旅の三日目は新たに切符を買って富良野線に乗り、富良野へ向かいました。
富良野へ行く目的は、40年ほど前に買った土地の様子を確認することです。
旭川で仕事をしていた頃、定年退職後に富良野にログハウスを建て、のんびり暮らしたいと考えていました。
しかしその後、購入した土地が市街化調整区域に変更され、新たな規制が加わり、簡単に小屋を建てることができなくなったのです。
小屋の建築資金は用意していたのですが、土地整備に新たな予算が必要なことが分り、今はそのまま放置しています。
著名人が住む別荘地に隣接し、1000坪の敷地内の池に鯉が泳ぎ、スキー場にも近い一等地なので、希望する人がいれば、お譲りしたいと考えています。
ということで、「花の旅」の三日目は休息を兼ね、のんびりと一日を過ごしました。
この日青春18きっぷは使いませんでした。
四日目の朝、大雪山黒岳を目指し、車で層雲峡へ向かいました。
チェックアウトを済ませたホテルで、層雲峡方面へ行くという、親切な方の車に乗せてもらうことができたのです。
層雲峡に着くと、谷の底には、朝日がまだ届いていませんでした。
黒岳ロープウェイに乗って頂上を目指します。
ゴンドラが高度を上げると、次第にニセイカウシュッペ山が見えてきました。
40年前、28歳の誕生日をあの山腹で迎えたことを思い出します。
3月上旬でしたが、夜明けを迎える頃、雪の斜面に作った雪洞を出ると、横なぐりの風と雪が吹き荒れていました。
ロープウェイが黒岳の五合目まで連れて行ってくれます。
ロープウェイ駅を降りると、名札を付けた高山植物が出迎えました。
ミヤマセンキュウはセリ科の多年草で、深い山に育つ川芎(せんきゅう)を意味しますが、川芎は中国北部原産の漢方に用いられる植物です。
タカネトウウチソウ(高嶺唐打草)はバラ科の多年草で、花の穂が、中国由来の、中が空洞になる組み方の唐打紐に似ていることから名付けられました。
ミヤマセンキュウ タカネトウチソウ
ロープウェイを降りてリフトに乗り換えました。
このリフトに乗るのは30数年ぶりです。
この場所は冬にスキー場となりますが、標高が高いので、5月の連休頃までスキーを楽しむことができます。
リフトを降りる頃、ニセイカウシュッペ山に雲がかかりはじめました。
山の天気は変わり易く、無意識に雲や風を確認する癖が抜けません。
でも、あの雲の動きであれば大丈夫でしょう。
リフトを降りて登山道を登り始めました。
今回は、頂上まで1時間程ですが、12月の厳冬期に、胸まで埋まる雪をラッセルしながら、1日半かけて登ったことを想い出しました。
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