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薪ストーブの横で地酒

2014-04-27 22:17:53 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 ゴレパニに入ると、道の両側にGH(ゲストハウス)が連なっていました。

 

 しかし目の前には登り勾配の道が続いています。

 

 ゴレパニは峠のはずですから、景色を楽しめるGHを選ぼうと、更にもう20分程も登り続けました。

 

 

 峠の分水嶺に到着すると、峠を東西を分かつ場所に小さなストゥーパが置かれていました。

 

 その横に、英語でベーカリーやブックショップと表示された店が並んでいました。

 

 

 村のあちらこちらに残る雪が、ゴレパニの気象状況を説明しています。

 

 

 村の中でうろうろしていると、誰かが「この先にダウラギリの見えるGHがあるよ」と教えてくれました。

 

 そして午後3時少し前、西向きの斜面に建つGHにチェックインすることができました。

 

 希望通り、西側に窓を開けた部屋を確保することができました。

 

 

 

 部屋に荷を置くと、村の散策に出かけました。

 

 まず最初に、明日の朝、暗い時間から登り始める予定のプーンヒルへのルートを確認しました。

 

 「プーンヒルへ至る」の標識を見付けたので、様子見がてら登ってみました。

 

 

 西の空に雲が広がり、ダウララギリ8167mであろうピークは見えていません。

 

 

 北へ目を向けると、アンナプルナ・サウス7219mも雲に覆われていました。

 

 

 村の中に、一部を赤く染めた木が見えたので、近づいて行きます。

 

 見上げるほどの巨木シャクナゲが、僅かに赤い花を咲かせていました。

 

 

 

 GHへ戻り、ダイニングルームを覗くと、ダウラギリへ向けて窓が広がっていました

 

 

 私は窓辺の席に座って、テーブルに地図を広げました。

 

 

 明日のルートを目で追いながら、地図を読み、入念に地形を確認してゆきます。

 

 

 今居るゴレパニまでのルートで判断に迷うことはありませんでした。

 

 前後に絶えず人の気配があり、不安を感じることはありませんでした。

 

 しかし山では、一度の失敗が取り返しの付かない事態を招きます。

 

 村と村を繋ぐ街道を歩くような感覚のトレッキングですが、気を抜くことはできません。

 

 山の怖さを十分に知っていますから、安全が第一です。

 

 

 GHで夕食のオーダー取りが始まりました。

 

 

  

  昼にカレーを食べたことも忘れて、夕食もカレーを注文しました。

 

 

 カレーに付いてきた大盛りのライスはそのまま受け取りました。

 

 普段食べる量の3~4倍はありそうですが、気温が下がってきましたからカロリー消費が増えるはずです、量を食べなければ歩けなくなる可能性があります。

 

 

 食事を終えて外が黄昏るころ、ダイニングルームの薪ストーブに火が入りました。

 

 

 ストーブ横の暖かな席を確保し、私は先程のメニューに見た、ローカル・ロクシー(Local Raksi)なるものを注文しました。

 

 

 旅先でローカルと云う言葉は、一期一会と同じ意味ですから、逆らいきれぬ響きがあります。

 

 

 癖のない、さっぱりした味の焼酎が温められたカップとともに出てきました。

 

 ロクシーは店毎に味が違うらしいのです。

 

 

 そして、この夜から私は、夕食後にロクシーの味を確認する作業が日課となりました。

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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雪消え残る場所へ

2014-04-27 16:03:27 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 ナンゲタンティの優雅な昼休みを終えて、再び登り始めました。

 

 山では標高が100m上がる毎に、気温が0.65℃下がります。

 

 現在地は既に2400mを越えましたので、汗ばむようなポカラよりも10℃以上気温が低いずです。

 

 ぽかぽかと陽が降り注ぐ初夏の高原を歩くようなトレッキングになってきました。

 

 

 木陰の日溜まりにプリムラ・デンティクラータ(Primula denticulata)を見かけました。

 

 デンティクラータとは「小さな歯」と云う意味ですが、葉の縁が鋸歯状であることに由来します。

 

  

 プリムラ・デンティクラータ

 

 タンポポが咲いていました。

 

 日本中に広まったセイヨウタンポポは総苞片が反り返りますので、在来種と見分ける判断材料となります。

 

 ネパールでもその方法は有効なのでしょうか。

 

 

    Taraxacum sp             総苞片が反り返っている

 

 シャクナゲの林は根元が明るく開け、よく見通しが利きます。

 

 

 雨期と乾季だけのネパールは、樹高の高い位置でシャクナゲの葉が陽光を遮ると、根元に他の植物が育ち難いのかもしれません。

 

