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緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

金魚の赤ちゃん

2011-03-26 21:29:35 | 緩和ケア病棟

病棟で飼っていた金魚ちゃんが、卵を産んで、3/24に誕生ラッシュを迎えましたっ!


その数、いったい、いくら??
これから、どうするかというところですが、とりあえず。

親である金魚たちとは別の水槽に移し、稚魚はたくさん酸素がいるということなので、「ぶくぶく」を水槽に設置して見守ることになりました。

患者さんの面会に来てくださるご家族や患者さんが、水槽を覗き込む姿を多々見かけるようになりました。


この金魚を、飼うことになったきっかけは、後日にお伝えすることとして。


いったい、何匹いるの????というくらいの稚魚をかかえて、どう飼育したらいいのか、ネットで調べつつやっている状態です。


何匹がちゃんとした「大人金魚」になるかはわかりませんけど、できるだけ赤ちゃん金魚ちゃんが快適に暮らせるようにやってみるつもりです。



あ。

仕事をさぼってやっているわけではありませんからね…。

こういう「命の誕生」やら、「生き物との触れ合い」やら、「誕生を喜ぶ」やら、「成長を見守る」やら、人として普段に感じる感覚を、病棟でも患者さんやご家族に感じていただくこと。
これは、単なるパフォーマンスとか、偶然というよりも、生活とはかけ離れた「病院」という環境に置かれた患者さん、そしてご家族には、かえって病院らしくないというところでは、大切だと思っています。


患者さんの病状を不安に思っているご家族が、水槽を必死に腰をかがめて覗き込んで、稚魚を眺めている姿が病棟にあるって、なんだかいい感じ



自分の癒しにもなってます

有線を活用?

2011-01-03 13:59:50 | 緩和ケア病棟

 昨年度末に緩和ケア病棟に有線を導入することになりました。
 工事はまだ半ばですが、一部のスペースで有線の音楽などを楽しめるようになりました。
 病棟のエントランスは有線が流れるようになり、チューナーはナースステーションにあります。
 
 大晦日から元旦にかけての夜勤だったポンとしましては、どの有線のチャンネルにしようかなーと…、穏やかな夜勤であったがゆえに、わくわくしておりました。

 
 まず、消灯までの時間は、なごんでお仕事をしようかしら?と思ったので、ハワイアンの音楽にしました。


 ・・・んん。


 ハワイアンってええねんけど、仕事モードの雰囲気の中ではやる気がなくなるわーと思ったー。

 しかも、お部屋から大音量で流されていた紅白のテレビの音にかき消されそうだった…。

 消灯以降、少し音を小さくして、川のせせらぎの音に…。
 
 そして、元旦になり、日勤者が出勤してくる頃には、琴の音にして、正月を演出…。

 「ああ。スタッフのみなさま、今年もよろしくねー、元旦の勤務大変ねー。」なんぞの挨拶を済ませて申し送りが始まる…。

 
 そして、申し送り前から申し送り終了時あたりといえば、患者さんの朝食タイム。お正月といえど、患者さんの心身の状態にはあまり?変化はないのも仕方のないことで…。
 とにかく、「ひとりにしないで、さみしいよ」と嘆く患者さんをナースステーションにお連れして、優先の音楽を聴いていただく。

 唱歌にしてみましたが、患者さんは流れている曲に関係なく歌い始めました。
 「と~~~しのは~~じめの~た~めし~~とて~~~」♪
 一緒に歌ってみた。
 が。
 そっから先、ポンは知りませんがな。あとは、ハミング隊になりすまし~~。
 

 「3番もあるで」といいながら、つぶやくように歌っていた患者さん。


 その後は、演歌をやや音量を上げて流してみました。
 ちょっと、口ずさめる曲はあるかな???と思いつつ。

 ラウンドしていたスタッフからは、「病院ちゃうみたーい」との声が…。


 ま、それもええんとちゃうかー。
 

 病院らしくない病院。どんとこいっ。
 有線の活用法、もっとあるかもーと思った元旦の夜勤明けでありました。



 話は変わりますが。

 さ。
 もう1回。
 今年もよろしくお願いします。
 

 

