【私だけの学習メモ】 高校講座を視聴していない方には、何の事やらさっぱりわからない私だけの学習メモですので、全く読む必要はありません。
今日も頑張って高校講座で勉強しました。
今日の教科は;
【倫理】第14回 第2章 人間としての自覚 仏教 ~無常無我の真理~
古代インドの宗教の中から現れたブッダの思想を取り上げる。この世のすべては苦しみであるという真理から始まり、どのようにすればその苦しみを乗り越えて、楽しみの世界に入ることができるのかを説いたブッダの思想について考える。またブッダの教えがどのように仏教として成立し、拡大して行ったかを学ぶ。
今回のキーワード!: 輪廻転生/カースト制/四諦・八正道/四苦(生老病死)/縁起の法(諸行無常・諸法無我)/慈悲
古代インドの世界観
ブッダの思想は、古代インド宗教思想から生まれた。古代インドの社会は、身分と職業が生まれつき定められているカースト制のもとに成り立っていた。古代インドの宗教は、あらゆる生命は生まれ変わりを繰り返すという輪廻転生の考え方に立っていて、厳しい修行を通じてこの永遠の生まれ変わりから脱することが解げ 脱だつであり、救いであるとする一方、自分の人生は前世に定められていることになるから、苦しい生活を送る庶民にとっては、この考え方から救いを得ることは難しいことになる。
「縁起の法」とブッダの思想
ブッダ(ゴータマ・シッダッタ)はインドの地方国家の王子であったが、民衆の苦しみを救うために家族も身分も捨て、修行生活に入った。当時の有名な修行者について、数年間の苦行を果たしたが、悟りを開くことができなかった。山を降りて菩提樹の下で瞑めい想そうするうちに、悪魔の誘惑にも打ち勝って、悟りを開いたとされる。
ブッダの悟りは、四諦・八正道として示される。四諦とは苦諦(生老病死すべては苦しみである)・集じっ諦たい(苦は煩悩から生じる)・滅諦(煩悩を消せば苦は滅する)・道諦(正しい修行法は八正道である)という、4 つの真理である。八正道は、苦行にも快楽にもよらない中道の修行法である。
すべてが苦しみとなるのは、縁起の法を悟っていないからだという。それは諸行無常(すべては生滅変化する)・諸法無我(すべてはそれ自体で存在しているのではない)ということで、これらを悟ることによって涅ね 槃はん寂じゃく静じょう(穏やかな境地)にいたることができる。
仏教の成立と発展
ブッダの入滅(死)後、教団は発展し、保護する国王も現れた。教義研究が進む中で、いくつかの流れが生じ、出家修行を重視する「上座部仏教」、在家でも救済にあずかれると考える「大乗仏教」などがあり、今日につながっている。南アジアや東南アジアには、出家を重視する上
座部仏教の影響が定着し、現代でも社会人が数か月出家し、修行をして社会に戻ってくるというやり方などが見られる。
一方、日本には、中国に伝わりそこでさらに独自の発展を遂げた大乗仏教が伝えられた。
Wada ……コラム: ブッダの誕生を祝う『花まつり』
日本では、イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスは、あたかも年中行事のように定着しているようだが、仏教徒が多いはずなのに、ブッダの誕生を祝う「花まつり」(日本では一般に4月8日)に参加する人は、必ずしも多くないようである。これは灌かん仏ぶつ会え などと言われ、誕生仏(右手を天、左手を地にむけている。生まれおちて間もないブッダが「天上天下唯我独尊」と言ったとされることから)の小さな仏像を、花御堂に入れて、桶に満たした甘茶をかける。ブッダが誕生したとき、野原にいっせいに花が咲き乱れ、天からは甘露の雨が降り注いだ、というその様子の再現である。
ところで、使いものにならなくなることを「おしゃかになる」というのは、「おだぶつ」と同じように、廃棄することを死ぬことに比して成仏にたとえたのであろうが、江戸っ子の鍛冶職人が失敗したときに「火(「ひ」が江戸なまりで「し」)が強かった」→「しがつよかった」→「四月八日」という言葉遊びから来ている、という説もある。
【物理基礎】第13回 第1編 物体の運動とエネルギー 運動を妨げる力 ~摩擦力と空気抵抗~
リコの肩を借りて帰る母
革とゴムでは摩擦係数が違う?
