テリー・イシダの『独酌酔言』。

夜な夜な酒場で一人飲み、酔った勢いであれこれ、一言、申し上げます。

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事69~3月21日までの1週間の陽性率は2.3%(前週2.3%)と横ばい、感染者数は増加。

2021年03月24日 | コロナウイルス2020

なるべく分かりやすく!コロナウイルスの事69~

3月21日までの1週間の陽性率は2.3%(前週2.3%)と横ばい

◆しかし、感染者数は増加

1週間の感染者数が1万人を切った2月21日の週から、

3週連続で7000人台だった感染者数は8765人に増加、

検査数も感染者数も同率で増えたという事になります、

低い陽性率でのこの現象、どう観るべきなのでしょうか?

この数週間書いていますが、

低い陽性率はすでに安心証明にはならない状況です、

しかし、これが上昇に転じた時は間違いなく感染再拡大が始まっている時、

逆に一定の検査数があり、陽性率が下がり始めると、

これは間違いなく一旦とはいえ収束に向かっている、と云えると思います、

低位の陽性率に動きがない現状は何を示しているのか?

(各日までの1週間の平均陽性率)
      陽性率     検査数  陽性者数
6月21日 0.5%  73911  435人
6月28日 1.3%  39103  526人
7月5日   2.6%  43392   1132人
7月12日 3.4%  57911 1980人
7月19日 3.8%  81922 3140人
7月26日 5.9%  80286 4742人
8月2日   6.0% 121121   7304人
8月9日   6.1% 164877  10094人
8月16日 4.5% 176032    7931人
8月23日 4.9%  143766    7033人
8月30日 4.4% 124531    5517人
9月  6日 3.0% 140951 4155人
9月13日 3.1% 121494 3799人
9月20日 2.8% 124451 3439人
9月27日 2.9% 108743 3033人
10月4日 1.7% 214882 3649人 ※ただし、検査数に異常値参入有、実質横ばい
10月11日  2.7% 132914 3573人
10月18日  2.8% 134620 3744人
10月25日  2.8% 139830 3878人
11月 1日   3.1% 147810 4612人
11月 8日   4.2% 140243 5940人
11月15日  5.5% 173776 9591人
11月22日  6.2% 217199 13502人
11月29日  6.1%  236143 14474人
12月6日 6.1%  251480 15445人
12月13日  5.9%  292670 17189人
12月20日  5.6% 330070 18593人
12月27日  6.1% 348965 21432人
 1月 3日 10.8%  218184 23642人    ※年末年始で検査数が減少
 1月10日   8.6% 460951   39821人    ※1/8首都圏 緊急事態宣言
 1月17日 9.2%  450028 41521人     ※1/14関西中部福岡栃木 緊急事態宣言
 1月24日 7.2%   536485 38365人
 1月31日 5.7%   454648 26081人
 2月 7日  4.3%   389517 16693人 
2月14日  3.2%   349441 11037人
2月21日  2.8%   364258    10035人
2月28日  2.4%    299619  7233人  ※2月末、1都3県以外の緊急事態宣言解除
3月7日    2.1% 351169  7216人 
3月14日  2.3% 340145  7917人
3月21日  2.3% 375025  8765人 ※21日緊急事態宣言全面解除
※厚労省発表日報から集計 各日正午までの集計

◆3月21日で緊急事態宣言は全面的に解除されました

新規感染者数が増加傾向、

東京都の直近7日間移動の前週比は106.6%(3月23日)と明らかに増加傾向を示しています、

そんな中、緊急事態宣言は解除されました、

個人的には継続されるのではないかと考えていましたので、これはちょっと意外でした、

病床使用率などが改善されたということもあるでしょうが、

やはり飲食店などへの経済的ダメージをこれ以上甘受できない、

という考えが優先されたのかと思います、

病床に関しては、質量共に昨年より相当充実してきているので、

使用率が低減してきていると思われます、

すなわち、多くの人の努力で少しずつ対コロナ対策の地力が上がってきている、ということです、

検査態勢についても同じ事が云えます、

◆低い陽性率は検査体制のキャパシティ内で増加を続けているから

陽性率が低位で横ばいなのに、新規感染者数は増加している、

これをどう観るのか?

もっともシンプルな説明は、

検査体制のキャパシティ内でCOVID-19が活動を続けているから、

ということになります、

すなわち、感染は再び拡がる傾向にありますが、

現状の検査態勢も充実してきており、しっかりと感染者を捕まえている、

と理解するのが良いと思います、

なにやら、良い状態のように思えますが、、、

そんなことはありません、

多くの方の努力で今のところは新規感染者をしっかり掴まえられていますが、

感染は再拡大する可能性が高い、

新規感染者が急増して、

検査態勢のキャパシティを越えると、、、

陽性率が一気に跳ね上がります

その時はすでに第4波(ホントは第3波)の感染拡大期に突入しているということです、

低い陽性率はすでに安全証明ではありませんが、

陽性率の増減は感染拡大の方向性とスピードを指し示してくれると考えます、

今後も陽性率は追っていきましょう、

◆緊急事態宣言の効果はあったのか?

