goo blog サービス終了のお知らせ 

読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

今野敏著「石礫 機捜235」

2022-11-29 | 今野敏
初端の仕切りをする機捜が主人公のシリーズ第2作目。
渋谷署に分駐所を置く警視庁第二機動捜査隊所属の高丸卓也と、一見白髪頭で風采のあがらない男だが捜査共助課見当たり捜査班(独特の能力と実力を求められる専門家集団)出身の縞長省一。
日々事件解決を陰で支える機捜隊員コンビが巡回中に 発見した指名手配犯はタクシー運転手を人質に取り立てこもる。
やがてそれが爆弾テロ計画とつながりを疑い彼らは成行きから特捜班入りとなり事件を追う展開に・・・。所轄と役割も違う、他の捜査員たちと、爆破事件未遂犯人を逮捕するテンポよい運びで面白かった。
2022年5月光文社刊

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「任侠楽団」

2022-11-25 | 今野敏
ヤクザが人と会社を立て直す「任侠」シリーズ第6弾。不器用な奴らの痛快世直し話。出版社・病院・映画館・学校・銭湯と立て直してきた一本独鈷のヤクザ阿岐本組親分スキンへッドの阿岐本雄蔵のもとには、一風変わった経営再建の話が次々舞い込んでくる。今度は公演間近のオーケストラ。ヤクザということがばれないように、コンサルティング会社の社員を装う代貸の日村。慣れないネクタイを締めるだけでもうんざりなのに、楽団員同士のいざこざが頻発する。そんな中、イースト・トウキョウ管弦楽団指揮者が襲撃される事件が発生! 警視庁捜査一課からあの刑事碓氷警部補がやってきて・・・。謎解き部分が大半で日村以外の子分たちの活躍を読みたかったのだが少なかった、クラッシックとジャズ、弦楽器奏者と菅楽器奏者、指揮者と奏者団員、オーケストラの裏側など垣間見れたのでよかった。マル暴甘糟刑事や仙川係長も登場しての任侠シリーズは面白い。
2022年6月中央公論新社刊

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「ボーダーライト」

2022-10-20 | 今野敏
伝奇アクション小説。前作「わが名はオズヌ」の続編。なぜか神奈川県内で薬物売買や売春などの少年犯罪が急増しはじめた。県警少年捜査課の巡査部長高尾勇と部下の丸木正太巡査が一連の事件を洗い始めると、彼らは"普通の高校生"で、いずれも人気バンド「スカG」のボーカルの女性「ミサキ」の信奉者だった。圧倒的なカリスマ人気を誇るミサキの歌を直接聞くことによって、若者が街頭犯罪への躊躇いが無くなっていくと推察する。果たして、彼女は事件に関係しているのか? 一方、高尾のよく知る高校生・赤岩猛雄が薬物売買の疑いで逮捕されようとしていた。彼は元暴走族リーダーだったが、かつての仲間が犯罪に手を染めるのを阻止したという。高尾は、オヌズの憑依者(修験道の開祖役小角の呪術力を操るという謎の高校生)・賀茂晶の協力を得て、事件の背後に潜む黒幕の正体をあぶり出そうとするが・・・・・。未来に期待が持てない若者たち。そんな日本社会、政治が悪いのか展開・解決方法はコミック的だし、前作を読んでいないのだが十分楽しめた。前作機会があれば読んでみたい。
2021年10月小学館刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「ロータスコンフィデンシャル」

2022-10-17 | 今野敏
公安のエース、倉島警部補の活躍を描くシリーズ第6弾。公安外事一課の倉島は、「ゼロ」の研修帰りのエース。ロシア外相が来日し、随行員の行動確認を命じられるが、同時期にベトナム人の殺害事件が発生。容疑者にロシア人ヴァイオリニストが浮かび上がる。一方、外事二課で中国担当の盛本もこの事件の情報を集めていることがわかる。倉島は、ベトナム、ロシア、中国が絡む事件の背景を探るが・・・。題名ロータス(その果実を食べると、楽しく、忘我におちいり、故郷に帰ることも忘れるという植物。ロトス。蓮 。)通リ倉島警部補の愚鈍さが際立ち、本当に今までの倉島警部補と同一人物なのかと疑ってしまう。優秀な人の陥りがちな事「慢心」。ペアの白崎に指摘され、偉いさんに怒られ、直属の上司にも怒られる。そこでようやく目が覚める。そのような状況に陥ってしまった理由の描写、犯人検挙までのスリル感がなく淡々と描かれる。伊藤の頭の良さに感心、日本のインテリジャンスは大丈夫なのか心配になる。あいも変わらず縦社会、縄張り意識、階級意識、どうして警察組織機構というのはこうなんだろうと思う。
2021年7月文藝春秋社刊

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「暮鍾 東京湾臨海署安積班」

2022-08-07 | 今野敏
臨海署安積班シリーズ第20弾。10編の短編。短編でありながらそれぞれのストーリーで、安積班のメンバーの得意分野や個性や人間を伝えている。安積の仲間を大事にする姿と個性的なキャラのメンバーたち。第1編「公務」では働き方改革がテーマ。刑事の残業問題って難しい。第2編表題作「暮鍾」では、事件が起きて凶器を持ってすぐ自首してきた犯人に疑問を抱く須田に佐治係長が・・・。桜井が活躍する第5編「大物」。第6編「予断」では、安積班と鑑識の石倉さんの飲み会が描かれており、石倉氏の推理問題にいどむ話がおもしろかった。フィギュア好きな須田が光る第8編「防犯」。第10編「実戦」では黒木の強さと理由がわかり、安積が交通機動隊速水の運転する車で犯人とのカーチェイスを演じる楽しい展開。TVで安積=佐々木蔵之介のイメージで読んだ。
2021年8月角川春樹事務所刊