 そんな林の縁で、梢から漏れる落ちる光りを集め、ジンチョウゲの仲間「Daphne bholua」が桃紫色の花を咲かせていました。

 

 この植物も、前にご紹介したダフネ・パピラセアと共に、ネパールでは和紙の原料として利用されるようです。

 

  

ダフネ・ボウルア

 

 シャクナゲの森の中に道が続いていました。

 

 幹周に、大人が3~4人も手を繋ぐ程の巨木を見かけました。

 

 

 

 岩陰から流れ出る清水に管が設えられていました。

 

 この辺りであれば、湧水を口にしても腹を壊すような心配はなさそうです。

 

 

 山道の所々に、荷を置いて休息をとる石積み(チョータラ)を見かけました。

 

 こんな所で休んでいると、必ずポーターが笑顔で挨拶の声を掛けてくれるのです。

 

 

 更に歩を進めると、岩陰に白い雪が消え残っていました。

 

 

 昨日の昼は、ティルケドゥンガで熱帯の花を見ていたのですが、

 

 何時の間にか、雪が消え残る程の高さに登って来たのです。

 

 

 今朝9時にウレリを出発し、標高差800m強の緩やかな山道を登り続け、5時間半程かけてゴレパニ村に到着しました。

 

 

  

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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ナンゲタンティで昼食

2014-04-26 16:21:56 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 

 

 今朝出発した標高2020mのウレリから、目的地のゴレパニ2858mまでの直線距離は3km程度です。

 

 嫌なアップダウンのない、頑張らなくてもいい、緩やかな登り道が続いていました。

 

 

 道はシャクナゲの森に囲まれていました。

 

 あちらこちらで、シャクナゲの巨木が道を塞いでいます。

 枝先に蕾が膨らんでいました。

 

  

 

 花の写真を撮りながら、のんびり登り続け、12時頃に標高2460mのナンゲタンティに到着しました。

 

 

 顔馴染みとなったネパール人のガイドやポーター達がお昼休みをとっていました。

 

 ポーターの荷が重そうだったので、「ちょっと背負わせて」と言って、一番大きなザックを背にしてみました。

 

 30㎏前後はありそうです。

 

 私が「こんなザックを背負ったら歩けないよ」と言うと、持ち主が「そんなことは言わずに、私の代わりにどうぞ、お願いします」などと笑顔が返ってきました。

 

 

 

 ナンゲタンティで昼食をとることにしました。

 メニューを見て、野菜カレーをオーダーしました。

 

 カレーと共に運ばれてきた山盛りご飯は、慌てて半分に減らしてもらいました。

 

 私は元々香辛料が利いたスパイシーな料理が大好きですが、ここのカレーもとても美味しく頂きました。

 

 

 食事をしていると、大学生のグループが追い付いて、隣のテーブルで食事を始めました。

 

 彼らはネパール餃子のモモやピザを注文していましたが、私は彼らのピザを見て(下の写真)、「旅に出たら、やっぱりその土地の料理を食すべきだ」の意を強くしました。

 

 

 食後にブラックティーを注文し、小1時間ほどのランチタイムをとった後、レストランの小母さんに420Rsを支払いました。

 

 小母はお金を受け取ると、お金に口づけして、とても嬉しそうな素直な表情の笑顔を見せてくれました。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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趣の道

2014-04-26 14:16:25 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 トレッキングルートは、殆ど全ての場所に石が敷き詰められていました。

 

 歩く自信がない人はロバの背に乗って旅することもできるようです。

 

 

 途中のレストランの壁に、遥か昔に北海道で山登りをしていた頃、お世話になった山岳用品屋さんのシールを目にしました。

 

 こんな場所で、札幌秀岳荘の名に出会うとは思いもしませんでした。

 

 

 

 ブルンジ・コーラ(ブルンジ川)沿いに続くトレッキングルートを歩いていると、支流からの川に、箱庭のような橋が架かっていました。

 

 

 なだらかな勾配が続く、シャクナゲの森を進んで行きます。

 

 

 

 やがて、進行方向に青い空が広がり、この先はもう、登り続ける必要がないことを知らせていました。

 

 地図を確認すると、目にする光景に矛盾は感じません。

 一人旅の緊張感の中に、心地好い安堵感が加わりました。

 

 

 周囲を見回すと、森の中に、ジンチョウゲ科の「紙の木」が、枝々に白い花々を咲かせていました。


 しかし、この辺りのシャクナゲは予想通り、数輪の花しか咲かせていませんでした。

  

 雨期と乾季しかないネパールでも、四季のある日本と同様、ジンチョウゲが咲いてシャクナゲが咲く順番であるらしいことが興味深く思えます。

 

