戸隠植物園出発は16時前後。
最後目的地の白馬村には17時前に到着するはずです。
しかし、いざ走り始めると県道36号と国道406号は谷川に沿って続く、極めてナチュラルなコースでした。
私はこんな道が大好きですが、今日はいささか心配になりました。
何しろ、追い越し禁止が続く道路で、前を走る、地元のお年寄りと思しき方の運転する軽自動車は目一杯安全運転なのです。
制限速度が30㎞かと疑う程です。
国道両側の景色は、秋の稔りの季節を控えて黄金に輝き、極めて長閑でした。
まあ、「郷に入れば郷に従え」と申しますので、私もいったん車を止めて、のんびりと周囲の写真を写しながら気を静めました。

実は、急ぐにはそれなりの訳があります。
次の目的地である、白馬山麓植物園に閉園前に何とか到着したいのです。
明日朝の開園を待つと、その後のスケジュールがきつくなるのです。
白馬山麓植物園の駐車場に車を止めたのはジャスト17時でした。
急いでアプローチを登って行くと、途中で職員らしき方とすれ違い、閉園を確信しましたが、


あえて入園口まで行くと、閉園17:00と表示された看板が目に入りました。
更には、入門口の小屋と反対側の柱の間に、細く赤い紐が渡されていました。

駐車場へ戻る途中、先ほどの職員らしき方にお会いしたので、「今は何が咲いていますか?」と尋ねると、淀みなく十種類程の植物名が告げられましたが、特段に耳新しい花もないので、入園は又の機会に譲ることにしました。
さて次はどうするかと考え、近くの小谷(おたり)村に良い温泉があることを思いつきました。
しかし、この辺りの飲食店は夕刻早々に店仕舞いしそうです。
まずはコンビニで幕の内弁当とワンカップ、ワインとチーズを手に入れ、カーナビに小谷温泉をセットしました。
現在地からは24km、約40分の表示でした。
小谷温泉山田旅館に到着して、玄関で「日帰りですが、お湯を使わせて頂けますか?」と尋ねると「お一人ですか?日帰りは3時までですが、今日は宜しいですよ」とのことで、入浴料500円を払い、ゆったりと湯船の人となりました。

小谷温泉は噂に違わぬ、本当に心地よい温泉でした。
温泉好きの方であれば絶対にお気にめされる筈です。
ちなみに、湯部屋の隅の、倒木の年輪のような物体は浴槽の壁に堆積した25年物の含有物だそうです。

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