お母さんがリコの肩を借りて帰ってきました。
美術館で絵を見ている間に外で雨が降ったらしく、建物を出た際に滑って転んでしまったのです。
父 「お母さん、どんな靴、履いてたの?」
母 「いつものお気に入りのパンプス。」
父 「ああ、革底のだね。リコは大丈夫?」
リコ 「私はスニーカーだったから大丈夫。」
ノブナガ 「ゴム底のやつ?」
母 「え?なに?パンプスとスニーカーで、そんなに違うもん?」
父 「革とゴムではね、表面の摩擦係数が違うんじゃないかな。」
母 「またそんな難しい言葉使っちゃって!」
ノブナガ 「要するに滑りやすさってことでしょ。でも、それどのくらい違うんだろう?」
父 「いいね~。それ、やっぱり実験してみようよ。」
▶摩擦力を比較
靴底の比較
靴には重りが入っている
革底のパンプスと、ゴム底のスニーカーの滑りやすさを比較します。
どちらの靴も重さが255gになるように、おもりがついています。
この2つの靴を板に乗せて傾けていきます。
パンプスは24°で滑り落ちる
スニーカーは42°で滑り落ちる
板を徐々に傾けていくと、お母さんのパンプスは24°、リコのスニーカーは42°で滑り落ちました。
父 「スニーカーの方が摩擦力が大きいってことだよね。」
リコ 「革とゴムの違いってことだね。」
水平な面で重力と垂直抗力がつり合う
重力と反対向きの、大きさが等しい力が抗力
摩擦力のはたらき方について考えてみましょう。
水平な面では、物体の重力と垂直抗力がつり合っています。
物体が置いてある面が傾いても、重力は真下に向かってはたらくので、それと反対向きで大きさが等しい力が抗力としてはたらきます。
この抗力を、斜面に平行な力と斜面に垂直な力とに分解したとき、斜面に平行な力を「摩擦力」といいます。
一方、重力も斜面に平行な力と垂直な力に分けられます。
静止摩擦力
斜面が急になると静止摩擦力も大きくなる
最大摩擦力
物体が止まっているとき、重力から生じる斜面に平行な力とつり合う摩擦力を「静止摩擦力」といいます(左図)。
斜面が急になると、斜め下向きの力が大きくなるため、それとつり合う静止摩擦力も大きくなります(中図)。
しかし、それには限界があり、さらに斜面が急になるとやがて滑り始めます。
物体が動き出す直前、最も大きくなった摩擦力を「最大摩擦力」といいます(右図)。
リコ 「その最大摩擦力は、革底の靴よりもゴム底の靴の方が大きかったってわけね。」
▶最大摩擦力と物体の重さ
最大摩擦力は垂直抗力に比例
最大摩擦力の公式
最大摩擦力と物体の重さの関係を、ビー玉を入れた箱を使って調べてみましょう。
ばねばかりで箱を水平に少しずつ強く引っ張り、滑り出す直前の張力を調べます。
箱が1つの場合の滑り出す直前の張力、つまり最大摩擦力は1.05Nでした。
箱を2つ、重さを2倍にした場合の最大摩擦力は2.01N、重さを3倍にした場合の最大摩擦力は3.00Nです。
最大摩擦力は、物体の重さにほぼ比例していることがわかりました。
最大摩擦力は、重力によって生じた垂直抗力に比例しており、右図の式のように表すことができます。
動摩擦力も垂直抗力に比例
動摩擦力の公式
動き出す直前の物体にはたらくのが最大摩擦力であるのに対して、すでに動いている物体にはたらくのが「動摩擦力」です。
動摩擦力の大きさは、最大摩擦力の大きさよりも小さくなります。
箱が1つのとき、動摩擦力を調べると、0.75Nでした。
箱2つのときは、1.45N、箱3つでは、2.10Nです。
このことから、動摩擦力も箱の重さに比例していることがわかりました。
