ポルトガルの空の下で

ポルトガルの町や生活を写真とともに綴ります。また、日本恋しさに、子ども恋しさに思い出もエッセイに綴っています。

本:日本アホバカ勘違い列伝

2019-02-04 21:07:54 | 
2019年2月4日
 
この手の本はめったに自分では買わないのだが、今回はどういうわけか、自分でも分からないまま手にしてしまっていた(笑)
近頃の隣国の嘘八百を並べて何がなんでも我が国を貶めようとするのに対する、日本政府の曖昧な態度に辟易している自分の心情が影響しているのかも知れない。「遺憾である」ばかりじゃイカンで!



しょっぱなからカンヌ国際映画祭で作品「万引き家族」で最高賞を受賞した是枝裕和監督の「勘違い」をこき下ろしているのだが、かの作品を文化庁所管の日本芸術文化振興会から2000万円の助成を得て作って置きながら公権力とは距離を保つ、と発言し文科大臣の祝いの申し出を拒否したことへの「勘違い」への批判だ。

この話はわたしも知っていたので、カンヌ映画際がフランスの公権力であるフランス政府が深くかかわった映画際であり、そこで受賞しながら、同じく公権力である日本政府からの祝福を拒否するとは矛盾してる、国民の税金である文化庁の助成金を即刻返せ、勘違いめ、と言っているのには、あっはっは、然り、と笑ってしまった。

まぁ、その他、勘違いの政治家、スポーツ選手、テレビ局、マスコミ、芸能人、コメンテーターと、出るわ出るわ。読み進めながら、日頃ニュースを通して、ふ~ん、この人でもこんなことを言うんだねぇ、なんだかストンと胸に落ちないや、との自分の思いが重なる。

人を批判のまな板に乗せるには、自分のことを棚に乗せないとできないことなので、不出来なわたしはあまりしないが、読んで可笑しいと言おうか、ふむふむと納得すると言おうか。こんだけバッサバッサと人を批判できたら愉快やろうな、とは思った。

勘違い人間について書き始めると、次から次と対象者が出てきた、という最後の談には、今の日本人をして「なんだかなぁ」と思うことが多いわたしは、さもありなん、と同意状態である。石川五右衛門の「浜の真砂はつきるとも、世に盗人の種はつきまじ」なんて書いてるが、まさに、「世に勘違いの種はつきまじ」であろうか。

最後に著者・北岡敏明氏は平成30年8月に行方不明の2歳の幼児を発見した大分県の尾畑春夫さんを取り上げ、勘違いのまったく逆の人と取り上げて賛美している。

まぁ、人の悪口は蜜の味、というから、癪だと思うことが多い人には笑えて読めるかも知らない。

ポルト・ファンタスティックなカーザ・オリエンタル

2019-02-03 15:47:42 | ポルト
2019年2月4日


先日、この店の前を通り、その変貌ぶりにあっと驚いた次第。



クレりゴス塔の横の広場にある小さな食料品店でポルトでも一番古い店の一つに数えられてきた「Casa Oriental(casa=家)」。 
「看板のイラストからもうかがえるように、ポルトガルがアジア、アフリカに領土を持っていた時代をしのばせます。1910年にオープン。店内は多種の香辛料の香りがします。

「Casa Oriental」はBacalhau(バカリャウ=干しダラ)の店としても知られ、店頭にはいつも大きなバカリャウが何枚もぶら下げられています。

「CHA, CAFE E CHOCOLATE」(お茶、コーヒー、チョコレート」と看板にうたってあり、写真でみられるようにぶらさがったバカリャウや果物も店頭で売られています。街の中心、ダウンタウンなのに昔ながらの庶民的な生活の一端がチラリ見られるのがポルトの魅力だ」かと思ったのがれこれ10年も前で、こんな感じでした↓



それが、2016年に改築のため閉鎖され、翌年新たにオープンしました。
Casa oriental Porto
店内の壁ぎっしりに並ぶのは、Saldinha(いわし)の缶詰なり。




缶詰に書かれた数字は年号です。この日、1947と1948(わたしと夫の生まれた年)の年号が入ったのを買ってみました。うっかり者のわたし、店員に「これ、今でも食べられるの?随分古いじゃない?」と聞くと、「いえ、年号はそうですが、これは今年生産されたものですから、大丈夫」ですって^^;

鰯の缶詰

見ると、`47年のわたしのには同年に生まれたDavid Bowie,Elton John、そして夫の`48年のにはGerard Depardieu, Cat stevensの名前が書かれています。味については開けていないのでまだ。一つが7ユーロとはちょっと高いな。


店内の奥天上には、黄道12星座が見られます。

↓こちらも天上にありますが、「Maquina do Tempo」、つまりタイムマシンの歯車だそうです。



Casa Orientalは「Valor do Tempo(Valor=価値、Tempo=time)」と、うたっていますから、なるほどです。

一階は鰯だけですが、2階にはBacalhau(たら)、さば、タコ、ツナなども揃えられています。



以前のようにバカリャウそのものや、その他の食料品が全て取り払われてしまったのは、古い店を知っている者からすれば残念ですが、これも時代の流れと受け入れるしかないでしょう。「新しい船は新しい者が動かす」です。

改築されたCasa Orientalの外装をカメラにおさめながら↓、モダンに変貌した店の3階の窓に干さた洗濯物とのミスマッチを目のあたりにし、あらら、これだけは昔と変わらずだな、と思わずクスッと笑ったのであります。