日本百名山に入れるかどうか最後まで深田久弥は迷ったという。
志賀高原の奥地にあり、スキー場などの開発から免れた山。
手つかずの原生林があり、北アルプスのように人が溢れることはめったにない奥深い静かな山。自宅から聖平の登山口まで1時間半で行ける。
このところ色々あってあまり山に登れなかった。
10/5に時間が取れて岩菅山に行こうと決めた。
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9時45分。駐車場には7台の車。
登り始めは階段の道。
樺の葉は少し黄色っぽくなっている。
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階段は歩きにくいが、土砂が崩れるのを防ぐ効果はあるのだろう。致し方ない。
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秋だ。
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百名山に入らなくて良かったとしみじみ思う。二百名山くらいでちょうどいい。百名山熱に侵された人々が押し掛ける山じゃない。(この言い方はヒンシュクを買いそうだな)。秋の日に一人静かに登るのにふさわしい山だと思う。
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岩菅山頂。
ここは素通り。目的地は裏岩菅山。
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いくつかのピークを辿り、右奥にあるのが裏岩菅山。
この稜線が最高だ。
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ウラナミシジミ。
羽に目玉模様。
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秋だ。
秋なんだなあ。
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遠く後立山連峰。
双耳峰の鹿島槍。左が爺ヶ岳。右が五竜から唐松岳。そして白馬。
裏岩菅の山頂は文字がよく読めない古い看板があるだけだ。周りの展望は360度の絶景。
ここでゆっくりと昼食。
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かたはらに 秋草の花 語るらく
ほろびしものは なつかしきかな 牧水
ほろびたものは若さだろうか。それとも夢。遠い日の憧れ。
懐かしいものはたくさんある。
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帰途、避難小屋を覗いてみた。
45年前の大晦日、越年登山でこの小屋に泊まった。
あの頃はもう少し汚かったような気がする。
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この分岐を右に下れば駐車場。
左側にはセギが引かれていて、昔、水のない山ノ内の里に水田を開くために作ったものだという。上条セギという。その横に道があり、僕は水平歩道と呼んでいる。これが結構長い。ここでお別れ。
3時間55分の山旅が終わった。
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