 ジンチョウゲの仲間もシャクナゲの仲間も、夫々の種が日本とネパールに離れ育ってはいても、同一の先祖から引き継いだ資質を保持しているらしいことが分ります。

 

  

 

 水辺で日本人のグループがひと時の休憩をとっていました。

 

 彼らは私と同じGHに宿泊した大阪市立大学探検部の4年生で、学生生活最後の記念にヒマラヤへトレッキングに来たそうです。

 

 3人とも、私がこのブログを書いているゴールデンウイーク前の今頃は、就職先の新人研修で汗を流しているはずです。


 今回の彼らの旅が、生涯の良い思い出となって、人生の困難を乗り越える糧となることを願わずにはいられません。


 私のような、定年退職後の年配者がヒマラヤへ来るよりも、彼らのような若者達こそが、もっと海外へ足を運ぶべきだと思うのです。

 

 

 木漏れ日の中にサクラソウを眺め、何故か懐かしさを感じながら、趣の道を歩き続けました。

 

 

 

 

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花調べ

2014-04-25 00:04:59 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 ゴレパニへ向かうルートで、車が入ってこれないエリアになって花の種類が増えてきました。  

 

 ウレリ村の近くで、ネパールヒイラギナンテン「Mahonia napaulensis D.C.」が白く輝くヒウンチュリを背に、黄色い花を咲かせていました。

 

 

 路傍にリンドウの仲間「Gentiana argentea」やゴマノハグサ科に分類されるサギゴケの仲間「Mazus surculosus」を目にしました。

 

   

    ゲンチアナ・アルゲンティア      マズス・サーキュロサス 

 

 その他にも、名を知らぬ花々を眺めながら、マイペースのトレッキングを続けました。

 

 

 

 バンタンティーを過ぎて、ルートはブルンジ・コーラに沿って森の中へ入って行きます。

 

  

 周囲の植物に変化が現れ、サクラソウ科の花が目に付くようになってきました。

 

 

    左:プリムラ・デンティクラータ    右:プリムラ・シャルマエ 

  

 初めて目にする植物ばかりなので、ブログを書くに当たって、カトマンズで購入した、「ヒマラヤの花」(Flowers of the Himalaya)を足掛かりに、ネットを駆使して調べました。

 

 その作業こそが楽しいのですが、花を調べていると、参考になるブログを見つける度に、「私のブログも誰かのお役に立てるかもしれない」と思うのです。

 

 

 

    左:Fragaria nubicola ヒマラヤイチゴ      右:詳細不明

 

 

 「Daphne papyracea」は標高1500mから3200mに生育する潅木で、紙の木(Nepali paper plant)とも呼ばれ、ネパール和紙の原料として利用されます。

 

 白から、緑がかる花を11月から4月にかけて咲かせます。

 

 ブルンジ・コーラの両側に広がる森の中で、数多くの個体を見かけました。

 

ダフネ・パピラセア 

 Daphne papyracea」

 

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岩と雪のマチャプチャレ

2014-04-24 11:08:06 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 ウレリのGH(ゲストハウス)を9時少し前に出発しました。

 

  

 天気が良くて、ヒマラヤの山容がよく見えます。

 

 

 

 所々でGHらしき建物の新築工事を見かけました。


 トレッキングに来る観光客が増えているようです。


 アンナプルナエリアでは、9月や10月の最盛期に、ガイドやポーターがGHのダイニングルームで寝るほど混むという話も聞きました。

 

 

 

 途中で振り返ると、山腹にウレリ村と、昨日登って来たダラウンティ・コーラの谷が見えていました。

 

 送電線がここまで伸びてきています。

 

 新しいGHを造れるのは、水と電気の目途が立つからなのでしょう。

 

 

 30分置きぐらいに、GHやレストランなどを見かけました。

 

 そんなトレッキングコースを小一時間も歩くと、お洒落な佇まいのGHを見かけました。

 

 

 テーブルをセットした庭先に、ヒマラヤシャクナゲが紅色の花を咲かせていました。

 

 

 このようなGHには必ず、トレッキングコースのルート図が掲示されています。

 

 「現在地はここ(You are here.)」の下に「バンタンティ 2300m」の文字が読めます。

 

 地図には「バンタンティ2210m」と記されていますが、あまり細かいことは気にしないのがネパール流です。

 

 

 

 数分も歩かない内に、リゾート気分一杯のGHを見かけました。

 

 

 谷にせり出したテラスでトレッカー達がブランチを楽しんでいます。

 

 

 谷の奥に白く輝く峰が見えていました。

 

 

 ズームを利かせると、

 

 

 岩と雪のマチャプチャレ6997mが、個性的な姿を空に浮かべていました。

 