よくない印象の払拭に向けて

2010-03-17 22:53:58 | 緩和ケア病棟

 今日も一日、無事に終わりました。
 今日は、緩和ケア科の外来の日でした。

 久々、出会いました。
 とても、とても、緩和ケア病棟に対する印象が「悪い」家族さんに。

 
 いつも、緩和ケア病棟についての説明をさせていただく前に、受診された家族さんに、緩和ケア病棟の印象を伺うことにしています。
 
 そしたら、今日は、来ました。 
 久々。


 「ここにきたら、患者さんが苦しんで、唸ってて、とっても暗いところだと思ってました。」


 
 がーん。


 最近、緩和ケア病棟に対して、ここまで暗いイメージをもたれている家族さんとの出会いって少なかったので、ちょっと驚きました。

 心の中では、
 「一体、どんな病棟やねんっ」とぼやいていました…、正直にいいますと。
 ご親戚や友人、近所の方など、緩和ケア病棟へのイメージが地を這うようなご経験をされていたのかと思いましたが、そのような経験もないようでした。


 んー。
 やっぱり?まだまだ、緩和ケア病棟に対するイメージは暗いのか…。


 率直に言いますと、病院周囲の地域には、まだまだ緩和ケアやら、緩和ケア病棟に対するイメージが、「よくない」まま、口コミだけで広がっているのは事実です。残念ながら、マスコミの情報からでさえも、「あそこにいったら、麻酔薬で殺される」といったイメージをもたれているかたもいらっしゃいました。

 他府県からの患者さんも入院されるのですが、他府県の患者さんやご家族の方が、いいイメージを持ってくださっている印象があります。


 困ったものです…、と、うな垂れているだけではなにも変わりません。

 現在、入院中の患者さんのご家族、そして、ご遺族のみなさんには、概ね、ここにきてよかった、という気持ちを持ってもらえています。少しでも、「ここにきてよかった」と思ってくださっている方々が、ゆくゆくは緩和ケア病棟のダークなイメージを払拭するような存在になることを期待しています。

 緩和ケア病棟に入院する目的は、多くが残りの時間を自分らしく生き抜くことなので、よくないイメージが先行するのは無理もないと思います。
 病気や死という現実に向き合わなければならないところですから、悲しみやつらさから逃れることはできません。

 悲しいこと、つらいことにたくさん、向き合わなくてはならない場所かもしれませんが、そこには、笑いもあるし、喜びの涙もあります。
 スタッフも、いつもくらーい顔をしてケアに携わってはいません。


 緩和ケア病棟についての情報が地域にちゃんと伝わっていないこと、がんという病気のイメージの悪さ、死を忌み嫌い、恐れること…。
 そんなこんなが複雑に絡み合って、それぞれの人の「よくない印象」を作り上げているのかもしれません。


 私たち、医療従事者の役割は、一般の人たちに、緩和ケア病棟に対する正しい知識を持っていただくことやよくないイメージを払拭することだけではありません。

 何よりも大切なのは、日々のケアのひとつひとつを大切に行っていくことなのだと思います。
 正しい情報が伝わっても、実際のケアがおろそかになっては、本末転倒です。

 心したいと思います。
 
 

旅立ち

2009-09-28 20:28:49 | 緩和ケア病棟

 不思議なことに、病棟で患者さんがお亡くなりになるパターンのようなものがあるような気がします。

 どなたかが旅立たれると、その次にどなたかが旅立ち、そして、またどなたかが旅立ち…。

 このところ、そんな感じになっているような気がします。

 
 緩和ケア病棟にベッドが30も、40もあることはまずなくて、せいぜい、10から20床くらいですから、患者さんが3人も旅立たれると、かなり、さみしいものがあります。
 


 ある先生が話していたところによると、「あの世に行くために三途の川を渡る船は、3人乗りらしよ。」と。

 この話がどこからきたものなのか、とか、本当にそうなのか?(本当にそうなのかというのはわかるはずがないのですが…)とか、信じてるの?とか、そんなことは横っちょにおいておいてっと…。