動摩擦力は図の式で表すことができ、やはり垂直抗力に比例していることがわかります。
父 「『垂直抗力が大きいほど摩擦力が大きい』って、ピンと来ないかもしれないけど、これは『自転車のブレーキをギュッてかけるときに、ブレーキシューがグッと押しつけられて強い垂直抗力がはたらいて摩擦が大きくなる』のを想像すればいいんだ。」
▶摩擦係数と滑りやすさ
摩擦係数のめやす
父 「摩擦係数のめやすを見てみようか。」
リコ 「スキー板と雪の摩擦係数は0.08で、他のものよりも一桁も小さいんだね。」
母 「確かにスキーは、摩擦が大きかったら滑らないもんね。」
ノブナガ 「タイヤと路面の摩擦係数も、0.6から1.1ってけっこう幅があるんだね。確かに、タイヤにもいろんな種類がある。」
母 「どうしてタイヤにいろんな種類があるの?」
父 「タイヤは、基本的に摩擦を大きくしたいわけだけど、路面の状況もいろいろ変わるからね。たとえばスノータイヤは雪の上で最も性能が発揮できるようになっているわけだよ。」
タイヤの溝は水をかきだす
スリックタイヤには溝がない
父 「実際のタイヤを見てみようか。これはバイクのタイヤなんだけど、たくさん溝があるよね。タイヤの溝って何のためにあるか知ってる?」
リコ 「それは摩擦力を大きくするためなんじゃないの。」
ノブナガ 「これは、バイクのレースで使うスリックタイヤなんだけど、全然溝がないんだよ。」
母 「こんなつるつるのタイヤで、どうして滑らないの?」
父 「それが、大丈夫なんだよ。スリックタイヤというのは、乾いた路面なら大きな摩擦力が出せるようになっているんだ。」
母 「じゃあ、タイヤの溝は何のためにあるの?」
父 「それはね、溝は摩擦力にも関係しているんだれども、路面が濡れているときにタイヤと路面の間に水があると滑ってしまうんだね。そのために、水を外に吐き出してタイヤと路面がきちんと接触して、摩擦力がはたらくようにするためなんだよ。」
リコ 「え~っ!排水のための溝だったの?」
母 「知らなかった!」
水の抵抗
空気抵抗
父 「摩擦力というのは、タイヤの場合は滑るのを防ぐためのものなんだけれども、一般的に言ったら、物体が地面などと接触してその運動を妨げるような力だったよね。」
母 「つるつる滑るものを止めるってことよね。」
父 「そうそう。では、地面や壁などと接触していなければ、運動を妨げる力はないのかな?」
リコ 「そんなことないんじゃない?水の中だったら『水の抵抗』があるよね。」
ノブナガ 「バイクに乗ると、すごい風圧を感じるんだけど、あれは『空気抵抗』だよね。」
父 「そうだね。空気抵抗を体全体でおもいっきり体験できる、いい施設があるんだよ。」
ノブナガ 「おもしろそう。行ってみようかな。」
▶空気抵抗を体感!
スカイダイビングの疑似体験施設
風圧で宙に浮く
ノブナガが訪ねたのは、空気抵抗を利用してスカイダイビングの疑似体験ができる施設です。
時速200kmにも達する強い風が、人の体を宙に浮かせます。
下から吹き上げる強い風で、重力とつり合う空気抵抗を発生させています。
重力と空気抵抗でつり合っている
インストラクター 清水口瞭さん
装置に入ると、強い風のために、いきなり体が回転を始めました。
それをインストラクターが止めてくれます。
バランスをとるのがとても難しいのですが、しばらくすると空中で静止できるようになりました。
これが、重力と空気抵抗が吊り合っている状態です。
この状態で上に行ったり、下に行ったり、自由自在に動くことができるのはなぜなのでしょうか?
