信越本線の新潟行き快速電車は、長岡駅を10時29分に発車しました。
土曜日昼前の電車に、若い多くの人達の姿を見かけました。
新潟市内のデパートなどへ買い物に行くのかもしれません。
列車が混んでいたので、車窓の景色をカメラに収めることは殆どできませんでした。
ですが、車窓から見える三条市の丘陵地に咲くヒメサユリ、加茂市にある加茂山公園のユキツバキ群生地など、この辺りも興味深いエピソードが豊富なので、いずれかの機会にご紹介したいものです。
加茂山公園のユキツバキ
長岡駅を出た快速電車は1時間後の11時29分、時刻表通りに新潟駅に到着しました。
新潟で12分の接続時間を経て、白新線の村上行きに乗り換えます。
白新線に乗るのも初めてです。
但し、白新線を利用するのは初めてですが、車で何度も沿線の村や町を訪ねましたので、地域の状況は十分に理解できています。
この先の駅では、食事にありつけそうもなく、新潟駅の短い時間内に駅弁を購入しました。
「えんがわ押し寿司」や「村上牛しぐれ」なども気になったのですが、イクラや舞茸の味が楽しめる「新潟 彩ちらし」に決めて、日本茶のペットボトルも購い、電車が走り始めると同時に、膝の上に弁当を広げました。
車窓には、近代的な装いの街が後方へ流れ過ぎます。
電車はほどなく、阿賀野川を渡りました。
阿賀野川は、栃木県と福島県の境にある荒海山に源を発し、最初は荒海川、途中から阿賀川と名を変えて会津盆地に入り、会津から新潟県に入ると阿賀野川と名を変える、日本第10位の一級河川です。
日本最大級の水量を誇り、日本一の穀倉地帯を潤します。
車窓の両側に緑豊かな田んぼが広がりました。
電車は12時23分に加治川を渡りました。
加治川は、筆者が一度は登りたいと思い続ける飯豊山を源流とします。
川を渡れば、その岸辺からすぐに稲穂のなびく田が広がります。
そして荒川を渡りました。
荒川は、朝日岳山塊の大朝日岳を源流とする川で、日本一きれいな一級河川のひとつと評されます。
新潟県の東には脊梁山脈が連なり、冬になると日本海で生まれた雲がそれら山脈に雪を降らせ、その雪が豊かな水源となってイネを育ててきました。
今から145年前の1874年(明治7年)、新潟県は県の人口が日本一だったことがあります。
そのときの人口は150万を越えていたそうです。
三年後の1877年に、石川県が富山県と福井県の多くを編入したことで、一位の座を石川県に譲りましたが、
そのような人口構成の背景に、稲作に適した気候と、海運全盛期の「北前船」の拠点であることが寄与していたようです。
車窓に広がる豊かな田を眺めていると、さもありなんと思えます。
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