 私たちは病棟でよく、患者さんが亡くなられたあと、「あの世に行くための船」の話をします。ある先生のお話をきっかけに、みんなが「船は3人乗り」を前提にお話します。
 
 
 「3人乗りの船だったら、ちょっと、普通サイズでは小さいかも…。」
 →中に、体格のいい人がいるって意味でね。

 「船でみんなが好き勝手しゃべって、ちっとも前に進まなかったりして。」 
 →お話好きな人が乗っているって意味でね。

 「きっと、操縦するのは○○さんに任せたほうがいいかもね。」
 →運転が好きな方が複数いるって意味でね。


 こうやって、「3人乗りの船」に乗っているシーンを、それまでの患者さん像を思い浮かべながら、ちょっとくすくすっと笑いながらお話をしていきます。
 たとえ病棟で過ごした時間が数日であろうと、どの患者さんとも一緒に時間を過ごさせていただいた思い出が私たちにはあるので、その思い出を、ほんわか~と思い浮かべながらのお話になります。
 勿論、別れというさみしさや悲しさ、残念さなどの気持ちもあります。

 
 私の場合の話ですが、この「3人乗りの船」の話をしているときは、それまでの過程でいろいろあったとしても、かなり、穏やかな気持ちで患者さんのことを考えられていることがほとんどです。
 「その人らしさ」をダイジェストで思い出すわけですから、その人の「インパクト」を思い出すことになるんですね。
 患者さんが亡くなられることはとても残念なことなのですが、この会話が患者さんへの素敵で、面白い?メッセージになっていると思います。

 そして、この「くすっと笑える感じ」は、さらに患者さんをケアしてかなくてはならない私たちにとっては大切な気持ちの切り替えタイムであるとも思います。




 ところで、あの世に行くためには三途の川を渡るので、手段は船ということになるんだよね…。
 泳いで渡る人もいるんだろうか。
 川に橋ができて、車で渡れるってことはないのかな。
 川の端と端に木があって、手前にロープを括りつけて、ターザンのように渡るとか…。
 川を凍らせて、ボブスレーのようなものでしゅーーーーんっと渡るとか。
 途中で釣り糸を垂れて、お土産用の魚をゲットしてから渡るとか。

 そんなんはないんやろか。
 
 患者さんを思うとき、そんなんも「あり」なような気がします。
 

  

乾杯

2009-09-21 18:26:52 | 緩和ケア病棟

 普通の病棟…なら、許されなくても、緩和ケア病棟だからこそ許されることがあります。

 私は、緩和ケア科外来を担当していています。緩和ケア科外来を受診されたご家族には必ず、緩和ケア病棟の見学をしていただいております。その案内をするのが私の役割のひとつです。

 病棟を歩きながら、説明をする内容のひとつが、「一般の病棟と違うところ」です。
 
 「一般病棟と違うところ」の特徴的なところは、『動物の面会がOK』(施設によっては、動物の面会はだめなところがあります)、『飲酒はOK』(勿論、病状が許す限り、そして、他の患者さんに迷惑がかからない限り、ということです)、であります。
 これらは、緩和ケア病棟の「良さ」です。
 でも、緩和ケアについての認識がネガティブな方もたくさんいらっしゃいます。
 

 「命が限られているから、本来、許されないことが許されるのだ。」
  
 私は、この考え方に対しては、慎重であらねば、と思っています。

 
 確かに、緩和ケア病棟には、がんの終末期の患者さんが多く入院されています。
 自分の人生の時間に限りがあると認識せざるを得ないときが来た時、人は、それまでの在り方以上に、その時々の過ごし方を大切にしようとされます。
 その人が、自分の人生の時間に限りがあると認識していない場合(いろんな状況があってのことです)、私たち、医療者の方が、その人の人生をその人にとっての「その人なりの過ごし方」をご家族と模索することになります。


 それにしても、緩和ケア病棟に入院される患者さんは、多くが余命が限られている方です。
 そんな方だから、緩和ケア病棟なりの過ごし方があると、そう考えるのはあまりにもさみしいことだと思っています。

 多くの施設では許されないことですが、少しでもその人らしく生活できる環境が、病院にあるということは療養をする上では大切なことだと思います。

 あくまでも、余命が限られているので環境がいい、というのではなく、その人の生活を大切にするということで、その環境があるのだと思います。


 前置きが長くなりましたが…。



 先日の夜勤のことです。
 夜の業務が落ち着いたところで、患者さんと「乾杯」したんです。



 その方は、とてもお酒が好きな人で、毎日、ワンカップの瓶に1杯だけ、寝る前に飲むのを楽しみにしておられます。
 鹿児島から焼酎を取り寄せているくらい、お酒が好きな方です。

