伏見橋を左岸に渡り、再び「神田川四季の道」に戻りました。
ゆったりスペースで進む遊歩道に、様々な種類の野草が花を咲かせていました。
ワルナスビは、明治39(1906)年に成田の御料牧場で牧野富太郎に発見、命名された、アメリカ南東部原産の帰化植物です。
有毒植物で、特に果実に強い毒性があるので注意が必要です。
ラジロチチコグサは南米原産の帰化植物で、昭和40年代後半に日本に帰化したようです。
春の七草のハハコグサ(御行:おぎょう、ごぎょう)も古い時代に、中国や朝鮮半島から帰化したと言われています。
キキョウソウは北アメリカ原産の帰化植物で、6月頃に上品な紫色の花を咲かせます。
ダンダンギキョウの別名を持ち、福島県以南に移入分布しています。
ナガミヒナゲシの花の季節は過ぎたようで、殆どの株が実を付けていました。
地中海原産の帰化植物で、1961年に東京都世田谷区で初めて確認されています。
一つの果実に1600粒の種子を含み、一株に100個の果実を稔らせるので、農地などで見つけたら、早めに駆除すべきです。
ヒメヒオウギズイセンは南アフリカ原産の交配種ですが、全国に野生化しています。
アフリカハマユウは明治時代に移入されてからずっと、インドハマユウと呼ばれてきました。
両者はよく似ていますが、アフリカハマユウは花柄が長い特徴で見分けられます。
そしてヤマブキがフサフサの葉を豊かに茂らせていました。
ヤマブキは美しい山吹色の花で目を楽しませてくれますが、花が終わった後も、程よい緑が何ものにも代えがたい日常を演じてくれます。
神田川の畔に静かな散歩道が続いていました。
所々に、キリシマツツジやリュウキュウツツジなどのネームフレートを見かけました。
中野区も新宿区も、ツツジが区の花だそうです。
そして、神田川支流の桃園川の合流部に作られた小さな公園に出ました。
桃園川は荻窪駅の北側辺りを源流としますが、その全てが暗渠となっています。
川は下水となり、その汚水は全て河口へ至る前に、落合水再生センターへ送られ、平常時はこの合流点から神田川に流れ出る水は殆どありません。
そして、その公園の一画に、あのかぐや姫が歌った「神田川」の歌碑が掲げられていました。
貴方が描いた 私の似顔絵
うまく描いてねって 言ったのに
いつもちっとも 似てないの
窓の下には神田川
三畳一間の 小さな下宿
貴方は私の 指先見つめ
悲しいかいって 聞いたのよ
そんな歌詞とわずかに重なる季節が、私にもあったことを思い出します。
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