電車が動き始めたのを見計らい、膝に弁当を広げました。
缶ビールは冷たい内に飲まなければなりません。
それにつけてもこの数年、国内旅行は、ほぼ全てが車に寝袋を積んで走るスタイルでしたから、電車に揺られ、弁当を突きながらビールを飲む体験は本当に久し振りです。
欲を言えば、通勤電車のようなロングシートでなく、ボックス席であってほしかった。
電車が八郎潟駅を過ぎる頃、高校性は全て下車し、長旅の雰囲気を漂わせる客がちらほら、という車内光景となっていました。
東能代辺りまで停車駅の名を耳にしましたが、そのうちウトウトし始めたようです。
弘前駅で再び、席の半分程を乗客が埋めて、秋田からの電車は22時13分に青森駅に到着しました。
ここまで、上野を出てから17時間、789.1kmの鉄路を乗り継いできました。
単純計算で時速は46.4kmとなり、一般道を走る自動車なみの速度です。
このルートでの正規運賃は10800円ですが、青春18きっぷの一日分の料金は2370円です。
時間と体力があり、お金を節約したい人にはピッタリ。
勿論、鉄道が好きであることが必須条件です。
但し、途中で電車が遅れ、接続予定の普通電車に乗れなければ、新たに特急列車の特急券と運賃を買うか、予定外の町で宿を探すリスクが伴います。
青春18きっぷは、予定の電車が走らなくても、払い戻しは一切ありませんから、財布に十分な余裕を持たせておくべきです。
上野を朝5時13分に発車し、車窓の景色を眺めながら延々と青森まで電車を乗り継いできました。
そして無事に青森駅に到着し「青春18きっぷ」花の旅 の序章が終わりました。
ところで今回、筆者は北海道への旅に「青春18きっぷ」を利用しましたが、同様の金額で、普通列車限定で北海道と東日本を旅できる切符があります。
その切符は「北海道&東日本パス」といい、この切符も春・夏・冬の3シーズン発売されています。
料金は10850円(青春18は11850円)でJR北海道とJR東日本管内(青春18は全国JR)であれば、連続する7日間が乗り放題(青春18は連続でなくてもよい)となります。
上記以外の青春18きっぷとの違いは、第三セクターの青い森鉄道、IGRいわて銀河鉄道、北越急行も乗れることと、青春18きっぷより利用期間が幅広く設定されていることです。
東京から北海道へ旅するのであれば、第三セクターが利用できる「北海道&東日本パス」が断然有利です。
また、「北海道&東日本パス」は新青森~新函館北斗間を特定特急券(3930円)で乗ることができます(青春18は運賃を含め7260円)。
上記のように、東京から北海道へ旅するのであれば、「北海道&東日本パス」が便利ですが、今回筆者は北海道の山に登るつもりだったので、天候で日程が変わる可能性や、新潟を経由したかったこともあり、「青春18きっぷ」を利用しました。
尚、青春18きっぷの旅を計画する場合、インターネットジョルダンで青春18きっぷ に対応した「乗換案内」が非常に便利です。
勿論今回の旅でも、存分に活用させてもらいました。
「青春18きっぷ」花の旅 北海道 indexをご利用下さい。
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