高岡で気多(けた)神社に寄り道して氷見へ向かうことにしました。
気多神社は、車で勝興寺から北西へ5分ほどの二上山の山裾に鎮座し、静かな境内に人影はありませんでした。
境内の石段の脇で、ショウジョウバカマが桃紫色の花を掲げていました。
ショウジョウバカマを見るのは久しぶりの気がします。
境内の片隅に、大伴家持が「二上山」「布施の水海」「立山」をモチーフに越中三賦という長歌を詠んだことを顕彰する三石が設けられていました。
このようなモニュメントを見ると、この地の人々の大伴家持に対する敬意と郷土愛の深さが分かります。
予想以上に、この地の人々の心底に秘めるマグマの熱は高そうです。
気多神社から海岸に沿った国道を氷見へ向かいました。
氷見市で最初にたずねたのが手向神社です。
菅原道真が古今和歌集で「このたびは幣もとりあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに」と詠んだ、あの手向山と何か関係があるのでしょうか。
境内に古木が聳え、社殿に風格をもたらしています。
目的とするツバキは地上50㎝程で二幹に分かれています。
今回の旅の契機となった氷見市の丸山さんの資料に由れば根元周り140㎝だそうです。
境内の片隅で、さりげない風情に紅色の花を散らせていました。
今回の旅の主目的である、氷見の古木椿との初対面を無事に済ませ、安堵の気持ちで次の椿へと向かいました。
次は気多神社からほど近い、氷見市園334の高木家墓地の椿です。
ナビが目的地に到着しました、と告げた場所にそれらしき椿が見当たりません。
周囲に人影はなく、問い合わせるべき人も見当たりません。
周囲の様子を窺っていると、民家の脇道の奥に椿の花を認めたので、そちらへ向かって歩を進めました。
花を咲かせた椿まで歩を進めると、その先の斜面に椿の古木が見えてきました。
この辺りは、どなたかの個人の所有地のようです。
すぐ脇のお宅のドアをノックしてみましたが、お留守だったので、路地奥へは入らず、ほどほどの場所からそれらしい椿の写真を撮影して、早々に退散しました。
確認はできませんでしたが、多分写真中央に写っている一番太い木が高木家墓地の椿だと思うのですが、自信はありません。
高木家墓地を去る時に時間を確認すると17時を過ぎていました。
今日はこの場を最後にして、氷見の椿に関する資料を提供してくれた丸山さんへ御礼のご挨拶に伺うことにしました。
丸山さんは、氷見市内で著名な大規模小売店に務めておられますが、職場に伺うと、お忙しい時間を割いて、氷見の椿に関連する情報などを説明して頂くことができました。
丸山さん、その節はお世話になりまして本当にありがとうございました。
そして、丸山さんがお勤めの店で買い求めたのが、氷見地酒の曙です。
今夜は氷見市内の道の駅で車中泊し、一緒に買い求めた幕の内弁当のおかずをつつきながら、これで旅の疲れを癒すことにします。
今日も目いっぱい走り廻り、充実感に溢れる一日でした。
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