 先日まで、腸閉塞でお酒を飲むことが許されなかったのですが、治療の効果があって、お酒が飲めるようになりました。
 とても喜ばれていたので、私が冗談で、「乾杯せなあきませんな。」と言ったところ、「ほんまやなー。」と言ってにっこりされ…。
 夜にお部屋に伺うたびに、「一杯、やってくか?」と声をかけて下さっていました。

 さすがに、日勤ではほんのちょっとでも、飲むことができません。車で通勤していますから。

 そこで、「乾杯」を決行したのが、夜勤の時でした。

 病棟にあったお猪口をふたつ、お部屋に持って行き、焼酎をお猪口に半分ほど注ぎ、二人で乾杯しました。


 そりゃー、美味しかったです。芋焼酎の香りもよくて…。本音は、「もっと、飲みたーーーいっ!」でした。

 その患者さんのご家族は、誰もお酒を飲まないそうです。だから、私と乾杯できることをとても喜んでくださいました。ご家族も、患者さんが喜んでいる姿を見て、とても喜んでくださいました。

 「また、来てよ…。」と。


 ほんの数分の「乾杯」でしたが、あの場面は忘れることができない思い出になりそうです。

 緩和ケア病棟で過ごしていらっしゃる患者さんは、いつも病気のことを考えながらすごされているわけではありません。
 いつも、病気のことばかり考えて過ごさなくてもいいように、ちょっとした楽しみを作って差し上げることも私たちの役割だと思っています。

 


 
 

日常が、非日常

2009-05-25 21:45:31 | 緩和ケア病棟
 
 病院は、患者さんにとって、生活の場です。


 『お部屋でタバコを吸ってもいい?』

 だめだよね、絶対。酸素を使っている時だってあるし、火事になったら他の患者さんにも迷惑がかかるしね。
 家なら、いつでもどこでも吸えるんでしょうけど。



 『真夜中だけど、散歩に行って、夜風に当たりたいのよ。』

 無理かな。だって、自分ひとりで歩くには自信がないし、看護師さんの手を借りないといけないしね。それに、夜は21時に消灯。夜は寝るもん!って決まっているかのように、周りが静まっちゃって。夜に活動していたら、看護師さんに迷惑をかけちゃう。
 元気な時なら、夜のお出かけなんて、誰にも気を遣わずにできたことなんでしょうけど。



 『今、○○のケーキが食べたい。』

 誰に買ってきてもらえばいいかな。家族も友達も仕事で忙しいんだな。食欲はないけど、ケーキなら、一口、味わってみようかなって思うんだけど。
 元気な時なら、自分で車を飛ばしてお気に入りの店に行って、あれとこれとあれを買って来れるんでしょうけど。



 『今、トイレに行ったばかりだけど、もう、トイレに行きたい。』

 また、看護師さんを呼ばないといけない。看護師さん、忙しそうにしてるし、嫌な顔をされないかな?って気を遣うわー。下の世話をされるのは、つらい。こうなりたくてなったわけじゃないのに。
 まさか、自分が他人に下の世話になるとはね。元気な時なら、心行くまで、トイレに座っていられたんでしょうけど。

 

 病院というところは、やっぱり、療養の場でしかないのでしょうか。
 たとえ、緩和ケア病棟であっても、その人なりの生活の場に近づけるよう、環境を整えて参りますが、やっぱり、限界があります。

 限界があることが、よくないということをいいたいのではありません。
 正直に言って、仕方のないことです。
 限界を見極めた上で、何ができるかを考えることこそが、私たちの役割です。

 環境だけでなく、患者さんの体調や病状も生活に大きく影響します。


 患者さんにとって、
 かつての普通の日常が、非日常になってしまう、それが病院なのでしょう。


 だからって、諦めているわけじゃありません。
 



 

ザリ子ちゃん

2009-04-05 11:22:05 | 緩和ケア病棟

 わが緩和ケア病棟では、ザリガニを飼っています。

 昨年の11月ごろ。ある患者さんの子どもさんが、当院のお庭にある小川で、ザリガニを捕まえてきたのでした。その患者さんの奥さんであるおかあちゃんは、家でそのザリガニを飼うことを猛反対いたしまして、当緩和ケア病棟が世話をすることになったのでした。

