読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

青井夏海著「丘の上の赤い屋根」

2012-04-28 | あ行
主人公の波多野真希に亡くなった父は、屋敷と呼べるほどの大きな家と、広い敷地、そして敷地内に立つアパートを真希に残してくれた。
30代を前にして遺産をもらい受け、東京近郊の都市へと移った真希の心には「赤い屋根」の映像が残っていた。
幼い時の記憶かどうか定かではないが、時折ふっと、それが浮かんでくるのだ。
移り住んだ市には、コミュニティーFMがあった。
このFMラジオ局の、湯守社長はやる気があるのか、ないのかわからないし、他のパーソナリティーも所詮素人の集団の感じ。
プロは子役として脚光を浴び、学業優先のため一時、休業していた俳優業を再開した鏑木航のみ。
引越ししてすぐには、市議会議員が訪れて「この土地は生前に市に寄贈する約束を得ている」と寄付を要求しに来る始末、「そんなはずは……」と困惑してしまう真希。
さらに見知らぬ「弟です」と話す男まで現れた。元から住んでる旧市民と、最近越してきた新市民のごたごた。
小さな町、小さなFM局で巻き起こる、ひと夏の騒動のプチミステリー風成長物語。
鏑木と真希の心の葛藤を中心に展開される青井さんの作風は読んでいてふんわか安心、前向きで心地いい感じ。
赤い屋根の謎も土地に関するごたごたも・・・ラジオ局の面々との関わりの中で解決する。
2010年7月PHP研究所刊


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1 コメント

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青井夏海さん、こんなドタバタな本もあるのね♪ (クレッセント)
2014-02-02 16:17:48
青井夏海さんの新作『からくりランドのプリンセス』を読みました。
読みやすくて楽しかったです~

ttp://birthday-energy.co.jp/ってサイトは青井夏海さんのことを色々工夫して楽しむ面白い人、なんて書いてましたよ。どうなんだろ?コラムをぜひ読んでね♪
「ハレる運命2014」も配信中!!
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