 マチャプチャレはネパール語で「魚の尾」という意味で、双耳峰が魚の尾を逆さにした形に見えることから名づけられました。

 

 シヴァ神に関わる神聖な山として、登山が禁止されており、

 

 背中がゾックとするような、神々しい美しさを感じさせます。

 

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光を浴びるシャクナゲ

2014-04-23 19:28:19 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 3月7日


 目が覚めると東の空が明るくなり始めていました。


 急いで身支度をして、テラスへ上がります。

 

 

 アンナプルナ山群の一つ、ヒウンチュリ 6441m が朝日に輝きながら、頂きに雪煙を靡かせていました。

 

 

 私はシャクナゲの大木をフィルムカメラで撮影する為に、カメラと三脚を持って、石段を下り始めました。

 

 

 昨日ヒマラヤシャクナゲを初めて見た時は、フィルムカメラで撮影するには光の条件が悪すぎました。

 

 午後の遅い時間帯で、雨上がりの曇天なので、フィルムで撮影すると青味がかった色に写ってしまうのです。

 

 

 このヒマラヤシャクナゲの大木は東向きの斜面に花を咲かせていました。

 

 朝であれば、光を真正面から受けて、赤い花が美しく輝くだろうと考えました。

 

 

 15分程石段を下って、シャクナゲの前に立つと、思惑通りに光を浴びたシャクナゲがポーズを決めていました。

 

 朝の光の中で、深紅の花が鮮やに輝きました。 

 

 光が刻々と角度を変えながらヒマラヤシャクナゲを照らし続けます。

 

  昨日目にした花や、この位置でのシャクナゲの咲き具合から、私はこれから先、標高の高い場所では、シャクナゲに花を見ることは期待できないだろうと考えました。

 

 ここを逃すと、もう二度とシャッターチャンスは巡ってこないかもしれません。

 

 花が咲いていたとしても、周囲に余計なものがあると写真にはなりません。

 

 数少ないチャンスは確実に確保しておくべきです。

 

  構図を変えながら夢中でシャッターを切りました。

 

 

 撮影を終える頃になると、光が角度を増してきました。

 

 谷の中にも光が届き始めていました。

 

 

  

 私はヒマラヤシャクナゲを撮り終え、GH(ゲストハウス)に戻り、会計を済ませました。

 

  今朝の支払いは1270Rsでした。

 

 宿泊代と朝晩二食にビールを飲んで、1350円程の費用で済んだことになります。

 

 

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トレッキング最初の宿

2014-04-22 22:35:35 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 シャクナゲの大木を過ぎて20分ほどで、標高2020メートルのウレリに到着しました。

 

 

 振り返ると、眼下にティルケドゥンガ村が見えました。

 

 数時間前に、あそこで昼食を食べたのです。

 

 山腹をはしる道路の周囲は緑が消え、褐色の耕作地が広がっていました。

 

 

 
 そして、谷を隔てた対岸の斜面に信じられない光景が広がっていました。

 

 この斜面の傾斜度はどれ程あるのでしょうか?

 

 段々畑の中に、二十数軒以上ありそうな集落が見えていました。

 

 

 ウレリに到着すると、何も考えず最初のGH(ゲストハウス)の中庭のテーブルに腰を下ろしました。

 

 到着時刻は16時を僅かに過ぎていたでしょうか。

 

 予約などしていませんから、鍵の束を持ったお兄ちゃんに、「一人だけど、今夜泊まれますか?」と聞くと、すぐにOKの返事が得られました。

 

 

 ダイニングルームに、途中で仲良くなったネパール人ガイドやポーター達の顔が見えます。

 

 「ナマステ」と挨拶すると、笑顔の「ナマステ」が返ってきました。

 

 

 

 プラスチックの椅子に座り、ブラックティーを注文しました。

 

 砂糖をスプーンに二杯も入れて、糖分を補給します。

 

 

 ロバが水の入ったボトルを背負って石の階段を行き来していました。

 

 ここは、飲み水を運び込まないと賄えないようです。

 

 

 

 これが私の部屋です。

 

 ベッドが二つある、中庭に面した朝日の当る部屋でした。

 

 

 シャワーを浴びた後で、テラスへ登ってみました。

 

 

 ウレリには数件のGHがあることにこの時初めて気付きました。

 

 比較してから選べばよかったかと思いましたが、道中で顔馴染みとなった人達が一緒なので、このGHで正解だったはずです。

 

 

 ダイニングルームに入ると、ストーブに火が点いていました。

 

 隣の席にはオランダからの3人組が座っていました。

 

 地図を広げて情報交換などをした後、初日の疲れもあるのか、みんな口数は多くありません。


 

