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幾山川越え去りゆかば

2011-09-30 11:12:04 | 山陰・山陽 秋の花旅

 

 独鈷の滝でゆったりした時を過ごし、丹波の森街道に戻りました。

 

 道の横に大きな和牛のモニュメントが見えます。

 

 「そうか、丹波牛ですか、結構ですよね~」とこの後、運転席から牛肉を食べさせてくれそうな店を探しましたが、道は人里を離れ、ますます山の中へと入って行きます。 

 

 

 道は少しずつ標高を高めて道幅も狭まり、追い越し禁止区間が続きました。

 

 

 丹波市小倉を過ぎた辺りだったと思いますが、小さく曲がり続ける道が小さな集落に差し掛かったとき、稲刈りを終えた田の畦に赤い曼珠沙華の連なりを見つけました。

 

 

 急いで車を路肩に停めて、カメラ片手に曼珠沙華の横に屈んでいると背後に人影を感じました。

 

 

 車を停めたすぐ横の工務店から小父さんが出てきて「こんな所で、何処のどいつだ」みたいな顔で私の様子をチラッと伺い、「何だ、曼珠沙華か」みたいな表情で、一瞬頬緩ませて店の中へと戻って行きました。

 

 

 曼珠沙華に限らず、何時でも花は人の頬を緩ませるようです。

 

 

 田圃の奥にも赤い花影を見つけたので、細い村道に車を進めました。

 

 田へ水を引く用水路でしょうか、山からの清らかな水が流れる溝に沿って、桜並木の下に赤い蝋燭を灯したように曼珠沙華が並んでいました。

 

 

 絵のような山里の曼珠沙華を目に焼き付けて、再び丹波の森街道へ戻ります。

 

 車は長閑な風景の中を進んで行きます。

 道路の掲示物が、この道は遠阪峠へ向かっていることを教えてくれます。

 

 通り過ぎる村々では頻繁に、赤い曼珠沙華が姿を見せていました。

 この道は「丹波の森街道」というよりは「曼珠沙華街道」と名を変えたほうが、と思わせてくれた程です。

 

 

 遠阪峠へ登りきる前に「今出川親水公園」の案内板を目にしたので再びの寄り道です。

 

 

 

 

 そこに熊野神社がありました。

 

 掲示されていた説明によると、毎年11月3日に裸祭りが催され、その行事が無形文化財に指定されているのだそうです。

 

 

 

 

  

 今出川親水公園には水車小屋があり、その水車で挽いた蕎麦を食べさせる蕎麦屋さんが店を構えていました。

 

 が、私はこのときまだ、丹波牛に頭を占拠されていましたので、お蕎麦は次の機会とさせて頂きました。

 

 

 

 

 今回の「花の旅」では今まで以上に寄り道が増えました。

 

 従来と違って「何日までに帰らなければならない」という束縛が無くなったので、いたって暢気なものです。

 

 念願叶って、やっと時間の束縛から逃れることができました。

 

 

 それでも当然に、寿命という時間の呪縛からは逃れようもありませんので、これからも悔いのないように走り続けなければと、これは自分への戒めです。

 

  

 今、遠阪峠を越えました。

 

 前方にはまだまだ幾山川の連なりが望めます。

 

 心地好い秋風が吹いていました。

 

 

 

 

 

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奥丹波 独鈷の滝

2011-09-29 17:11:35 | 山陰・山陽 秋の花旅

 

 

車窓に加古川の流れを見ながら北上します。

 

交通量も少なくて快適なドライブ日和でした。

 

 道路に沿った加古川の堤に曼珠沙華の姿を認めましたので、路肩に車を停めてシャッターを切りました。

 

 花には蕾も多く、まだ花の盛りには少々早いようです。

 

 

 丹波市稲継で国道175号線と別れ、県道7号線、通称丹波の森街道に入りました。

 

 

 中国地方の海岸沿いは今まで何度も訪れているのですが、今回のように山間部へ入って来たのは殆ど初めてのようなものです。

 

 5~6百メートル級の山が連なり、長閑な里山の光景が周囲に広がっています。

 

 何となく懐かしさのような気分が充ちてくるのは何故なのでしょうか。

 

 

 暫く走ると、路傍に独鈷の滝・不二の滝の案内図が目に留まりました。

 

 急ぐ旅でもないし、初めての土地なので寄り道することにします。

 

 

