跨線橋を渡り、隣のホームに待つ秋田行きの電車に乗り換えました。
秋田行き普通電車は酒田駅を16時30分に発車しました。
電車は2両編成のワンマンカーで、運転席の横に運賃表示板が設けられています。
無人駅から乗る客は、車両後方ドアに設置された整理券発券機から番号札を取ります。
乗車する駅ごとに札番号が変わり、下車駅に着くと、運賃表示板に示された整理券番号で運賃を確認して、運転席横の運賃箱に運賃と整理券を入れて下車します。
都会では見られないシステムですが、青春18きっぷの旅客は、該当する路線であれば乗り降り自由なので、18きっぷを運転手に示すだけで下車することができます。
筆者は鳥海山が見たくて、進行方向右側の席に座りましたが、山は厚い雲に覆われていました。
吹浦駅を過ぎた辺りで、電車は再び海岸線に出ました。
夕暮れが迫りきて、いつの間にか車内に灯が灯されていました。
日本海がいぶし銀に染まり、白いさざ波が磯を洗います。
電車は駅に着くたびに丁寧な停車と発車を繰り返しました。
小高い場所の女鹿駅から、密集する集落が眼下に見えていました。
雪降る季節ともなれば、海も空も家も、全てが鈍色の光に包まれるはずです。
私は半袖カッターシャツ姿で、晩夏を走る電車の窓から外を眺め、冬の景色を想像しました。
若い頃は、激しく厳しい、清冽な雪の荒野に憧れたことを思い出しました。
綺麗なものが見たいだけで、厳冬の山に登ったあの頃を思い出していました。
女鹿駅を過ぎた辺り、山形県と秋田県の県境で、沖に小さな島影を見出しました。
飛島です。
私が最初に飛島を知ったのは、全国のニッコウキスゲの群落地を調べる作業中でした。
そしてそれ以来、一度は訪ねてみたいと思ってはいるのですが・・・
与えられた人生の時間と体力が減りつつありますので、早くいかなければなりません。
そして今回、ネット検索で面白いページを見つけました。
応援したくなります。
「青春18きっぷ」花の旅 北海道 indexをご利用下さい。
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筆者のホームページ 「PAPYRUS」