七七ブログ

タダの詩人「七七」による人心体実験の記録 

「落とし天狗文の」第六回

2007-11-29 00:12:58 | カットアップ
 四条の橋に腰掛けて、三人は際限なく絶叫し続ける……。どうすればいいのだろう。社員全員が集まった。源氏名もほとんどがカチューシャ、気がつけばうす暗くなってきている。このまま飢え死にしては可哀そう。それともあれは演技なのだろうか。女の姿かたちをした蚊なのである。健康には甚だ悪いと言わねばなるまい。歩行者も振り返り、おれも家にひとりでいる妻のことが気になったが、相手を見るなり、黄色と混ざりあって、それで味が損なわれることもなく、中央部と根もとの二カ所をセロテープで巻く。
 家庭用品や妻のモノ、525円硬貨とか10500円札とかである。李麗光が歌い出すなり、十九時四分発の紀勢線特急くろしお29号は11番線から出ますが、今まで取り締まっていた警官までが男根垂らして巡回しはじめ、点滴をしながら走りはじめた。羽生氏がとりなした。
 いくら功成り名遂げた人だって、奥行き三十八メートル。ついに政府は対策に乗り出した。ステーキはまだあらわれない。まだ炭火の熾しかたまでは知らないらしい。記者たち「ああ」と、悲しげに納得。おれは安心する。水やおしぼりを持ってこようともせず、へとへとに疲れてぐっすりと眠り込んでしまうだろうから。何か大きなものが決定的に欠落しているのだ。しかるにおれは良識とは無縁であり、話している僧侶のななめうしろに突然うっそりとあらわれて、透明感も増し、溜息は「ぶあお」であったり「ピイ」であったり、建築現場の下を通るたびに釘などの金具がばらばら落ちてきて磁力でからだに吸いつき、すぐさま引き返してウェイトレスの二の腕をぐいとつかみ、市民参加の長距離レースに出るのだと言い張るのだった。
「ほんとにぃー」と、弟橘媛は言った。日野さんは眼を丸くして首をすくめ、まだ会ったことのないふたりは、たちまち殺戮欲にとりつかれ、本人はそう思っていないのだが、焼いたゴキブリがよほどうまかったらしいのだ。もうパーティはとっくに始まっている。固唾をのんで見まもる客の眼の前で、仏さまが、「いいよいいよ、もう」と、言う。いきなりドーンとくる。数時間後に見ると、下層階級の貧民、浮浪者、乞食たちが自分たち独自の貴族社会を勝手に作っていた。原稿依頼かたがた話があるといっておれの宿泊しているホテルへやってきた。動物の本を読んで、次つぎとやってくるのだが、塀を乗り越えて入ってくれば蠅取り紙で身動きできなくなり、隣りのテーブルに倒れ込んで料理を全身に浴びる。いやしくも原稿を書いている時にそのようなことをなすべきではありません。
 挨拶しなければならないのに。やりたい放題。しかたなく祖父は作戦を練り、ワープロに打ち込んだものの、六十年も生きていると、真実の姿はもはや虚構の中にしか存在しないし、当時は不思議に思ったものだが、それは単純に言えばジャーナリスト魂とでも言うべきものだろう。
 夢中で抵抗するうち、十七、八の姐さんが、ねぎらってくれる。「じゃあ、一曲やろうか」と言ってピアニストが気軽に立ち上がる。次第に賑やかになる筈が、次に進み出たのがど厚かましいおばはん。通り過ぎて行く若い娘たちを見ながらの、残り少ない人生、無我夢中でやるべきです。ふたりとも、遊び続けた。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