 残念ながら、その患者さんはお亡くなりになったのですが、お子ちゃまたちがまた、病棟にザリガニちゃんを見に来れるように…、という思いもこめて、飼うことにしたのであります。

 うちのクラークさん曰く、そのザリガニちゃんはメスだそうで(へ~~~~、どうやって見分けんの?)。
 私は、ザリ子ちゃんと呼んでます(呼んでいるのは私だけー)。

 そのザリ子ちゃん、もう春が来たということで、近くの川に、もともとの活動拠点?に戻してあげようという話が持ち上がりました。

 
 このザリ子ちゃんのいる水槽は、以前、「ゾメタ」(こてこての医療者がつけました!ちゅう、名前っ!)という名前の出目金が住んでいたのですが、ゾメタちゃんが死んでしまってから、水槽は緩和ケア病棟のカウンターから撤去されておりました。
 ザリ子ちゃんのおかげで、またカウンターには水槽が復活。
 
 このザリ子ちゃん、ゾメタちゃんのように、かなり、病棟のスタッフの人気者です。
 ゾメタちゃんが調子悪くなった時には、ICUと称したバケツを作って、手厚い看病をしてましたからー。水槽を突っつくと、ひょこっとこっちを振り向いてくれたような気がして…。気のせいかもしれない(そうに間違いない)けど、愛着があったんですね。

 ザリ子ちゃんも然り。

 ザリ子ちゃんをこよなく可愛がっているのは師長さん。そして、溺愛+過保護をきわめているのは、ドクター。
 ザリ子ちゃんのために、ザリガニ用のえさを買ってきて。ここまでは普通。
 ザリ子ちゃん用の小屋?なるお皿のような陶器、食いちぎられるたびに、新しい藻を購入、そして、えさをなるべくザリ子ちゃんのいる付近に落とせるようにストローを小細工?。

 一日1回は、この御二方、必ず水槽を眺め、ザリ子ちゃんに癒されている人々です。眺めなれることにはなかなか馴れることのないザリ子ちゃん…。

 
 ドクターによると、ザリ子ちゃんは師長さんを仲間だと思っているそうです。
 
 ちなみに。
 ドクターによると。

 ザリ子ちゃんは、私のことを「食われてしまう」と警戒しているのだそうです。

 
 んな、あほな。
 

 ザリガニって食べれるとか言い出したのはドクターの方やし。
 ザリ子ちゃんが大きくなって、美味しそうなえびらしくなってきたな、と思うのくらい、普通の?ことやないの。
 

 
 そして、ザリ子ちゃんのお別れ計画が立てられました。ドクターは、近くに川の安全?そうなところを見つけてきて、ここに放してやろうと考えておりました。


 この計画に「待った!」をかけたのは師長さん。

 ザリ子ちゃんにとても癒されているので、ザリ子ちゃんと別れるのはさみしい…、と。
 
 …そこまで、ザリ子ちゃんを愛しておったのか…。
 ほーーー。


 そこで、ドクターが考えた案は、今の「初代」ザリ子ちゃんは川に放してやって、2代目ザリ子?ちゃんを春になったら飼おう、というものでした。
 「空騒ぎのメンバーみたいに、2代目を連れてくる」案に師長さんも納得。


 最近、大きくなってめっきり小屋にこもりきりのザリ子ちゃん。

 以前は、水槽を脱走したこともありました。

 夜勤のスタッフが真っ暗な廊下でのそのそ動く「物体」を発見し、「ぞぞぞわーーー」っと物の怪???を感じていたところ。
 よく見ると、ザリ子ちゃんだったのです。
 ザリ子ちゃんの腹は、埃まみれになっていたんだとか。

 憎めないやつ…。
 廊下のお掃除、ご苦労さん。


 まだ、2代目ザリ子?ちゃんをいつ迎えるかは未定ですが、決まればまたお伝えしますね。
 
 …どうでもええことかな…。

 

 

クリスマス会

2008-12-23 13:46:49 | 緩和ケア病棟

 先日、緩和ケア病棟でのクリスマス会が催されました。
 患者さんだけでなく、そのご家族にも催しを楽しんでいただきます。月に1回は普段の病院食とは違ったメニューを提供するイベントはあるのですが、クリスマス会は、普段とは違っています。