インストラクターの清水口 瞭さんにコツをうかがいました。
清水口さん 「上に行くためには、体を大きく、大の字に。下にさがるときには、体を小さくすることで空気抵抗を少なくします。」
宙に上がるノブナガ
体を広げると上に上がり、体を縮めると下りてきます。
このように、体全体で空気抵抗を調節します。
インストラクターに助けてもらいながらですが、ノブナガも、空気抵抗の大きな力を実感したようです。
▶雨粒の降る速さ
雨粒の降る速さ
雨粒が大きいと落ちる速度も遅い?
父 「空気抵抗は、空気中で動く物体の、その速さが速いほど影響が大きいんだよ。」
雨は地上数百m以上から降ってきます。
たとえば、雨が地上1000mから自由落下で降ってくると、地表付近では時速500kmにもなるはずです。
しかし実際には空気抵抗があるため、そうはなりません。
実際の雨粒の速さは、雨粒の直径によって違います。
たとえば直径1mmの雨粒だと地上での速さは時速10km以上になります。
直径4mmのかなり大きな雨粒だと、時速30kmほどになります。
ノブナガ 「あれ?でもそれ、ちょっと変じゃない?雨粒の直径が大きくなったら、その分、空気抵抗が大きくなって、落ちる速度は遅くなるんじゃないの?逆に速くなっているって、どういうこと?」
父 「いいところに気がついたね。なぜそんなことになるのか、これも実験して調べてみようよ。」
紙コップを落として実験
重い紙コップのほうが速く落ちる
2つの紙コップを落として比較します。
片方は1個の紙コップ、もう片方は2個重ねて質量を2倍にした紙コップです。
この2つを4.5mの高さから落としてみると、速く落ちたのは2個重ねた重い紙コップの方でした。
なぜ、重い方が先に落ちたのでしょうか?
▶重い方が速く落ちる?
形が同じなら空気抵抗も同じ?
母 「え、でもこれ、おかしくない?」
ノブナガ 「空気抵抗がはたらくのはわかるけど、コップは形が同じだから空気抵抗は同じじゃないの?」
リコ 「そうそう。どういうこと?」
父 「そのわけを知るために、紙コップの落ち方をもっと詳しく調べてみようか。」
等速直線運動の期間が違う
重い方が自由落下の時間が長い
2つの紙コップが落ちる様子を同じ時間の間隔で止めて、詳しく調べてみます。
最初は、同じ時間に落ちる距離がだんだん長くなっていきます。
重力加速度による自由落下に近い運動です。
そのため、途中までは、どちらの紙コップもほぼ同じ速さで落ちています。
しかし、あるところから軽い紙コップは落ちる速さが一定になり、等速直線運動に変わります。
一方、重い紙コップはさらに加速をしてから一定の速度に変わります。
全体として、平均の速度が速かった重い紙コップの方が先に地面につきました。
▶終端速度とは
紙コップの重力と空気抵抗がつり合う
終端速度
空気中にある物体が落下するときには、空気抵抗がはたらきます。
その力の大きさは物体が大きいほど影響し、速く落ちるほど空気が当たって空気抵抗が大きくなります。
そして落下速度が大きくなると、やがて重力と空気抵抗がつり合います。
その状態では加速ができなくなるため、等速直線運動になります。
重力と空気抵抗がつり合ったときの速度を「終端速度(terminal velocity)」といいます。
形や大きさが同じ物であれば、質量が大きい物ほど終端速度が大きくなります。
落ちる距離によっては終端速度に達する前に下まで落ちてしまう場合もありますが、長い距離を落ちていけば、必ず終端速度に達します。
雨粒は直径10倍で質量1000倍
ノブナガ 「それじゃ、最初の雨粒の話に戻るとどうなるの?」
父 「雨粒の直径が0.1mmから1mmと、10倍になっている。そうすると、雨粒の断面積は100倍になるんだけど、質量は1000倍になって重くなるわけだよ。そうすると、重い物ほど終端速度が速くなる。つまり、大きな雨粒ほど終端速度が速くなって速く落ちてくるってことなんだ。」
ノブナガ 「そうか。質量が大きい方が終端速度が速くなるってことなんだね。」
母 「空気抵抗と重力がつり合うなんて、なんかおもしろいわね。やっぱり、みんなどこかで折り合いをつけるものなのね。」
~お父さんのひと言~
摩擦や空気抵抗は、運動している物体にとっては、運動を邪魔するやっかい者、というイメージがありますよね。でも、私たちにとって摩擦がなければ、歩くことすらできません。
強い向かい風を受けて前進できないときには、負けるもんかと強い摩擦力で踏ん張りますが、空気抵抗のおかげで、ゆったりと漂うタンポポの綿毛に心洗われることだってあります。
みなさんが一生懸命、何かをしようとしたとき、他の人からの摩擦や抵抗にあった経験がありませんか?
