地球温暖化により永久凍土が融解して3万年の眠りから目覚めた最強ウイルスが覚醒。
コロナ禍においてアメリカ疾病予防管理センター(CDC)で顧問として働き、ニューヨークのコロナ対策に尽力した遺伝子工学の研究者カール・バレンタインは、旧知のワクチンなどを研究しているナショナルバイオ社の副社長ニックに仕事を依頼され、極秘にバイオ医薬品企業ナショナルバイオ社のP3ラボを訪れた。感染力のあるウイルスやバクテリアを扱うP3ラボ内で、カールは未知のウイルスを発見する。そのウイルスは死んではいたが、凶暴なエボラウイルスに似たものだった。「もしこのウイルスが活性化したら・・・」。カールの懸念は現実のものとなり、ニックだけでなく多くの者が発症し、次第に感染者が増えていく。ウイルスの出所を巡って,CDC職員のジェニファーと共にアラスカ、ロシアシベリアに調査に出かけるカール・・・そしてウイルスを生物兵器に利用しようとする存在がちらつきはじめた。コロナがようやく収束してきてひと安心ですが、人類の環境破壊での温暖化、永久凍土の氷解などでこの物語のようなことがいつの日かほんとに起こりそうな出来事で怖いと感じた。今まさに知らないところで起きているのかもしれませんね。ロシアの場面など都合よすぎると感じたがスケールの大きな作品でした。
2023年3月角川春樹事務所刊

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