 

  

 17時になった頃、GHが客に夕食のオーダーを取り始めました。

 

 私は考えるのが面倒なので、昼に続いてダルバートを注文しました。

 

 

 食事を終えても、まだ寝るには早すぎます。

 

 ストーブの横でネパール人のガイドやポーター達がトランプを始めました。

 

 私は暇を持て余し、結局はビールを注文していました。

 出てきたビールの銘柄はエベレストでした。

 

 

  

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ヒマラヤシャクナゲの大木

2014-04-22 15:18:28 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 長い石段を登っていると、道の横で葉を茂らせる枝に目が止まりました。

 

 

 枝先に小さなサクランボを稔らせています。


 おぉ! そうですか。 数週間前に、この辺りでお花見ができたようです!

 

 

 しかし、私はこのサクランボを見て、少々驚きました。

 

 と云うのも、ヒマラヤの桜は冬に花を咲かせると思い込んでいたからです。

 

 

 東京の小石川植物園にヒマラヤザクラがありますが、その木は12月に花を咲かせます。

 

 熱海にもヒマラヤザクラがありますが、その木は昭和43年にネパールのビレンドラ元国王から贈られた種子を育てたもので、この木も毎年12月に花を咲かせます。

 

 

 なので私は、ネパールの桜は12月に咲くものと思い込んでいました。

 

 

 とは言っても、ネパールは雨期と乾季しかない筈なので、話はそんなに単純ではないでしょうが、

 

 

 私は、この木を見て初めて、ネパールにも数種類の桜がある可能性を理解しました。

 

  

 それにしても、我ながら、見る目ができてきたらしいと思うと、嬉しくなります。

 

 2011年にアメリカを横断したとき、木をもっと知りたいと願って植物園通いを始めましたが、その成果が現われてきたかもしれません。

 

 木を見て、木が分かると、こんなにも旅が楽しめるんですね!

 

 

 そう、いいんです、唯我独尊、自我自賛で。

 自分を褒めて、もっと元気になりましょう。  

 

 

 そんな時に空からポツリと水滴が落ちてきました。


 あれ? と思って見上げると、午前中あんなに晴れていたのに、いつの間にか空は雲に覆われ、シトシトと雨が降り始めました。

 

 

 桜の木の横に、旅行者に飲み物などを供する東屋があったので、そこで雨宿りさせてもらうことにしました。

 

 

 

 30分ほども雨は続いたでしょうか。

 

 

 1~2歳の女の子が窓に手をかざし、屋根からの雨で遊び始めました。

 

 

 一緒に雨宿りをしていたトレッカー達は皆、この微笑ましい光景に笑顔を見せていました。

 

 

 雨が止むのを待って、梨の花が咲く石段へ歩を進めました。

 

 

 

 そんな石段の横で農家の小父さんが葉を切り集めています。

 

 「それを何に使うんですか」と聞いてみると、

 

 「バッファローズ ライス」(牛のご飯)の答えが返ってきました。

 

 

 

 今回のトレッキングで、この木の葉を採取する村人の姿をよく目にしました。

  

 調べてみると、インドから東南アジアにかけて分布する、クワ科のFicus racemosa (ウドンゲノキ)ではないかと思いますが、確信はありません。

  2014年9月22日注 :後日 Ficus auriculata と判断しました。 

 

 そんな登山路に突然、真紅の花を咲かせたヒマラヤシャクナゲの大木が現れました。

 

 これこれ、これですよ、私が今回のトレッキングで見たかった花は。

 

 噂には聞いていましたが、本当にでかい!

 

  

 

 今回のネパール旅行で、是非にでも会いたかった花がヒマラヤシャクナゲです。

 

 カトマンドゥの「風の旅行社」へ伺った時、ゴレパニ周辺にヒマラヤシャクナゲの群落があると教えてもらったことが、最終的に、私にこのルートを選択させたのです。

 

 それにしても、見事な大木です。

 

  

 

  

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轍のない道

2014-04-22 12:00:46 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 ティルケドゥンガで昼食を済ませ、再び歩き始めました。

 

 今日の目的地はウレリ 2120mです。

 

 この場所から543mの標高差は、高尾山より低いと思いながら登ってゆきました。

 

 道に鶏が遊び、梨の花に似た白い花が午後の陽射しに輝きました。

 

  

 

 

 左手から伸びた尾根を正面にして、谷が左右に分け入ります。

 

 右の谷がダラウンティ・コーラ本流で、左の谷がゴレパニを源流とするブルンジ・コーラでしょう。

 

 村の中に一本道が続きますが、ガイドなしのトレッキングですから、常に地図を確認し続けます。

 

 

