青春18きっぷで東京から北海道を目指す場合、青森と函館の間に横たわる津軽海峡をどうクリアするかが最大の悩みどころです。
東京から青森へ普通列車を乗り継いで来れば、到着時間は夜中になります。
青森に宿をとると、翌朝、普通列車で青森から津軽二股へ、そこから徒歩で奥津軽いまべつへ移動し、北海道新幹線オプション券(2,490円)を買って、新幹線で津軽いまべつから木古内へ、木古内から道南いさりび鉄道で五稜郭へ、五稜郭から普通列車を乗り継いで、深夜に札幌に着くプランが成り立ちます。
しかし、夜中の青函フェリー(運賃2000円)に乗ってしまえば、宿泊代と時間を節約することができます。
フェリー運賃は北海道新幹線オプション券より安く、しかもフェリーの便数も多いので、青春18きっぷを使った旅で、青森から函館への移動は、費用と利便性の両面から考え、青函フェリーが第一選択です
青森駅で電車を降り、青森フェリー埠頭を目指して、人気の少ない青森駅西口へ続く通路を歩き始めました。
青森へは何度も来ていますが、青森駅の西口へ出るのはこの時が初めてでした。
通路の壁にべニヤ板が張られ、西口への通路は改良工事中のようです。
西口は、これが青森駅?と思わせる程に質素なたたずまいでした。
一つしかない改札口に駅員が一人。まばらな客を待ち受ける様は、小さな地方都市とも比較できぬほどの寂しさで、駅前には街灯も少なく、若い女性が一人で降りると、心細いかもしれません。
ネットのMapFanのルート検索を使って、青森駅からフェリーターミナルまでの約2.6kmの道を確認してありますので、ゆっくりペースで、闇夜の道をフェリー埠頭目指して歩き始めました。
タクシーを使っても料金は1000円程度のはずですから、通常はタクシーに乗りますが、東京から青森まで2370円で来たのに、ここでタクシーを使うと、とんでもない浪費をしたような気分になります。
歩道脇の柱に、「 ↑ 青森フェリー埠頭 青森駅西口大通り商店会」と記された看板を確認しました。
埠頭への道に間違いないことに安堵し、人影のない夜の道を進んでゆきます。
やきとり屋の提灯が「一杯飲んでけ」と誘っていました。
その先の串やきやの、軍鶏の赤い字に心が少し動きました。
函館行きフェリーは23時30分出航ですから、ここで一杯ひっかけても十分に余裕があります。
10年前の私でしたら、絶対誘惑に負けていたはずです。
しかし最近は、本当に酒が弱くなりました。
ビールジョッキ一杯でほんのり気持ちよくなってしまうのです。
昨夜は寝不足気味なので、そんな自分に苦笑いしながら、いい子いい子に徹しました。
その先で、埠頭へ続く片側2車線の幅広い通りに出ました。
歩き続けるとやがて、目の前にフェリー埠頭の灯りが見えてきました。
そして歩き始めて35分程で、フェリーターミナルに到着しました。
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