ポルトガルの空の下で

ポルトガルの町や生活を写真とともに綴ります。また、日本恋しさに、子ども恋しさに思い出もエッセイに綴っています。

バチカン市国:サン・ペドロ大聖堂「聖なる扉」

2017-10-09 09:06:49 | 旅行
2017年10月9日

バチカン、大聖堂の続きです。

「Porta santa (Porta=扉、ドア、santa=聖なるの意)」と呼ばれ、ポルトガル語と同じです。

サン・ペドロ大聖堂内には5つの扉がありますが、その中でもっとも重要なのがこの「Porta santa」です。一般的には25年ごとに開かれるこの扉を通って参拝すると、犯した罪が許されると言われています。扉に彫られてある絵は受胎告知に始まるキリストの生涯でしょうか。

扉の上には、サン・ペドロが持つシンボルである「天国への鍵」が見られます。


聖なる扉が開かれる儀式は、新約聖書ヨハネ10・9に見られる「わたしは門である。だれでもわたしを通って入る者は救われる」、また、ルカ11・9「求めよ、さらば与えられよう。叩けよ、さらば扉は開かれるであろう」をシンボル化したものだと推測されています。

下は椅子に座るサン・ペドロ像。


この像の前には警備員が立っており、長い間立ち止まって見る事はできません。なぜなら、写真で見るように、この像の足に触れたり、接吻したりしてご利益を願う人が大勢並んでいるからです。そのせいで、サン・ペドロ像の足は磨り減っています。

東京の亀戸天神の神牛坐像もそうです。ご利益を願って訪問者が撫でていくもので、テカテカになっています。宗教の違いはあれ、東西南北、考えることすることは似ています。

さて、大聖堂の一番奥、「ペドロの司教座」には、ペドロが使ったと言われる木製の椅子が玉座にはめ込まれています。ベルニーニの作品です。ロレンツォ・ベルニーニはダン・ブラウンファンならその名が登場する「天使と悪魔」で知っているでしょう。


そして、その前にはこれもベルニーニの手による4本のねじれた柱のが天蓋を支える「教皇の祭壇」があり、その真下の地下にはサン・ペドロの墓があると言われます。
 

天蓋の上がミケランジェロが設計したドームです。

Wikiより。うっかりドームの写真を撮り忘れ^^;

ルネサンスとバロックの巨匠、カトリック教会に遮二無二したくもない仕事(システィナ礼拝堂のフラスコ絵など)命令され、様々な暗号で反抗し続けたミケランジェロと表面上の装いで教会から愛されたロレンツォ・ベルニーニ。この二人の作品を上下同時に鑑賞できるこの贅沢さ。

ローマ、バチカン市国はその長い歴史の息吹が21世紀の現代でも感じられ、大いに興味がそそられる街です。



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