 GH(ゲストハウス)が並ぶ村に道が続きます。

 

 

 カエンカズラ(Pyrostegia venusta)に飾られたGHをみかけました。

 

 

 ティルケドゥンガの直前までは林道歩きでしたが、この辺りから山歩きの雰囲気となってきました。

 

 村を外れ、道はゆるく谷に下ってゆきます。

 

 

 ティルケドゥンガまで、村を迂回する道に車の轍を見たのですが、この辺りまで来ると、周囲を見渡しても林道らしきものが見当たりません。

 

 

 暫く進むと、ダラウンティ・コーラを跨ぐ吊り橋に出ました。

 

 橋の上から上流を望むと、原生林が両岸を覆っていました。

 

 

 

 吊り橋を渡った先に、長く続く石段が待っていました。

 

 

 ロバの首に揺れる鈴の音を聞きながら石段を登り続けます。

 

 吊り橋から先、ロバ以外に荷を運ぶものはいないようです。

 

 

 

 1時間程も登って振り向くと、ティルケドゥンガ村が見下ろせました。

 

 林道が村を迂回しながら山腹に続き、今居る尾根に林道は届いていません。

 

 林道の周囲に階段畑が広がり、村人の営みの様子を語っていました。

 

 

 

 

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ティルケドゥンガで昼食

2014-04-21 21:35:45 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 

 

 道はゴレパニへ続いています。


 今朝出発したナヤプルの標高が1050mで、ゴレパニが2853mですから二日かけて1800mを登ることになります。

 

 

 一日の標高差は900m程なので、奥多摩のハイキングコースを歩くようなものです。


 とは言っても、秩父や奥多摩の景色とはスケールが違います。

 

 

 川を挟んだ斜面に、数十段以上はあろうかと思う段々畑が谷底へと連なっていました。

 

 

 

 トレッカーが歩く道は登山路ではなく、元来は山村で暮らす農民達の生活道なのです。

 

 

 ナヤプルを出発してから約3時間半、標高1577mのティルケドゥンガに到着しました。

 

 

 この村で昼食を摂ることにしました。

  

 

 通路の突き当たりのレストランの二階に席を確保しました。

 

 

 その席から、登って来た道が見下ろせます。

 

 村では、家々の間の路地のような道を登って行くのです。


 

 

  

 窓の下の畑にジャガイモなどが栽培され、田圃らしきものも見えています。 

 

  

 レストランのメニューはどこでも同じようなものですが、標高が高くなるにつれ、値段も少しずつ高くなってゆきます。

 

 

 

 ここのメニューは

  ダルバート330Rs

  卵、野菜チャーハン300 Rs、

  卵、野菜麺300 Rs、

  トマトチーズスパゲッティ350Rs

  チョコレートプディン260Rs

 

  といったところです。

 

 トレッキング中のレストランの食事代は、酒さえ飲まなければ一食500Rsを越えることはありませんでした。

 

 今回私はダルバートを注文しました。


 豆スープのダル、炊きご飯のバート、それに野菜のおかず、漬物などが一つの皿に盛られています。


 この店では小麦粉を薄く焼いたチャパティーが付いていました。

 

 

 ダルバートを頼むと、野菜のおかずとご飯はお代わり自由です。

 

 しかし、私はダルバートを食べてお代わりをしたことがありません。

 60歳を過ぎてから、そんなに多くは食べられなくなりました。

 

 

 

 食事を終えて外に出ると、ピンクのブーゲンビレアが石垣を飾っていました。

 

 これも熱帯の植物です。

 この辺の標高で水が確保できれば、農作物の栽培に不自由はないだろうと思います。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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野の花を目に拾いながら

2014-04-20 23:12:55 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 ビレタンティを過ぎると、強い陽射しの道が続いていました。


 幾度か、四輪駆動車が通り過ぎ、車が通った後の砂埃が、汗をかいた肌にまといつきます。

 

 

 道の左手にダラウンティ・コーラ(ダラウンティ川)の流れ、左手奥に切り立った崖が聳えていました。


 何か、大雪山の天人峡辺りで林道歩きをしている気分です。

 

 

 道路のあちこちに草の花を目にするようになりました。


 シロバナセンダングサやヒメツルソバ等の帰化植物が咲いています。


 と書いてから、念の為に確認したところ、


 何と!ヒメツルソバはヒマラヤ原産であることが分かりました。


 ヒメツルソバはネパールから世界へと旅立ったようです!

