羽花山人日記

徒然なるままに

ハッとさせられた記事

2024-08-18 16:01:16 | 日記

ハッとさせられた記事

ブログを休んでいた間に読んだ記事の中で、ハッとさせられたのが一つあった。

8月13日付の朝日新聞デジタルに載っていた、小川尭洋記者による『日本語の歌声が響いた中国旅行のバス 赤面し頭下げた私の父の願い』と題する記事である。

小川記者は、2001年の夏、両親と一緒に中国でシルクロードをめぐるバスツアーに参加していた。前の席にいた中国人のおばあさんが、日本語で話しかけ、1曲歌わせてほしいといい、立ち上がって日本語で唱歌の「故郷」を朗々と歌った。

車内は拍手喝さい。しかし、ふと見たお父さんの顔は赤面して汗ばみ、中国語で「すみません。恥ずかしい。」と繰り返していた。おばあさんはお父さんに「落ち着いてください。日本語で歌うのは60年ぶりです。」と穏やかに声をかけた。

記者のお父さんは近代中国文学の研究者で大学教員、研究の過程で中国人のお母さんと知り合って結婚した。中国に対する日本の侵略行為や、中国人差別については身に染みて知っていた。

後年その時のことを訊いた記者に、お父さんは「自分の意思に反して日本語を教えられたわけだから、申し訳ない気持ちになるのはごく自然なことだったと思う。」といった。記者のお父さんは、おばあさんの年齢から、その日本語が強制的に教えられたものとすぐ気がついたのだろう。

もしその場にいたのがわたしだったら、「日本語お上手ですね。どこで習ったのですか。」と無神経にたずねただろう。

言語も侵略性を持っていることに、あらためて気づかされた。世界の共通語になっている英語にも、そうした背景と歴史があるのではなかろうか。

 

美空ひばりの英語

昨日の『おんがく交差点』(テレ東)のゲストは、ジャズクラリネット奏者の北村英治さんだった。95歳というお歳は聞かないと信じられない。矍鑠とした演奏は驚くほかない。1時間半以上あるステージを、立ったままで演奏されるそうで、それが不思議とは思っていらっしゃらない。

ホストの三遊亭小朝師匠が、ドラムスを叩いてジャズスタンダードNo.『 Sing Sing Sing』で北村さんとセッションし、見事な演奏を披露したのには驚いた。

面白かったのは、美空ひばりさんにまつわる話である。

北村さんは彼女の伴奏を務めたことがあり、その特異な才能に驚いたという。どんな歌でも一度聴いただけで完全にコピーしてしまうそうである。

沖縄で演奏した時、ひばりさんは英語でジャズを歌った。聴いていたGIが、日本人でこんなに完ぺきな英語で歌うのを聞いたことがないと感激して、楽屋に押し寄せ早口の英語で話しかけた。

ひばりさんは、「この人何言ってるのかさっぱりわからないわよ。」と悠然と構えていたそうだ。

テレビ画面を撮影

 

STOP WAR!

 


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3 コメント

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Unknown (KamijimaAkio)
2024-08-19 07:50:06
戦前、日本は中国(満州、台湾)、朝鮮に日本語を強要したことは事実ですね。中国のおばあさんの歌を聴いて、記者のお父さんが謝罪したことは立派な行動だと思います。世界の共通語になっている英語も初期は侵略性を持っていたことでしよう。
美空ひばりは特異な才能をもった大天才ですね!
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天野明 (天野明)
2024-08-19 17:17:39
言語にも侵略性を持っている事を知りました。謝罪をした記者のお父さんは立派な行動ですね。英語も同様ですね。北村さんと小朝のセッションは興味深いですね。美空ひばりは正に異能な天才ですね。
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Unknown (山人)
2024-08-20 11:28:47
英語を話すのが当たり前という態度のアメリカ人には何回かあったことがあります、他方、日本語が話せなくてすみませんといった、オーストラリア人もいました。
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