読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

篠田節子著「竜と流木」

2016-08-28 | 篠田節子
太平洋に浮かぶ美しい島ミクロ・タタに、泉の守り神である愛くるしい両生類「ウアブ」が棲んでいる。
主人公のジョージはその生物に魅入られ東京で語学学校の講師をしながら時折訪れては研究のする日々だったが、
ミクロ・タタで泉から淡水をくみ上げて水道水として島全体に供給する計画が持ち上がり「ウアブ」の絶滅を危惧して
隣りの島のメガロ・タタ島のあるリゾートホテルの池で飼育することなり移したところ、夥しい数の死体となってしまった。
同じ頃、父や同僚たちが真っ黒で俊敏なトカゲのようなものに襲われ、ショック状態に。
口中に細菌を持っているのだ。広がり続ける被害。しかしこれは始まりに過ぎなかった・・・。
絶滅危惧種の保護と危険外来種の問題、生態系破壊の問題など環境問題など考えさせられた。
南の島で老後を優雅に過ごそうとしている日本人にはガッカリの結末。登場人物にあまり感情移入できなかったがたくましく
生きるホテル勤務の日本人女医マユミが興味深いキャラだった。
島に伝わる言い伝えが全てを語っているような展開だった。
2016年5月講談社刊

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