大学院を卒業してから2年近くになります。
大学院でがん看護を学びましたが、卒業したばかりの私は、自信のなさの塊でした。
私は、それまでに臨床でがん看護にどっぷりと漬かっていたわけではありませんでした。ですから、私の経験も知識も「苔が生えたまま」だったのですが、大学院で座学、演習、実習の経験を経るたびに、少し経験と知識が豊富になったつもりでいました。
しかし、実際に卒業してから臨床に出てみると、患者さんの疼痛のケアでさえうまくいかないことが多々ありました。
何せ、卒業したての私は、「デュロテップパッチ(フェンタニルパッチ)」すら触ったことも貼ったこともありませんでしたから。オキシコンチン(オキシコドン)も、実習中に知りました(およよ)。
当然、必死こいて文献を読み漁って、セミナーなどに参加して学習しなおしました。でも、うまくいかない。どうしても、薬剤の微妙な匙加減がわからない…。
匙加減。私は知識だけでなく、匙加減のできる技術がほしいと思いました。
その時、私は思いました。「生きた知識がほしい!!!!」
そして、私がとった行動とは、セミナーの講師の先生にメールでダイレクトアタックして、患者さんの疼痛に対する薬剤を相談したのでありました。その講師の先生には今でもとても感謝しています。
それでも、やっぱり物足りなかった私は、緩和ケア病棟のある病院に飛び込んでしまったのです。それが今、というわけです。
一般病院で緩和ケアがうまくいかない理由のひとつに、スタッフに十分な知識や技能がないということがあります。これは私個人に当てはまっていたことでした。
緩和ケアを行っていくには、生きた知識を得ることはとても必要だと思います。日本では緩和ケアを専門とする医師はとても少ないと思います。勿論、疼痛ケア自体がtry and errorであるには違いありません。しかし、患者さんの利益を考えると、スムーズに問題を解決する方法を考えなくてはならないと思います。
自分の施設に緩和ケアの専門家がいないとき、施設外でもいいから相談ができるというのはとても心強いものです。
大阪には、ネット上のやりとりですが、大阪がん緩和ネットという相談ができるシステムがあります。
で、今の私が、匙加減がうまくなったのか、生きた知識が得られたのか、というところは…。
そりゃ…、卒業したての時よりはある…、ある…、ある…(祈っとんのか!)と思います。
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