英語教師のひとりごつ

英語教育について考える。時々ラーメンについて語ることもある。

意外と簡単で難しいrecommendの使い方

2016-05-22 20:40:00 | 日記
recommendを正確に使うのは、意外と難しいと思います。使う場面がわりと多いだけに、注意して語法を観察することが大事だと思います。高校では、recommendの後には「to+人」をとる、という正誤問題で大学入試に出たりするので、問題集などを見てもやたらとそこを強調して説明されています。しかし、実用的に話をするならば、それほどこの「to+人」にこだわる必要はないことは強調しておきたいと思います。

まず次の例を見てみましょう。

(1)He recommended going to this restaurant to me.

これは全く問題ない文ですが、会話の場面であれば話し相手が誰かにかかわらず、少し不自然です。それには2つの理由があります。まず1つめは、先ほど問題にした「to+人」についてです。多くの場合、これは会話の流れから明らかなので、わざわざ述べる必要はありません。もう1つは、これは不自然とまではいきませんが、「going to」です。レストランに「行く」とか「料理を食べる」のは当たり前なので、これもわざわざ言う必要はなく、つまるところ次のようにシンプルに表現することができます。

(2)He recommended this restaurant.

もちろん次の(3)ように表現することもできますが、これも先ほど述べた理由と同じ理由で、かしこまった感じに聞こえます。

(3)He recommended I go to this restaurant.

ちなみにrecommendの後に名詞節をとるなら、動詞は原形にするのが一般的ですが、動名詞よりもかしこまった感じに聞こえます。recommendの後には(1)から(3)の例のように、名詞、動名詞、あるいは名詞節のいずれかがきます。ここでまず考えるべきは、シンプルに名詞で表現できないかどうか、ということです。生徒にはこの発想がかなり欠けているような気がするので。

では、レストランで店員さんに何を食べるのがお勧めかを尋ねるには次のどれを用いるのが一般的でしょうか。

(4)What do you recommend?
(5)What do you recommend eating?
(6)What do you recommend to me?
(7)What do you recommend I eat?

答えはもちろん(4)です。文脈でわかるような無駄な部分を省いてシンプルに考えるようにしたいですね。もちろん省いてしまうと意味が伝わりにくい場合には、しっかりと述べてやるべきですが、会話ではだいたい流れでわかることがほとんどだということは知っておくべきでしょう。