長万部発13時18分の倶知安行きに乗車しました。
函館本線を走る普通列車は一両編成でした。
長万部を出るとすぐに、函館本線は室蘭本線と分かれ、渡島半島の内陸部へと進んで行きます。
気動車の速度は、並走する国道5号線のトラックよりも早く、トラックを追い抜いてゆきます。
車窓から、牧草地の奥に山が見えました。
地図で確認すると、標高449mの写万部山かもしれません。
山の別名はシャマンペヌプリ。
アイヌ語でシャマンペは魚のカレイ、ヌプリは山だそうです。
そしてこのように、北海道の地名は殆どがアイヌ語由来です。
長万部から二つ目の黒松内駅に「北限ブナの木」が掲示されていました。
記事を書くに当たって、画面左下の掲示物をPCで拡大して読むと、「黒松内町の歌才ブナ林は自生北限地帯として国の天然記念物に指定されている」と記されています。
列車の後方座席に座わりましたが、途中で線路の描くカーブがかなりきついことに気付きました。
そして単線線路の両脇の樹木が高く、函館本線とは言っても、まるでローカル線を走っているかのような錯覚に囚われます。
事実、函館本線は函館から小樽と札幌を経由して旭川へ伸びる主要幹線ですが、長万部から先の山間部が単線で、函館と札幌を結ぶ特急列車は全て室蘭本線を走ります。
森を抜ける景色を楽しんでいると、昆布駅を過ぎた辺りで、車窓左手にニセコアンヌプリが見えてきました。
列車は尻別川左岸の森の中を、急カーブを繰り返しながら走りますので、なかなかニセコアンヌプリの全容をカメラに収めることができません。
列車に乗り合わせた方達も、皆さん苦労しながら、ニセコアンヌプリにレンズを向けていました。
やがて列車は比羅夫駅に到着し、アンヌプリに別れを告げます。
ところで、下の写真の比羅夫駅は、日本唯一の宿泊可能な駅舎です。
ネットで調べると、一泊素泊まりが3650円だそうです。
(2019年9月24日現在)
比羅夫を過ぎた頃、今度は車窓右手に羊蹄山が見えてきました。
そして、上の写真を最後に、この日に撮影した写真はもうありません。
というのも、列車が終着駅の倶知安に着き、そこで乗り継いだ小樽行き列車が混み始め、
更に、余市から乗り込んできたベトナム人の若者達と会話が弾み、車窓から写真を撮る余裕がなかったのです。
彼らは岩見沢で働く職業訓練生で、休日を利用して、余市へ遊びに来たのだとか。
私がホームページに掲載した、ベトナム原産のツバキ「ハイドゥン」や「クエホンエンシス」の写真を、彼らのスマホを借りて紹介すると、目を輝かせながら、ハノイの様子などを説明してくれました。
私も一度は、ベトナムを訪ねてみたいものです。
さて、この日は小樽、札幌、滝川で電車を乗り継ぎ、旭川に22時34分に到着。
札幌から電話予約した、駅近ホテルのベッドに倒れ込みました。
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