緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

行こうよ(2)

2009-04-01 21:00:38 | 患者さん

 池畑さん(仮称)の同窓会の当日がやってきました。
 前日の夜に、病棟に連絡して体調を確認したところ、池畑さんは、リクライニングの車椅子なら、同窓会に参加できる状態でした。

 当日の朝、夜間に緊急の連絡がなかったので、昨晩と同じ状態なのだろうな、と私は推察しました。

 池畑さんが出発する時間は10時。

 その前に、私がやっておきたいことがありました。

 それは、ある、街の郊外にあるお寺にお参りすること。

 
 そのお寺は、池畑さんが私に教えてくれたお寺です。

 「あそこのお寺の地蔵さんは、地元でも絶対、ご利益ある、なんかあるっていわれてるの。私も何度かお参りに行ってね。やっぱり、効くわ。ポンさんにこそっと教えてあげるわ。ああ。また、話しちゃった~~。」

 という感じで、池畑さんは、私に『秘密の』お寺のお地蔵さんの存在を教えてくださったのでした。
 私は、「願い事が叶いそうな」物事にはとても興味がある人なんですねー。
 そのお寺の存在を聞いたときには、思いました。
 「いい人とめぐり会えますようにーってお願いしようかな?」なんて。

 池畑さんが何度か行ったことのあるお寺です。
 池畑さんの思いを知っているお地蔵さんがいるお寺です。

 出発当日の朝は、私が、池畑さんの代わりにお地蔵さんにお願いをしに行こう、そう思いました。
 早起きが苦手なポンでありますが。


 当日の朝は、晴れ。しかし、気温は道路わきの温度計によると5℃。久々にバイクを飛ばして、自宅からはちょいと離れたところにあるそのお寺に向かいました。気温5℃となると、バイクで走るにはまだ肌寒くて、バイクに乗ってきたことを後悔しそうな気温でした。

 無事にお寺に到着。

 お地蔵さんにもお会いできました。


 お地蔵さんに話しかけました。


 私、神頼みは「他力本願」だからって嫌うことは全くありません。「他力」の「他」は、仏教でいうと「阿弥陀さん」の「陀」なので、全くをもってすべてを他人に預けるということではないということを聞いたことがあります。
 それにしても、私は神社仏閣では、「○○したい」という風に願望をお伝えすることはありません。むしろ、決意表明(=~します、~したいと思っていますって感じで)をして、最後に見守っていてください、とお伝えします。
 今回も然り、で、

 「池畑さんと同窓会に行きます。池畑さんが行きたいというなら、行きます。池畑さんがいけないというのなら、それはそれで受け止めます。どうか、見守っていてください。」

 そう、例の?お地蔵さんにお伝えして、お寺を後にしました。

 病棟に、バイクで向かうまでの間、私は朝ごはんを食べていたのに、またお腹が空いて、パン屋さんによりました。
 ちょっと、気持ちがリラックスしている証拠だったのだと思います。


 そして、私は、何があっても、池畑さんの今日の行動を支えよう!
 そんな気持ちをさらに固めて、病棟に向かいました。

 万年睡眠不足による眠気に襲われつつ…。
 朝の時点では、池畑さんとともに、同窓会にいけるような気がしていました。