《国連、ついに本腰入れて北朝鮮人権問題を追及開始》
国連が北朝鮮の人権問題解決に向けて本格的に動き出した。国連は中国に滞在する脱北者の送還問題に注目している他、先頃には韓国人女性の申淑子(シン・スクチャ)さんとその娘2人が「北朝鮮に強制的に拘禁されている」との判断を下した。
この他、マルズキ・ダルスマン国連北朝鮮人権問題担当特別報告者をはじめ、拷問・飢餓・健康等の分野を担当する特別報告官5~6人が連携し、北朝鮮の人権状況に関する特別声明を発表する動きもある。
こうした一連の動きは、国連レベルで北朝鮮の人権問題解決に本腰を入れて取り組む意向を表明したものと言える。
■覆された判定
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)傘下の恣意的拘禁に関する作業部会(WGAD)による今回の判定は、1995年の「申淑子氏とその娘が拘禁されたという結論に至ることは出来ない」とした国連の判断を事実上覆すものだ。国連レベルで北朝鮮の人権問題解決のため本格的に取り組む姿勢があってこそ可能となった立場変更だ。
これを踏まえ、WGADは北朝鮮政府に対して「申さんの即時解放と適切な賠償」を要請した。
申淑子さんとその娘の救出運動を支援する韓国与党・セヌリ党の河泰慶(ハ・テギョン)国会議員は
「世界人権宣言によると、『解放』とは居住移転の自由、旅行の自由も指す。韓国への送還も含まれる」
と指摘する。
■国連内部「北朝鮮人権問題の対応不十分だった」
国連レベルでの積極的な動きについて、ソウルの外交筋は
「最近国連では、『これまで北朝鮮の人権問題に対してあまりに無関心だった』という反省の声が高まっている。これまでとは異なる解決策を探るため、北朝鮮人権問題担当特別報告者をはじめ、他の特別報告者も共に声を上げることを決めたと聞いている」
と述べた。
国連が本格的に北朝鮮の人権問題解決に向けて取り組み始めたことから、北朝鮮に対する国際世論もさらに厳しくなる見通しだ。「申淑子さんとその娘は拘禁状態にある」という国連の公式見解が明らかにされたことから、各国の政府・議会が申さん母子の解放を求める様々な決議案や声明を発表する可能性も高まった。
北朝鮮がそれを無視し、国連の特別報告者による連帯行動にも反応を示さなかった場合、国連レベルで反人道犯罪調査委員会が設置される可能性もある。
そこで北朝鮮の政治犯収容所等の人権侵害が反人道犯罪に当たるとの結論が下されれば、北朝鮮の人権問題が国連安全保障理事会の議題として取り上げられることもあり得る。
河泰慶議員は
「(常任理事国の)中国が賛成するかどうかがカギだが、少なくとも棄権すれば、国際刑事裁判所での審理が可能となる」
と指摘した。
■申さん母子救出運動に弾み
昨年初め、申さんの故郷・慶尚南道統営市で始まった救出運動は韓国全土に拡大しており、今後さらに弾みがつくものと期待される。
国連による今回の判断を受け、韓国内外で北朝鮮人権問題に取り組む運動家や専門家たち約200人による「統営の娘送還対策委員会」が6月にも正式に発足する予定だ。「統営の娘」とは申さん母子を指す。
対策委は申さん一家がかつて滞在していたドイツを訪れ、ドイツ政府が申さんの安否確認に乗り出すとともに、申さん母子の送還要求を行うよう公式に要請する方針だ。
また、8月からの3ヶ月間、ニューヨーク・ジュネーブ・ベルリンにある北朝鮮の在外公館前で大規模な抗議デモを計画している。
対策委のホ・ヒョンジュン事務局長は
「国際刑事裁判所への提訴も検討する」
と述べた。申さんが「拘禁された」と断定した国連の判断と申さんが「死亡した」との北朝鮮の説明を総合すると、北朝鮮は死亡したと説明した申さんを放置したことになり、国際法に基づき提訴対象となり得るからだ。
■国際刑事裁判所(ICC)とは?