 

 アブナイ、アブナイ、嘘書くところでした。


 ヒメツルソバは東京辺りでも、陽の当る石垣などに群れ咲く姿をよく見かけます。

 

 シロバナセンダングサは北米原産ですので、念のため

 

 

      左:シロバナセンダングサ       右:ヒメツルソバ 

 

 道路際に咲く黄色い花に目が留まりました。

 

 このブログを書くに当たって、カトマンズで購入した「ヒマラヤの花」を参照しますと、Reinwardtia indica であることが分かりました。

 

 パキスタンからインド、中国南西部にかけて分布するアマ科キバナアマ属の常緑小低木だそうです。

 

 重い思いをしながら、トレッキング中も本を背負って歩いた甲斐があろうかと言うものです。

 

 その他にもフジウツギに似た花などを見かけました。

 

  

   左:Reinwardtia indica       右:詳細不明 フジウツギ科?

 

 モモの花でしょうか? 路傍に可憐なピンク色の花を見かけました。

 

 行程が少しずつ、「花の旅」らしくなってきました。

 

 川に沿って、少しずつ高度も上がってゆきます。

 

 

 

 単調な一本道を歩くうちに、いつの間にか前後のトレッカーと顔見知りになっていました。


 前を行くグループはオランダから来られた方達です。

 初老のご主人と奥さん、奥さんのお姉さんの三人連れです。この日は同じGH(ゲストハウス)に宿泊し、親しくさせて頂きました。

 

 オランダは山の無い国です。


 余生にこうして山を歩く喜びは想像に難くありません。

 

 

 少しずつ高度を上げるダラウンティ・コーラの対岸に、数件の農家と段々畑が見えていました。

 

 青い空に白い雲が浮かび、尾根と峰が折り重なるように続いていました。

 

 

 暑さに堪り兼ねたのか、オーストラリアから来た若いペアが川岸に下りて水浴びを始めました。


 彼らに付き添うネパール人ガイドが、私にも水浴びをするように勧めますが、まだまだ先が長いので、私は先を急ぐことにしました。

 

 

 歩いていると、時々ロバの姿を目にしました。


 トレッキングルートのGHへの物資輸送をロバが担っているようです。

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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雪を見ながらバナナが育つ

2014-04-20 16:56:03 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 

アンナプルナトレッキングルート 概念図 

 

 ナヤプルからモディ・コーラ(モディ川)に沿って、ビレタンティへの道を歩き始めました。


 道の両側に、食料品などを並べた店が並んでいます。

 

 

 ナヤプルの家並みの途中にTIMSのチェックポイントがありました。


 手続きをしないで此処へ来ると、ペナルティーとして2000Rs徴収されるそうです。

 

 

 時々マチャプチャレが雪に輝く姿を見せてくれます。

 

 

 ナヤプルを出ると、モディ・コーラの左岸に車が一台通れる程の道が続いていました。

 

 

 道路脇の畑にバナナが育っていました。

 

 雪山が見える場所で、バナナが育つことに驚かされます。

 

 

 通学途中の子供達を見かけました。


 こざっぱりとした身なりが、一定の生活レベルを物語ります。

 

 ネパールの山村=貧困 ということでもなさそうです。

 

 

 ナヤプルから20分程も歩くと、モディ・コーラに架かる橋に出ました。

 

 

 橋を渡ると道は二手に分かれ、右はガンドルン、左がゴレパニに通じています。

 

 

 左手へ進むとすぐに、ビレタンティの村に出ました。

 

 村の入口にアンナプルナ保護区入域証を確認する窓口がありました。

 

 

 ビレタンティの村にGH(ゲストハウス)やレストランの看板を掲げた十数件の建物が並んでいました。

 

 

 村の石畳みを抜けると、その先に未舗装の道が、川に沿って続いていました。 

 

 

 

ヒマラヤ一人歩きの危険性

 

 

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どこの国でも父親は一生懸命

2014-04-20 12:12:56 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 3月6日


 朝目を覚ますとすぐ、屋上に登って、朝日を浴びるマチャプチャレを眺めました。

 

 就寝前に荷造りを終えていますので、山の姿を楽しみながら、ゆっくりとタクシーを待ちます。

 

 

 昨日依頼したタクシーが7時にGH(ゲストハウス)前に到着しました。

 

 運転手にナヤプルへ向かうバス乗り場に向かって下さいと告げます。

 

 運転手は走り出すとすぐ、自宅へ5分程寄って、用事を済ませたいけど良いだろうか?と聞いてきましたので、OKの返事をしました。

 

 

 運転手の家はパスパークへ向かう途中にありました。

 

 庭で鶏が餌を啄ばみ、奥さんが洗い桶を使って洗濯の真最中でした。

 

 運転手は笑顔で子供を抱いて、この子が末っ子ですと私に紹介しました。

 

 父親の愛情に包まれた子供のはにかむ様子が可愛いくて、私もホンワカ気分になっていました。

 

 

 お茶を勧められて、15分程もいたでしょうか、タクシーは運転手の父親を助手席に乗せてバスターミナルへ向かいました。


 途中で父親を下ろし、タクシーがバス乗り場の前に来ますと、運転手が、このまま登山口まで乗って行きませんかと言いだしました。

 

 バスはもう出てしまった後なので、次のバスは2時間後です、と言うのです。

 

 え~! なんだよ、それは!

