海外の映画やドラマで出てきた表現は覚えていくと、字幕なしで理解するのにかなり役立つのは事実です。スラングと一口にいっても、場合によってはとても失礼なものと、かなり一般に定着したものがあるので、なんとも難しいところですね。

スラングはおもしろい その2

2014-04-23 19:16:49 | 日記
簡単な語彙が思わぬ意味になるのがスラングのおもしろさです。ただし、スラングの定義はかなりあいまいなので、「これはスラングなのか」と考えることにあまり意味はないと思います。スラングは失礼だ、と決めつけるのもおかしいと思いますが、日常ではスラングが多用されるから積極的に使うべきだ、と推し進めすぎるのもどうかな、というのが個人的な意見です。

さて、話を最初の話題に戻しますが、簡単な語彙が口語では意外な意味で使われる例がwayという語でしょう。このように使われます。

(1)I'm way too busy.(めっちゃ忙しいんだ。)

このwayは程度がはなはだしいことを協調するときに会話ではよく使われます。


次に、廃れて使われなくなってきたスラングについても見ていきましょう。

(1)This car is tight.(この車イケテるな。)

このtightは90年代から2000年代前半くらいまでは使われていましたが、最近ではあまり聞かなくなりました。スラングは他の語よりも流行と衰退が激しいので、うかうかしているとこういった用法を使って恥をかくことになります。しかしそれもまた経験。スラングにはそんなおもしろさもあるのです。個人的には2年おきくらいに最新のスラングの本でも発売されればおもしろいなぁと思います。


スラングはおもしろい

2014-04-20 19:48:44 | 日記
スラングは長く残るものもありますが、すぐに廃れていくものも多いので、使用頻度の高いものは指導するべきだとは思いますが、敢えてスラングだけをたくさん取り扱うような必要はないと思います。

しかし生徒が興味を持ったなら、動機付けにもなるのである程度積極的に扱ってもよいとは思います。特に教材として、海外のアニメやドラマの一部をみせると、スラングをある程度知っておかないと太刀打ちできないことは事実です。実際に出てきたものの意味は確認しておきたいものです。

さて、最近は日本でも若者を中心に「ヤバい」がよい意味で使われますが、英語でもそうした動きがあることは偶然なのかわかりませんが、特筆すべきことかもしれません。例えば次のような例があります。

(1)Your necklace is sick.(お前のネックレスかっけーな。)
(2)This car is really bad.(この車ホントかっけーな。)
(3)He is a real badass!(あいつはマジかっけー奴だな。)
(4)Your shoes are wicked!(お前の靴かっけーなぁ。)

ここに挙げたsick, bad, badass, wickedはすべて悪い意味を指す言葉でしたが、スラングではどれも「最高だ」「かっこいい」「すごい」といった意味で同じように使われます。例ではbadassだけ名詞で使われていますが、形容詞としても使われます。またbadはこの場合、通例「バァァド」と少し長めに発音します。

これで生徒が興味をもったならそれはそれですばらしいことです。もっと知りたい、から自ら勉強していくのです。こういったことは意外と生徒は食いついてきますしね。ぜひ教師の引き出しには入れておきたいものです。


そういえばこの前は海外のドラマでこんな表現を見つけました。

(5)I have butterflies.(緊張してるわ。)

get butterflies「緊張する」でも使います。正確には「I have butterflies in my stomach.」といいますが、会話では(5)のように短くすることが多いようです。おもしろい表現ですね。