人道に反する罪や戦争犯罪を裁く世界唯一の常設司法機関。
特定国が起訴をためらう場合でも、国際刑事裁判所(ICC)が訴追権を行使して人道に反する罪を裁くことが出来る。
北朝鮮の人権問題を巡っては
「国連の反人道犯罪調査委員会で取り扱ったあと、ICCに最終判断を委ねるべきだ」
との世論が生まれている。
※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
(脱北者Aさん。脱北者手記集より)
国連が北朝鮮の人権問題解決に向けて本格的に動き出した。国連は中国に滞在する脱北者の送還問題に注目している他、先頃には韓国人女性の申淑子(シン・スクチャ)さんとその娘2人が「北朝鮮に強制的に拘禁されている」との判断を下した。
この他、マルズキ・ダルスマン国連北朝鮮人権問題担当特別報告者をはじめ、拷問・飢餓・健康等の分野を担当する特別報告官5~6人が連携し、北朝鮮の人権状況に関する特別声明を発表する動きもある。
こうした一連の動きは、国連レベルで北朝鮮の人権問題解決に本腰を入れて取り組む意向を表明したものと言える。
■覆された判定
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)傘下の恣意的拘禁に関する作業部会(WGAD)による今回の判定は、1995年の「申淑子氏とその娘が拘禁されたという結論に至ることは出来ない」とした国連の判断を事実上覆すものだ。国連レベルで北朝鮮の人権問題解決のため本格的に取り組む姿勢があってこそ可能となった立場変更だ。
これを踏まえ、WGADは北朝鮮政府に対して「申さんの即時解放と適切な賠償」を要請した。
申淑子さんとその娘の救出運動を支援する韓国与党・セヌリ党の河泰慶(ハ・テギョン)国会議員は
「世界人権宣言によると、『解放』とは居住移転の自由、旅行の自由も指す。韓国への送還も含まれる」
と指摘する。
■国連内部「北朝鮮人権問題の対応不十分だった」
国連レベルでの積極的な動きについて、ソウルの外交筋は
「最近国連では、『これまで北朝鮮の人権問題に対してあまりに無関心だった』という反省の声が高まっている。これまでとは異なる解決策を探るため、北朝鮮人権問題担当特別報告者をはじめ、他の特別報告者も共に声を上げることを決めたと聞いている」
と述べた。
国連が本格的に北朝鮮の人権問題解決に向けて取り組み始めたことから、北朝鮮に対する国際世論もさらに厳しくなる見通しだ。「申淑子さんとその娘は拘禁状態にある」という国連の公式見解が明らかにされたことから、各国の政府・議会が申さん母子の解放を求める様々な決議案や声明を発表する可能性も高まった。
北朝鮮がそれを無視し、国連の特別報告者による連帯行動にも反応を示さなかった場合、国連レベルで反人道犯罪調査委員会が設置される可能性もある。
そこで北朝鮮の政治犯収容所等の人権侵害が反人道犯罪に当たるとの結論が下されれば、北朝鮮の人権問題が国連安全保障理事会の議題として取り上げられることもあり得る。
河泰慶議員は
「(常任理事国の)中国が賛成するかどうかがカギだが、少なくとも棄権すれば、国際刑事裁判所での審理が可能となる」
と指摘した。
■申さん母子救出運動に弾み
昨年初め、申さんの故郷・慶尚南道統営市で始まった救出運動は韓国全土に拡大しており、今後さらに弾みがつくものと期待される。
国連による今回の判断を受け、韓国内外で北朝鮮人権問題に取り組む運動家や専門家たち約200人による「統営の娘送還対策委員会」が6月にも正式に発足する予定だ。「統営の娘」とは申さん母子を指す。
対策委は申さん一家がかつて滞在していたドイツを訪れ、ドイツ政府が申さんの安否確認に乗り出すとともに、申さん母子の送還要求を行うよう公式に要請する方針だ。
また、8月からの3ヶ月間、ニューヨーク・ジュネーブ・ベルリンにある北朝鮮の在外公館前で大規模な抗議デモを計画している。
対策委のホ・ヒョンジュン事務局長は
「国際刑事裁判所への提訴も検討する」
と述べた。申さんが「拘禁された」と断定した国連の判断と申さんが「死亡した」との北朝鮮の説明を総合すると、北朝鮮は死亡したと説明した申さんを放置したことになり、国際法に基づき提訴対象となり得るからだ。
■国際刑事裁判所(ICC)とは?
人道に反する罪や戦争犯罪を裁く世界唯一の常設司法機関。
特定国が起訴をためらう場合でも、国際刑事裁判所(ICC)が訴追権を行使して人道に反する罪を裁くことが出来る。
北朝鮮の人権問題を巡っては
「国連の反人道犯罪調査委員会で取り扱ったあと、ICCに最終判断を委ねるべきだ」
との世論が生まれている。
※「親北勢力は胸に手を当てて考えて欲しい。もし、あなたの子供たちが食べ物に飢えて栄養失調になり、骨だけの痩せ細った体で勉強を諦め、市場のゴミ捨て場を漁っていたら、どんな気持ちになるだろうか。そうせざるを得ない社会に憧れを持つことなど出来るだろうか」
(脱北者Aさん。脱北者手記集より)