それは、あなたが懸命に頑張っている証なんです。
【ベーシックサイエンス】 第12回 振り子で時速100km! ~力学的エネルギー~
振り子の運動
振り子とブランコ
一番低い位置を通る振り子
藤本チーフから「どうしたら振り子の速さを速くできるか」という指令を受けたキュピトロンの3人が、ブランコをこいで考えています。
藤本 「行ったり来たりする振り子の運動は、ブランコと同じだということがわかりますよね。今日は、この振り子の運動の秘密に迫りたいと思います。特に注目してほしいのが振り子の “速さ” です。」
振り子の速さはスタート地点から徐々に速くなり、そして徐々に遅くなり、また徐々に速くなるということを繰り返します。
そして、一番低い位置を通る瞬間が最も速くなります。
では、この部分の速さをさらに速くするためには、どうすればいいでしょうか。
例えば、時速100kmにすることもできるのでしょうか。
7kgのおもり
おもりを高い所から落とす
今回使うおもりは、ハンマー投げで使う重さ約7kgの鉄球です。
このおもりの重さは変えずに、時速100kmの速さにするには、どうしたらいいでしょうか。
彩加 「おもりを高いところから落とす!」
藤本 「なかなかいい線いってますよ!では、それはなぜだと思いますか?」
彩加 「感覚的に、高いところから落とせば速くなるかなって……。」
藤本 「時速100kmの速さを出すためには、それを生みだす “エネルギー” が必要になってきます。今日は、振り子の運動をエネルギーという観点から見ていこうと思います。」
▶エネルギーの種類
実験装置(おもりとくぎ)
まず、エネルギーにはどのような種類があるのか、実験で確かめてみます。
これは、おもりを落として落下地点にあるくぎにぶつけ、くぎがおもりによってどれだけ動いたかを見る実験装置です。
実験装置(高さ)
約2cm動いたくぎ
高さ50cmから落としたとき、おもりはくぎを約2cm動かしました。
このことから、「落下という運動をしているおもりは、くぎを動かすエネルギーをもっている」ということになります。
このエネルギーを「運動エネルギー」といいます。
藤本 「では、この運動エネルギーを大きくするためには、どうしたらいいと思いますか?」
田畑 「つまり、くぎをもっと動かすにはどうしたらいいかということですよね。」
二千翔 「くぎを大きく動かすのだから、思いっきりたたきつけるように落とす?」
高さ1mの実験装置
1m、50cmの高さから落としてで動いたくぎの距離の違い
今度は、先ほどの倍の、1mの高さからおもりを落としてみます。
1mの高さから落としたおもりは、くぎを約3.5cm動かしました。
このことから、高さが2倍になると、くぎが動いた距離も約2倍になることが分かりました。
おもりが高さ1mの位置にあるとき、おもりは止まっていても、この高さにあるだけでくぎを約3.5cm動かすエネルギーを持っているということになります。
このエネルギーを「位置エネルギー」といいます。
彩加ちゃんの左手も、位置エネルギーを持っている
彩加 「じゃあ、今ここにある私の左手も、位置エネルギーを持っているということですか?」
藤本 「持っているんです!」
1mの高さにあるおもりは、50cmの高さにあるおもりよりも、くぎを大きく動かしました。
つまり、位置エネルギーは、高ければ高いほど大きくなります。
▶エネルギーの移り変わり
スタート地点のエネルギー
位置エネルギーが減り始める
