携帯が使えない父

確か、昨日から、外泊できて家に帰っているはずの父。

でも、昨夜、母からのメールの返事もないし、今、家に電話してもいない。
あれ？って思って、携帯に電話してもでない。

どうしたのかなぁ？なんて考えてたら携帯がなった。

母の携帯なのに父の声。

「今、お母さん運転中なんだよ。今から買い物に行くんだよ。お父さん、携帯使えないんだよ。どこでしゃべっていいかわからないよ。だからあとでかけ直すよ。」と切られた（笑）

父の隣りでげらげら笑ってる母の笑い声が聞こえる。

なんか、平和だなぁ。。。。。。

なんて思ったら、泣きそうになった。いや泣いた。


父は、あれからずっと検査続き。
毎日あるわけじゃないけど、ありとあらゆる検査が行われていく。
はっきりしたことは相変わらず脳腫瘍ぐらいしかわかってないけど、なんとなく、たぶん、原発は肺で、食道にもガンがあるとのこと。
すべて、極自然に告知され済み。

何気ない告知を受けるたびに一瞬落ち込む父。

でも、次の瞬間、元気になる。

そんな父に母は「お父さん強いね。」と。

父は、「だって、もう73歳だよ。俺はもう十分満足してるよ。それよりも、八王子の通り魔の中大の子は可哀想だったな・・・。まだやりたいことも沢山あっただろうに。もっと生きたかっただろうに。不憫だなぁ・・・」と。


今までずっと、母のほうが強いと思ってた。
母はいつでも明るくいつでも優しい。
そんな母のほうがずっと精神的に強いと思ってた。

でも、お父さんも強かったんだなぁ。

そんなふたりの娘の私は意外に弱い・・・・・