 それは…。
 声が素敵で歌も上手い医師がピアノの生演奏とともに歌を披露します。

 さらに…。
 医師にサンタクロース役になってもらって、プレゼントを患者さんやご家族に配って歩いてもらうということをするということがあります。
 緩和ケア科の医師ではない院長も参加してくれていて、無理矢理?トナカイのカチューシャをつけてもらって、プレゼント配りに参加してもらいました。
 (会のはじめ、院長は片隅で見守ってくれていたのですが、よく見たら、院長は「赤い」セーターを着ていました!!実はやる気満々だったのね~~♪)

 クリスマスというのは、「ハレ」の日。患者さんにも、ご家族にも、そして私たちにも特別な思いが込められているような気がします。
 「ハレ」の日ではあるけれど、「ハレ」の日の雰囲気を味わうという日常を取り戻すとてもいい時間だと思えてなりません。
 

 
 

緩和ケア病棟への入院はいやだ

2008-07-29 21:27:56 | 緩和ケア病棟

 最近、立て続けに緩和ケア病棟に入院することに抵抗を感じていらっしゃる患者さんやご家族にかかわらせていただく機会がありました。

 緩和ケア病棟に入院することに抵抗を感じていらっしゃる方に共通するのは、「あそこにいくと、もう、退院できない」「暗い」「死ににいくところ」といったところでしょうか。ネガティブなイメージがあります。

 確かに、緩和ケア病棟は死を感じさせるところがあり、抵抗感が精神的な苦痛を増強させることがあるというのは否めません。

 患者さんに関しては、「つらい症状をうまくとってくれるところ」として説明させていただいて、「じゃ、入院してみようかな」と思っていただけたらしめたものです。
 実際に、入院していただければ、ネガティブなイメージは払拭されることが多く、「こんなに楽になるのなら、楽しく過ごせるのなら、もっと早くくればよかった」とおっしゃっていただけることもあります。

 ご家族の場合は、少し違ってきます。ご家族に緩和ケア病棟へのネガティブなイメージがあると、患者さんに緩和ケア病棟の説明すらできない時があります。
 そんなときは、患者さんが自分の病気の状態を十分に認識できていないことが多く、ご家族が療養する場所を決定することになります。
 ですから、患者さんが緩和ケア病棟で過ごしたいのかどうかを決定する前に、ご家族が「緩和ケア病棟へは入院させたくない」と決定されるので、ご家族の緩和ケア病棟に対するイメージが、療養場所の決定を大きく左右することになります。

 私は、全ての終末期のがんの患者さんが緩和ケア病棟で過ごすべき、とは思っていません。勿論、一般病棟でも療養することは不可能ではありませんし、自宅へ戻るという選択肢もあります。
 
 看護師という医療者からみて、緩和ケア病棟で患者さんに過ごしていただくほうがいいのではないかと思われる方はたくさんいらっしゃいます。


 患者さんの病気のこと、患者さんの気持ちのことなどを時間をかけて説明して、緩和ケア病棟への入院をすすめながらかかわってきたご家族がいらっしゃいます。
 

 緩和ケア病棟に患者さんを入院させたくないというご家族は、患者さんの命が病気によって、そう長くはないということを感じ、とてもつらい気持ちにあります。緩和ケア病棟への入院によって、患者さんの命が長くないという悲しみに向き合わなくてはならなくなります。

 時間をかけて話をしてきましたが、ご家族ははっきりと私に言いました。
 「患者がどうこうというのではなく、私が、いやなのよ!」と。

 医師も私以上にご家族に対して「説得モード」になっておりました。
 
 結果は、緩和ケア病棟には、患者を入院させないということになりました。
 一般病棟のスタッフたちは、「どうしてー!?」と頭をひねっていました。つらい症状を緩和する専門のスタッフがいる病棟になぜ、入院してもらって、患者さんを楽にさせてあげないのか、ということです。

 でも、私は、一般病棟でも患者さんの苦痛を緩和することはできると考えています。緩和ケア病棟への入院を拒む家族を説得して無理矢理入院していただいても、残される家族が不快に思うことがあるかもしれません。
 緩和ケア病棟に入院すべき、と思われても、一般病棟でケアをさせていただきながら、家族のつらい気持ちを「どん!」と受け止めてあげられるようにスタッフを調整することも私の役割だと思っています。