振り子の運動を、この位置エネルギーと運動エネルギーに注目して考えてみます。
振り子のおもりは、スタート地点では位置エネルギーは最大で、運動エネルギーはゼロです。
動き始めると、位置エネルギーが減ります。
減った分のエネルギーは、逆に運動エネルギーに変化します。
一番下の時点のエネルギー
運動エネルギーは、一番下で最大になり、このときの位置エネルギーはゼロです。
運動エネルギーが減り始める
再び位置エネルギーが最大になる
さらに進むと 徐々に速度は遅くなり、運動エネルギーは減っていきますが、逆に位置エネルギーが増えていきます。
振り子運動の位置エネルギーと運動エネルギー
振り子は、位置エネルギーと運動エネルギーが連続的に変化をくり返す運動をしているのです。
藤本 「振り子は、位置エネルギーが運動エネルギーに、運動エネルギーが位置エネルギーに変化しながら動いているということが分かりました。つまり、動き始めの位置エネルギーを大きくすれば、運動エネルギーも大きくなります。これが、おもりを高いところから落とすと振り子の速さが速くなる理由です。」
▶振り子で時速100km!
振り子の支点
おもりをピアノ線で固定する
それでは、振り子で時速100kmを出すためには、どれほどの高さが必要なのか実験してみました。
実験は、ドーム球場でクレーンを使って行いました。
クレーンの先を振り子の支点にして、おもりがはずれないように、ピアノ線でしっかり結びました。
作った振り子の長さは50mです。
振り子のスタート地点
スピード測定器
おもりは、振り子の支点とほぼ同じ、約50mの高さまで持ち上げました。
速度を計るためのスピード測定器も準備し、実験開始です。
時速101km達成
おもりがスタート地点から落下を始め、徐々にスピードを上げていきます。
最低地点でのおもりの速度は時速101kmを記録し、実験は見事成功しました。
重さ7kgの振り子が時速100kmを出すには、高さは約50m必要であることがわかりました。
二千翔 「位置エネルギーが大きいほど、運動エネルギーも大きくなるということが、よく分かりました。」
里奈 「50m上げるだけで、時速100kmが出るなんてすごいと思いました。」
藤本 「高さを上げることしかしていないですからね。」
田畑 「エンジンとか使ってないですからね。」
力学的エネルギー
ジェットコースター
ここで、ガリレオ先生こと、川村康文先生(東京理科大学教授)にエネルギーについてもう少し詳しく解説していただきます。
位置エネルギーと運動エネルギーという2つのエネルギーを足したものを「力学的エネルギー」といいます。
力学的エネルギーは、身の周りのいろいろなところで使われています。
先ほどの激しい振り子だけではなく、さらに激しいのもあります。
それがジェットコースターです。
一番高い所から降り始める、最初の位置エネルギーを、運動エネルギーに変えるため勢いよく加速します。
その運動エネルギーを使い、また高い所へ上るということを繰り返すため、非常にスリルがあります。
川村先生 「今度遊園地へ行ったら、力学的エネルギーを考えながら、ジェットコースターに乗ってみて下さい。そうすれば、立派なリケジョになれると思います。」
ブランコを漕ぐ里奈ちゃん
最後に、里奈ちゃんがブランコをこいで、最低地点での速度を測定します。
結果は、時速19kmでした。
明日も勉強します。
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