読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

田村優之著「月の虹」

2010-10-12 | た行
月の虹、月虹(げっこう)、Luna Rainbow、Night Rainbowとも呼ばれ、 昼間の虹と同じ原理で、月明かりでも虹が見えることがある。
30歳の新聞記者瀬尾圭一がM&Aを追いかける取材現場で出逢った運命の女子学生安藤静音。
年齢に比べて妙に透明感があり、瀬尾は彼女に惹かれていく。
やがて、二人の9歳の年齢差をものともせず相思相愛の中になるのだが・・・
熾烈な合併交渉の取材と自らの小さな嘘が二人の恋の障害となり、互いを思う気持ちとは別の事情や、タイミングなど、悪い偶然が続いて二人の間にはすれ違いが始まる。
以前月の虹を見たという静音の誕生日に嵐山の渡月橋で毎年会い続けるという、幸せだった頃の二人の約束を果たす為転勤した東京からかけ付けるのだったが。・・・
在日外国人問題、こわれやすい傷被った心と、ふたつの名前と、鬱の問題
・・・淡く白い四季豊かな京の町を舞台に詩情豊かに織りなす悲恋物語。
『事故ー。それは、ほんのわずかな運命の違いで起きるものだろう。』(238P)
感情移入して一気に読めました。
京都の情景描写が美しく上手い、また京都に旅に出掛けたくなりました。


2010年8月日本経済新聞社刊

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