 ハンドルを右に切り、車を進めて行くと程無く、杉木立の中に寺が現れ、小川に沿って遊歩道が林の奥へと続いています。

 一番奥の駐車場に車を停めて、歩き始めました。

 

 

遊歩道の横に浅山一伝斎という人物に関する掲示板があります。

 

 

どうやら江戸時代の剣術家がこの地で修行を積み、浅山一伝流という古武道の流派を起こしたようです。 

 

 

 

  

 まるで、杉の林の中から天狗様が出てきそうな雰囲気です。 

 

 小川には木橋が架かり、石を積んだ道が奥へと続いていました。

 

 

 

坂を登って行くと、白い大蛇が岩を登ってゆくような独鈷の滝が姿を見せます。

 

周囲に人の気配はなく、爽やかな大気に程よいミストが満ちて、とても贅沢な空間に巡り会うことができました。

 

 

 

 滝の横の石段を、更に登って行くと 

 

 

 岩の裂け目に社が見えます。

 

 どうやらこれが剣豪・浅山一伝斎を祭った「浅山不動尊」のようです。

 

 

 

  

 更に歩を進めると、不二の滝が岩陰から絶え間なく水を落としていました。

 

 

   

 もと来た道を引き返し、先ほどの小川の上にお寺を訪ねました。

 

 

 

  

 岩瀧寺は弘法大師が弘仁年間(809~823年)に開基したと伝えられる古刹で、姿の良い山門に続く石段にはツリバナが可憐な姿を見せていました。

 

 

 

 

 本堂の裏山は、紅葉の季節には見事な光景を見せてくれそうです。 

  

 

 

  赤い前垂れを付けた石仏が微笑ましい奥丹波の秋の日和でした。

 

  

 

  

 

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丹波市薬草薬樹公園

2011-09-29 14:47:40 | 山陰・山陽 秋の花旅

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 2011年9月23日 残暑が続く町を抜け出し、久方ぶりに花の旅へ出かけました。

 

 中国自動車道を兵庫県の滝野社インターで降り、白い雲が浮ぶ国道175号線を北上します。

 

 左右に連なる山の狭間の田園地帯を加古川に沿って走り抜けると、あちらこちらの田の畦で、黄色く稔った稲穂の横に真っ赤な彼岸花が咲いていました。

 

 

 この道はどうやら福知山へと向かっているようです。

 

 そうなんです、走っている道路が何処へ向かっているのか標識で確認するなど、以前は全く考えられなかったのですが、車にナビを付けてから、ルートを自ら確認しなくなりました。

 

 便利さと引き換えに失ってしまったものもあるようです。

 

 

 そして、最初の目的地がこちら、丹波市薬草薬樹公園です。

 

 

 もう、何年前になるでしょうか、このブログを掲載しているホームページ「PAPYRUS」に全国の植物園と花公園をご紹介する欄を立ち上げました。

 

 それ以前に花の写真へ簡単な説明を付けた「四季の花」の連載を始めておりましたので、何時、何処へ行ったら花に会えるかを調べ、同じような趣味を持つ方々に、その情報を提供しようと考えたからです。

 

 しかし、一度スタートすると、無責任なこともできず、実際に自分の眼で確認しないと気が済まなくなってきました。

 

 更には「どうせなら徹底的に」と何時もの悪い癖が頭をもたげて、今度はとうとう全国の植物園と花公園を訪問することが自体が目的になってしまった、という次第です。

 

 

 以上が、なぜに高速道路を何百キロも走って丹波市の薬草薬樹公園へ来たのかという説明です。

 

 

 しかし、お蔭様で今日現在「PAPYRUS」にリストした植物園と花公園の合計227ヶ所、熱帯植物のある場所(温室)の合計114ヶ所中、今回の旅で17ヶ所を残すまでになりました。

 

 

 丹波市薬草薬樹公園は静かな佇まいの、緑豊かな公園でした。

 残念ながらこの季節に花の姿を見ることはありませんでしたが、私は最近樹木の観察に目覚めたものですから、名札の付いている木々を丁寧に見て歩き、それはそれで、満足のできる訪問になりました。

 

 

 ここ丹波市薬草薬樹公園には、「丹波の湯」「当帰の湯」という薬草風呂があり、評判も良さそうです。

 

 夜通し高速道路を走って来たので、一風呂浴びたら気持ち良いだろうな、と思ったのですが、午前中から風呂に入ると長居するに決まってますので、ここは堪えて次の目的地を目指すことに致しました。

  

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