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【みんな生きている】アメリカ議会編

2011-04-12 15:30:46 | 日記
アメリカの下院外交委員長が北朝鮮をテロ支援国に再指定する法案を外交委員会に提出した。法案は、日本人拉致問題も必須条件と明記している。これは家族会・救う会・拉致議連の数次の訪米による働きかけの成果と言えよう。
訳・解説は島田洋一救う会副会長。



■ロスレーティネン・アメリカ下院外交委員長が対北朝鮮「テロ国家再指定・外交不承認法案」を提出
―拉致解決は必須条件-

アメリカ連邦議会下院のイリアナ・ロスレーティネン外交委員長が、4月1日付で「2011年北朝鮮制裁および外交的不承認法案」を下院外交委員会に提出した。
まず事実認識として重要な点を列挙している。拉致問題も含まれている。その部分のみ訳出しておく。

◆北朝鮮は、アメリカの同盟国である日本と韓国の民間人を拉致した問題について、人道的かつ誠実に取り組むことを拒み続けている。
拉致被害者は、フランス・レバノン・ルーマニア・タイなどの諸国にも及んでいる。

◆脱北者の証言によれば、アメリカの永住権保持者であり、アメリカ国民の夫及び父でもあるキム・ドンシク牧師が、北朝鮮工作員によって2000年1月に中・朝国境地帯で拉致され、拷問ののち殺害された。
その遺体は現在北朝鮮内の軍事施設に置かれている。

◆議会はその権限において、2004年北朝鮮人権法で、「アメリカによる人道以外の援助は、北朝鮮の人権状況、拉致被害者の解放及び情報開示、離散家族の再結合、労働収容所システムの改革、政治的意思表示の非犯罪化などに関する実質的進展を条件とする」と明確に見解を示している。そのいずれもが実現していない。

なお同法案は、事実認識として、上記の他に北朝鮮とイラン・シリア・中国・リビアとの核・ミサイル開発における協力関係に言及している。
続いて同法案は、アメリカ政府によるテロ支援国指定解除(2008年10月11日)の後も、北朝鮮は国際テロと見なすべき行為あるいはきわめて挑発的な行為を続けているとして、ファン・ジャンヨプ元朝鮮労働党書記暗殺団の韓国派遣、天安艦撃沈事件などを挙げている。
そして、大統領は、次の諸点が実現したと議会に確証しない限り現存の対北朝鮮制裁を緩めてはならないとして、拉致問題にも触れている。その部分のみ訳出しておく。

◆アメリカの永住権保持者キム・ドンシク牧師の遺骨をアメリカ国民である未亡人、家族、教会メンバーのもとに返還し、シカゴにおいてキリスト教の様式に則った埋葬が行われるようにすること。

◆日本政府により認定された拉致被害者及び韓国政府により認定された拉致被害者を解放すること。

◆北朝鮮で生存していると見られる600人に上る韓国人捕虜およびその他の朝鮮戦争中の捕虜で、本人の意思に反し、1953年7月の休戦協定に違反して拘束されているいかなる人々も解放すること。

なおその他、北朝鮮の強制収容所に国際赤十字の代表を無制約かつ定期的に訪問させること等も挙げている。
その上で同法案は、この法の施行と同時に国務長官は北朝鮮をテロ支援国家に再指定すべきこと、上記諸点すべてを大統領が確証しない限り、北朝鮮にアメリカ大使館・領事館・連絡事務所などを設ける予算は認め難いこと等を規定している。

共和党が下院で多数を占める中、同等有力議員でかつ外交委員長の要職にあるロスレーティネン議員自ら提出した本法案が、少なくとも下院を通過する可能性は高い。
拉致問題が明記されたのは、家族会・救う会・拉致議連が数次の訪米において、ロスレーティネン議員を含むアメリカ議会の有力者・関係者らと踏み込んだ意見交換を重ねてきた成果と言えよう。
もっとも、同法案は「日本政府により認定された拉致被害者」の解放のみを掲げており、これでは寺越事件や特定失踪者のケースは枠外とされかねない。
アメリカ下院はかつて、拉致非難決議で、13歳の少年被害者として寺越武志さんに触れたことがある。
今回、法案というより高次の公的文書において、日本政府の認定に依拠したのは、アメリカ議会の立場としてはやむを得ないことではあろう。
問題は日本政府の姿勢であり、まずは寺越事件を速やかに拉致認定するよう強く求めたい。

以上



※「アメリカはローラ・リンさんとユナ・リーさんのときはクリントン元大統領、アイジャロン・マーリ・ゴメスさんのときはカーター元大統領が直接平壌に乗り込んだ。日本にも元総理がたくさんいる。その中の一人でも拉致被害者のために平壌に行ったらどうなんだ。誰かいないのか」
(上田清司埼玉県知事)
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