 緩和ケア病棟に対するネガティブなイメージを払拭することも、私たちの役割であります。
 けれど、そのネガティブなイメージを払拭したいがばかりに、家族の気持ちを置き去りにしてはならない、まずは、家族の気持ちを受け止めることが必要なんだな、そして、必ずしも緩和ケア病棟で最期を迎えることがベストではないのだな、と実感しています。

 看護師としての自分の考え方に柔軟性をもつことの大切さは、緩和ケア病棟に入院することに抵抗を感じているご家族にかかわれたからこそ、再認識できたのだと思います。

 感謝、感謝。
 


面会者は動物、病院ですけど

2008-02-04 22:47:28 | 緩和ケア病棟

 当緩和ケア病棟では、面会は24時間可能で、人だけでなく、動物も可能です。
 
 私の最近の役割のひとつに、「緩和ケア病棟はどんなところだろう?」「緩和ケアって何だろう?」「緩和ケア病棟って、暗くて寂れた場所にあるんじゃなかろうな?」と思い、興味やら危惧やらの気持ちを抱いているご家族の方の、緩和ケア病棟の見学を受け入れることがあります。

 当病棟に入院されている患者さんは、これまでの生活パターンを尊重するため、少しでも慣れ親しんだ存在との時間を大切にするため、それまでの癒しを入院生活に取り入れるために、動物を病室に連れてこられる場合があります。
 幸い、当院の緩和ケア病棟は、病院の1階に面していて、庭から病室に入れます。ですから、動物を病室に連れてくるにも、エントランスを通らなくてもいい、というのが利点であります。

 さて。
 当病棟の緩和ケア病棟の案内を、私が見学にいらした患者さんのご家族にさせていただいていたあるとき。
 
 「ワンっ!!」

 …と、犬の鳴き声が聞こえました。
 (私には、○○さんの○○が吠えているとわかっていましたが~~)

 これはとてもいいタイミングです。
 当病棟では、動物も面会することができます、とお伝えしている最中でした。
 
 これには、見学に来たご家族も驚かれます。そりゃ、そうでしょうね~~~。病院に「ワンっ!」という音は似つかわしくありませんから。

 勿論、あまりにも無駄吠えをする動物や、排泄物が問題になったり、飼い主以外には対応が困難な動物の場合には、病室に連れてくることをお断りすることも想定できますが、今のところ、「出入り禁止動物」事例はでておりません。

 不思議です。動物は家族と同等のなじみがあるせいでしょうか。
 とても苦しくて、苦しくて仕方なく、笑顔をどこかに置き忘れてきたような患者さんが、慣れ親しんだペットを見て、笑顔になり、「ソイツ」を笑顔で撫でたりします。
 これは、苦しみから解放された一瞬だと思います。

 ちなみに、患者さんのそばにいる動物達に私たち医療者も癒されることが多々あります。
 
 私の属する緩和ケア病棟は、患者さんがその人らしくあるために、そこに貢献するために、どれだけの自由度を調整できるか、あらゆる面で考えています。
 


串刺しおせち

2008-01-07 21:10:00 | 緩和ケア病棟

 写真は、当PCUでこの正月に患者さんのために作られた、おせち料理です。1月1日の朝食でした。

 串刺しのメニューは、お箸やスプーンが使えなくても、串刺しなら何とかご自分の手で食べることができる方にお出ししてます。
 
 串刺しメニューは、おせち料理だけ、ということではありません。普段の食事も「串刺しで」と栄養課にオーダーしますと作ってもらえます。
 豆の串刺しって、栄養士さんや調理師さんの大変さを伺えます。

 が。

 もっとすごいのは、ほうれん草のお浸しであろうが、サラダであろうが、何でも串刺しにできそうなものは串刺しにしてくださることです。
 朝食として、スクランブルエッグの串刺しを見たときにゃー、作る方の「魂」を感じました。