 

 口には出しませんでしたが、『この野郎、はじめからそのつもりだったんだ・・・』と瞬時に思いました。

 

 確かにバス停はもぬけの殻でした。

 

 その間も運転手はタクシーを停めずに走り続け、ナヤプルまで3000Rsで行きましょう、と言います。

 

 3000Rsだと!(実は日本を出発する前に、日本人トレッカーのブログでポカラからナヤプルまでのタクシー料金が1900 Rsだったとの記事を読んでいたのです)

 

  「高い!」と言うと、「それでは2500 Rsでは」と値を下げます。

 

  「ダメだ!車を停めろ!」 「では2300 Rs!」

 

 その間にもタクシーはバス停を通り越して走り続けます。


 「車を停めて、戻れ」と言いますと、「それでは2100 Rs!では? ナヤプルまでバスで行っても料金は700 Rsです、ナヤプルまで70kmあり、ガソリン代が1000 Rsは必要です」と嘘八百を並べます。

 

 事前に調べていなければきっと嘘だとは分からなかったでしょう。

 

 「NO!」

 

 「では1900 Rsでは? 途中の景色の良い所で説明しながら行きますのでバスより楽しめますよ」と運転手は言いました。


 まあ、日本円で2000円程であれば、どうと言うほどの金額ではありません。

 

 この運転手も家族を抱えて一生懸命なんだろうな、と思いますし、どうしてもバスに乗りたい訳でもないし、誰かのブログにあった1900 Rsで、OKを出しました。

 

 甘いでしょうか?

 

 何と言っても、子供を抱いたあの時の運転手の笑顔にほだされました。

 

 そうでなければ、私は「嵌められた」ことに腹をたて、タクシーを降りていたはずです。

 

 運転手は安心したらしく、私を助手席へ座るように勧めた後、タクシーはポカラ市街を抜け、ハグルン街道を西に向ってはしり始めました。

 

 

 車が峠に差し掛かると、北の方角にマチャプチャレが近づいてきました。

 

 

 カーレを過ぎた辺りで峠を越え、道路は下り坂となり、

 

 

 ポカラを出てから1時間ちょっとでナヤプルに到着しました。

 

 

 

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緑の中の道

2014-04-14 12:44:50 | ヒマラヤ・トレッキング 花の旅

 

 緑の森の向こうに、フェワ湖とポカラの町が広がっていました。

 

 

 日本山妙法寺の敷地には、元南極観測隊長で、日本人として初めて南極点に立った村山雅美さんの顕彰碑がありました。

 

 ヒマラヤを擁するネパールに、数多くの日本人が関わってきたようです。

 

 

 
 日本山妙法寺の傍に、ポカラの街を見下ろす青い屋根のカフェが見えていました。


 ビールを楽しむ人達の姿が見えました。

 

 

 一瞬、誘惑されそうになりましたが、この場所で飲み始めると、動くのが嫌になりそうです。


 寄り道をせずに、湖畔へ下る道を歩き始めました。

 

 

 森の木陰に石畳の道が続いていました。

 

 尾根の中腹で、明るい陽射しを浴びた数件の農家が、絵のような光景を描いていました。

 

  

 段々畑の中で寛ぐ牛に見送られながら丘を下って行きます。

 

 

 木立の中で野猿が餌を食む姿を見かけました。

 

 

 

 変化に富んだ森の道を下り終えると、フェワ湖畔に幾艘ものボートが並んでいました。

 

 

 カメラを向けると、剽軽な仕草のポーズを見せる婆さんが操る船で、対岸のレイクサイドへ戻ることにしました。

 

 

 船の料金は350Rsでした。


 日本山妙法寺から元来た道を下って、タクシーでレイクサイドへ戻るよりも、はるかに楽しい時が過ごせたようです。

 

 久しぶりに、緑の中を散策しました。

 

 緑の風の中で、何かに惑わされることのない、身も心も解放される感覚を想い出していました。

 

 

 

 私はレイクサイドのGHに戻ると、事務室に居たオーナーに、明朝トレッキングに出発する旨を告げました。

 

 そして、トレッキングの登山口となるナヤプル行きのバスが出る、ターミナルへのタクシーの手配を依頼しました。

 

 

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