緊急事態宣言が解除されてなにが変わったのか?

あまり変わっていない?

たしかに飲食店の営業時間が60分延長(20時⇒21時)、

酒類の提供時間は90分延長(19時⇒20時30分)されましたが、

それ以外に目立った生活様式の変更はありません

変わらずマスク着用、手指の消毒、密の回避、4人以上の宴会の自粛、

これらは最低限継続していき、自身の身体を守らなければなりません、

それでも、1月の最感染拡大期に比べると減った新規感染者、

でも、これ以上減りそうにない現状、

これらを俯瞰でみると、、、

ひょっとすると、現行の緊急事態宣言=(実質)飲食店への時短営業要請では、

これ以上はCOVID-19を封じ込める効果が無い!!のかもしれません、

施策の限界ということです、

緊急事態宣言を2度にわたり延長したにもかかわらず、

一旦収束せずに再拡大に向かう、

これは現行の飲食店の時短営業施策の限界を示しているのかもしれません、

そうであるならば、

現行の緊急事態宣言自体が無意味、ということにもなります、

皮肉な観方ですが、無意味なら解除しても良い、

ということだったかもしれません、

◆COVID-19を押さえ込む決め手はワクチンだが、、、

現状、我々が持っている武器、

マスク着用、手指の消毒、密の回避、飲食店の時短営業、4人以上の宴会禁止、

これだけではCOVID-19を押さえ込むのが難しいのであれば、他になにか武器が必要です、

もっとも有効と思われる中国式の徹底的な都市封鎖は日本では無理、

あれは一党独裁だから出来ること、

現状ではワクチンがその切り札ではありますが、

国内では相変わらずスピード感がありません、

政府が接種現場の仕切りを自治体に任せたことで、

各自治体の個別事情に合わせて接種現場(会場・人材・運営)のハード・ソフト両面のノウハウを自治体毎に手探りで作るという、

如何にも非効率的・非生産的なことが全国で行なわれています、

政府が接種現場のハード・ソフト両面の基本行動指針を具体的に出すべきだったと考えます、

ワクチン担当大臣の仕事は結局、

『海外からワクチンを買い付ける』事だけだったみたいです、

それなら商社でも出来ます、

ホントに危機管理能力が極端に低い日本の政府とお役所構造です、

民主的で強いリーダーシップが求められています、

◆想像以上に大きいワクチンへの不信感

そんな切り札のワクチンへの国内での不信感は想像以上に大きいです、

3月5日から行なわれた国際医療福祉大学の調査では、

ワクチンを信頼する(やや信頼も含む) 55.5%
ワクチンは信頼しない(やや信頼しないも含む) 44.6%

と拮抗しています、

これも想像以上の数字です、

さらに回答者の健康状態と信頼度のクロス集計では、

・自分を健康と思っている人の信頼度 62.0%
・健康に不安のある人の信頼度 34.5% 
 (同 信頼しない65.5%)

と、自らの健康に不安のある人ほどワクチンへの不信感が大きいことも分かりました、

持病などがある人の方がコロナ重症化リスクが高いのに、

そういう人の方がワクチンを信頼していない、という結果です、

ここはワクチンへの透明性を確保しながら、

国民への情報提供を高めて、ワクチン接種推進を進める必要があります、

◆ワクチンに対する疑義も

しかし、たしかにワクチンに対する疑義もあります、

アストラゼネカ社のワクチンで接種後の血栓発生が疑われる事例があり、

EUなどで一時(3月中旬)接種を見合わせる事態となりました、

その後、WHOが相関関係は無しとの発表を行ない、接種再開、

しかし、3月24日には同じくアストラゼネカ社が発表した臨床データに疑義があり、

米国NIAID(国立アレルギー感染症研究所)が正確なデータを公表するよう求めています、

アストラゼネカ社のワクチンは日本でも接種される予定です、

国民はワクチン銘柄を選べないので、これはちょっと不安になりますね、

◆日本も機構改革が必要

日本には米国NIAIDやCDC(米国疾病対策予防センター)のような強い権限を持つ専門組織がありません、

各省庁に分断されているCOVID-19対応の権限と責任

COVID-19のような全国民に害が及ぶ国難では、

(民主的で)強いリーダーシップとともに、

効率的・生産的に対応できる組織も必要です、

司令塔不在の自治体任せのワクチン接種、、、

なんとも情けない、、、

中期的な観点での感染症対策組織の機構改革も政府の大きな宿題です、



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