 普段は絶対に串に刺して食べないものが見られるので、お食事の介助をする私は、見ているだけでとても楽しいです。
 
 何より、残された機能を最大限に発揮するために、患者さんがご自分で食事を口に運べるように配慮したこの食事形態が、なんだかとても好きです。
 

もうすぐクリスマス

2007-12-07 21:10:24 | 緩和ケア病棟

 もうすぐ、クリスマスですね。
 わが緩和ケア病棟でもクリスマスの準備の真っ最中です。
 
 スタッフは仕事の合間に病棟のクリスマスの飾りつけをせっせと作ってくれています。お金をかけることはできませんから、殆ど、手作りです。

 写真は、折り紙で作る小さなリースのパーツです。できあがりがとても可愛いので、わが病棟のクラークさんに「これ、スタッフみんなに作って渡したら~~?」なんて冗談で言ったのですが、彼女はなんと、本当にスタッフの人数分だけ作ってくれたのでした。
 このリースは直径が5センチくらいしかないので、作っていた彼女は「腱鞘炎になるわー」といいながら根気を振り絞ってくれました。

 で、そのリースをどうしているかというと、ネームプレートに挟み込んでいます。(その写真を載せればよかったのに
 
 患者さんや家族からは「それ、可愛いねー」とか、中には「どうやって作るのか教えてほしい」といわれる方もいらっしゃいます。

 病棟の飾りはほぼ出来上がっていますが、患者さんへのクリスマスプレゼントの用意はまだまだこれから、です。

 

病棟のめだかちゃん

2007-09-29 21:38:21 | 緩和ケア病棟

 緩和ケア病棟というところは、一般の病棟と違って、他人に迷惑がかからない程度に動物を連れてくることが可能です。
 家族の面会とともに、愛犬が面会に来ることもよくあります。お部屋で熱帯魚を飼っていた方もいらっしゃいました。
 療養する場所であっても、動物とともに時間を過ごすことによって、患者さんは和むこともできますし、癒されることもできます。患者さんだけでなく、私たち看護師も随分と楽しませてもらっています。

 さて。
 今、病棟ではめだかを飼っています。あるスタッフのご家族がめだかをたくさん飼っているので、病棟にもどうぞ…と分けてくださったのです。
 はじめは小さな水槽だけで飼っていたのですが、今ではうんと増えて、水槽2つ、甕1つにまでめだかの住まいが増えました。今、卵からめだかのベビーも誕生しています。ますます、大所帯になりそうです。

 病棟のカウンターにめだかの水槽があるのですが、病棟に少し馴れれば、殆どの患者さん・ご家族は水槽を覗かれていきます。私も同じく。私はいつも見ている人なのに、ふと足を止めて、めだかが泳いでいるところをじーーーっとみてしまうのです。何だかとても気持ちよさそうに泳いでいて、羨ましい気分になったり、「お~い、めだか~~。」なんてぼそっと声をかけてみたり…。
 こうやって、癒されているのかなー。
 
 今までの経験ではない雰囲気が緩和ケア病棟にはあります。

死にに行くところ?

2007-09-25 19:02:44 | 緩和ケア病棟

 緩和ケア病棟には、主にがんの終末期の患者さんが入院しています。そのせいでしょうか、人々が持つ緩和ケア病棟のイメージはあまりよくないのではないかと思うときがあります。
 そもそも、がん自体のイメージがよくありません。がん自体が「もうだめだ」「死」といったものをイメージさせるからでしょう。患者さんやその家族がネガティブなイメージを持つことは仕方がないところもあるかもしれません。けれど、医療者の中にも同じようにネガティブなイメージを持っている人が少なくありません。
 残念ながら、自分の属する病院でも、緩和ケア病棟というと、「暗い」とか「あそこに行くと死んでしまう」などと言葉にされることを耳にします。

 日本の全病床数に占める緩和ケア病棟の割合がとても少ないので、どんなところかよくわからないために誤解を生んでいることは否めません。だからといって、はい、そうですか、と引き下がるわけには参りません。
 せめて、自分の病院のスタッフには緩和ケア病棟に対する理解をもってもらわなければと思っています。

 先日、緩和ケア病棟についての理解が不十分であると思っている上司に、病棟見学をしてみてはいかがでしょうかと提案して、1週間ほど病棟を見ていただきました。
 案の定ですが、病棟見学の後はもともとの緩和ケア病棟に対するイメージが払拭されたようです。

 緩和ケア病棟は、限りある命を輝かせることを専門とする病棟だと思っています。患者さんや家族、そしてスタッフのみんなが暗い顔をして過ごしているわけではありません。
 勿論、涙や怒りや不安から逃れられないような辛さに直面しなくてはなりません。でも、患者さんがその人らしく最期まで在ることで患者さんは微笑み、家族は笑顔で過ごせることも多々あるのです。