goo

サザンカの自生地

2015-04-17 00:19:20 | 九州の梅を訪ねて

 

2月12日


 夜分に降り出した雨は朝方までに上がっていました。

 

 車をスタートさせる前に、走行距離が最短となるルートを考え、今日のスケジュールを立てました。

 

 佐賀市の周辺と福岡県南部に多くの梅園や、椿、山茶花の名所が点在しています。

 

 今の時期、花は期待できませんが、可能な限り花園の存在だけでも確認しておきたいと思いました。

 

 何時ものように車の中で朝食を済ますと、最初に佐賀県立森林公園へ向かいました。

 

 

 しかし、公園の梅林周辺は工事中で、広範囲にフェンスが張られ、近づくことができません。

 

 フェンスの外からズームを利かせシャッターを切ります。

 

 幹に藁が巻かれているのが梅の木でしょうか。

 

 

スタートから残念な結果になりましたが、そんなときほど、楽しい一日になる筈と、楽観的です。

 

 旅も人生も全部上手くいくなんて、期待する方が間違っています。

 

 3割も当れば御の字なのです。

 

 

 

次の目的地は、サザンカ自生地の千石山

 

 かつてはサザンカの北限地とされ、昭和32年に国の天然記念物に指定されました。

 

 しかし、その後長崎県壱岐にサザンカの自生がみつかり、更には山口県萩市 指月山にも自生地が見つかっています。

 

 長崎道の東背振ICの先の国道385を北上すると、10分程で道の駅「吉野ヶ里」に到着しました。

 

 道の駅のパーキングの北端に「さざんか園 遊歩道 10月中旬から11月下旬までが見頃です」の看板を見付けました。

 

 

国道の下を潜り、階段状に整備された山道を100m程も登ると簡易舗装された道に出ました。

 

 正面と左右の尾根一面に広葉樹林が広がっています。

 

 

簡易舗装の道を歩いていると、一本の木の下に赤い花が落ちていました。
 

 

 

あれ? この花はサザンカではありません。

 

 サザンカは、花が散る時には花弁が一枚ずつバラバラに散ります。

 

 更に、この花は蕊が筒状になっていますが、これはツバキの特徴です。

 

道路脇の森を見ると、サザンカの森に一定の頻度でツバキを見かけました。

 

 下の写真では、小さな明緑色の葉がサザンカで、奥の大きな暗緑色の葉がツバキです。
 

 

 

この場所はサザンカの純林と言われていますが、ツバキも混じるので、ツバキとサザンカが交配した、ハルサザンカなどが見つかる可能性もありそうです。

 

 道路上に見た赤い花も、ツバキにサザンカの血が混じっているかもしれないと思うだけで、想像力が刺激されます。

 

 この森で詳細なツバキの調査をすれば、面白い結果が得られるかもしれないと考え、一人でにんまりしつつ、

 おぉっと、こんな顔を人に見られたら、変質者に思われるかも、などと案じ、慌てて周囲を見回しました。

 

 

 サザンカはヤブツバキとともに日本原産の植物です。

 

 かつては佐賀県の千石山が北限と言われたサザンカも、江戸時代に改良が進み、今では300を数えるサザンカ園芸品種が全国に広がり、宮城県多賀城市にサザンカ園ができるほどになっています。

 私は以前からサザンカを訪ね歩いていましたが、一度は訪れたいと思っていた千石山に来れて、それだけで満ち足りた思いに浸ることができました。

  

 

※ 他の記事へは index をご利用頂くと便利です。 

九州の梅を訪ねて 花の旅 index 1

他の花の旅旅の目次

 

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )