池澤夏樹氏
6月は完全にお休みでした。すいません。
神戸と三重県津で仕事をしました。
マスクをして2mはなれて、面談するのはこれまでの
仕事と変わりありませんが、いまでも毎日体温は
測定しています。
少しずつ東京都のコロナ感染者は増え続け、今日は
とうとう2日続けて100人を超えてしまいました。
日曜日の毎日新聞で「シリーズ疫病と人間」が続いています。
今度の日曜日は、真打の「ジャック・アタリ」あたりが登場
してきます。その前に日本人としてすばらしい卓見をお持ちの
池澤夏樹氏を紹介します(最後は私の疑問)。
以下毎日新聞の池澤夏樹氏投稿より;
昭和から平成まで、資本主義市場経済で、消費者となって
新製品を買って喜ぶことを何より優先してきた。そうして
浮かれている間に資本の方はどんどんグローバル化し、国家が
コントロールできないものに育ってきた。消費文化によって
自然を改造して自分たちに都合のいいように仕立て直した。
それが行き過ぎて温暖化を招き、ウイルスのパンデミックを
引き起こした。
人間の社会にとっては一定の社会主義的施策は必要である。
今の政府のメンバーには社会主義の思想が足りないから
施策がみな検討違いになる。飲食店に自粛を要請するなら
休業補償はセットだろう。普通の国民の生活の場への想像力
がない。今の政治家たち。トランプは口汚い悪ガキ、習近平は
皇帝気取り、わが首相は事態を「アンダーコントロール」
できないアベノウソマロ。言葉を職業とする者としていえば
副詞・形容詞の多い語り手は信用しないほうがいい。安倍の
言葉は「美しい国」以来ぶよぶよの水増しである。
ウイルスはそれぞれの国の弱点を突く。
日本でいえば膨大な国債。対GDP比237%。ドイツは59%。
出生率の低下。出産可能な女性の数がすでに減っている以上
回復は絶対に不可能。これほど厳密な未来予想はない。国の
衰退は見えている。さらに37%という低い食料自給率。自動車
を優先して、農業を隅へ押しやった。政治家も財界人も目先の
利を追うばかりで遠い先を見ていなかった。国民もそれでいいと
思って浮かれていた。そこにパンデミック。具体的な今後の提案
はないが、最後に「人間は耐えるだけでなく勝利するだろう。
すべての生き物の中で、人間には魂があり、共感と犠牲と忍耐を
担うだけの精神があるからだ」と結んでいるが、
いまの地球で「共感と犠牲と忍耐を共有できる」国は、
日本にはあるだろうか?おおいに疑問だ。
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