読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

東 直己著「旧友は春に帰る」

2010-02-05 | 東直己
「俺」を探偵役とする第1作目の『探偵はバーにいる』から『バーにかかってきた電話』『向こう端にすわった男』『消えた少年』『探偵はひとりぼっち』
『探偵は吹雪の果てに』『駆けてきた少女』『ライト・グッドバイ』『探偵、暁に走る』の「ススキノの便利屋シリーズ」の第10作目。
著者には同じ札幌を舞台にした「探偵・畝原シリーズ」 があるがどうもごちゃ混ぜにして交互に呼んでいる所為で見分けがつけ難く混乱気味である。
「お願い。助けて」。惚れあった仲ではなく、とくに世話になったわけでもない女性から25年ぶりに電話がかかってきた電話は、俺の眠気を覚ますのに充分なものだった。
沖縄から逃げてきた旧い懐かしい友人モンロー。
「やばいから止せ」の周りからの助言も聞きよせば良いのにと分かっていても彼女を助けてしまう、そしてやはり深みに嵌っていく。
どうしても事情を話そうとしない彼女を夕張のホテルから助け出し、本州へと逃がすことに成功するがその直後から、俺の周りを怪しげな輩がうろつき始める。
差出人不明の4億円の印紙の束が俺に送りつけられて、正体不明のトラブルに巻き込まれ、地元やくざに追われることになった俺は、ひとり調査を開始するのだが・・・。
シリーズが10回目のこのシリーズ、ススキノを奔走する俺もすでに50歳に近い、便利屋稼業の癖に携帯電話の使い方が解らず、車の免許はもは持たない、
追いかけっこや走れば息切れし、ネットカフェでメール使うがPCやネットにもさほど詳しくない、いつも飲んだっくれているわりに、服装やスーツにこだわりアイロンの筋目に気を使うなどどこにでも居そうな「おっさんの俺」はスーパーマンでない等身大の男でありそれなりにリアルだ。
旧友との再会、そして別れ、すったもんだの末の最後の結末が哀切を誘う。
2009年11月 早川書房 刊

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