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「大 義 横浜みなとみらい署暴対係」

2022-07-23 | 今野敏
「ハマの用心棒」諸橋と陽気な相棒・城島、人間味溢れる刑事たちの活躍を描くスピンオフ集。みなとみらい署シリーズ。7つの連作短編。神奈川県警監察官の笹本に、県警本部長から呼び出しがかかった。みなとみらい署暴対係長、通称「ハマの用心棒」こと諸橋と、地元のヤクザである神風会組長・神野の癒着を懸念した本部長に、笹本は調査、報告を命じられる。折しもみなとみらい署管内で暴力団同士の傷害事件が発生。笹本は諸橋に会うため現場へと向かった・・・表題作「大義」。他に、テキヤがいなければ祭りが成立しなかった。ウェブ掲示板と暗殺計画・・・「タマ取り」。桜木町と伊勢佐木町・・・「謹慎」。マルBと見分けがつかない刑事・浜崎。強面に必要なこととは・・・「やせ我慢」。笹本監察官。報告・連絡・相談。自分に変えられないものを受け入れる。日本丸メモリアル・パークで・・・「内通」。ヤクザの本分・・・「表裏」。署の兵器、倉持の技・・・「心技体」の6編。面白く読み易い。一気に読み終えた
2021年3月徳間書店刊


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「宋 棍」

2021-08-21 | 今野敏
「義珍の拳」「武士猿」「チャンミーグヮー」「武士マチムラ」に続く琉球空手シリーズ。 
幕末、琉球王国が滅びゆく時代に、国王の武術指南役を務めた松村宗棍。「手(ティー)」を学ぶ実在の武術家。強さとは何かを追い求め、琉球空手の礎を築いた男の生涯を描いた物語。「他人に勝つことなど、どうでもいい。自分の中に、絶対の強さを培え」・・・ 松村宗棍(そうこん)は13歳の頃、友だちをいじめる少年たちを打ち倒した。それによって高名な武術家・照屋に武の才を見出され、彼に弟子入りする。元服を迎えて首里王府の役人となるが、強さが評判を呼んで、国王に御前試合への参加を命じられる。思いがけず琉球屈指の強豪たちに挑むことになり・・・国王との交流、「最強」の妻との出会い、好敵手との決闘、猛牛との闘い、弟子の自害等々様々な出来事に直面しながら、彼は本当の強さを追い求めていく。東京五輪で空手の形で金メダルを取り一躍有名になった場面を思い浮かべながら一気読み。妻のチルーや親のことは書かれているが仕事と武術のことが中心の構成で個人的なことも知りたかった。
2021年6月集英社刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「任侠シネマ」

2021-08-18 | 今野敏
任侠シリーズ第5弾。義理人情に厚いヤクザの親分・阿岐本雄蔵のもとには、一風変わった経営再建の話が次々と舞い込んでくる。今度の舞台は、北千住にある古いミニシアター映画館。TVやネットに押されて客足が落ち、映画館を経営する千住興行の増原社長も閉館を覚悟している様子。その上、存続を願う「千住シネマ・ファンの会」へ嫌がらせをしている輩の存在まで浮上する始末。「永神のオジキは、映画館の話でいらしたんですか?」興味津々の若い衆に、阿岐本組代貸の日村は心の中で溜め息をつく。困った人をほっとけず、さらには文化事業が大好きな親分の性分、暴対法でヤクザも生きにくい世の中、マル暴の甘糟に監視されながら、阿岐本組の面々は、存続危機の映画館をどう立て直すのか・・・。今回は乗り込んでではなく会社を取り巻く状況に対応して立て直す展開で、今回も笑わせてもらいました。2020年5月中央公論新社刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「迎撃」

2021-06-14 | 今野敏
1994年9月実業之日本社刊「シンゲン」の改題作。内戦の続くサラエボを訪れた若きフリージャーナリスト・柴田邦久は、セルビア兵から英雄的傭兵である“シンゲン”という日本人の存在を知らされる。足取りを追いかけ、アフガニスタンからメキシコへ。メキシコの紛争地帯でサパティスタ民族解放軍に居た“シンゲン”にようやく出会った柴田は、取材を兼ねて危険を顧みず行動を共にする。戦いとは無縁の日本に生まれながら「生きるために戦う」と言い切る天才的傭兵シンゲン。やがてアフリカのルワンダに飛ぶこと・・・。設定も展開も奇抜で面白く一気読みでした。古武道・大東流合気柔術の使い手「シンゲン」のキャラがいい。
2010年7月徳間文庫刊 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「天を測る」

2021-05-21 | 今野敏
幕末~明治の数学者、海軍軍人にして財務官僚・小野友五郎。知られざる幕末の英雄の物語。安政7(1860)年、咸臨丸が浦賀港からサンフランシスコを目指して出航した。太平洋の長い航海では船室から一向に出てこようとしない艦長・勝海舟を尻目に、アメリカ人相手に互角の算術・測量術を披露。さらに、着港後、逗留中のアメリカでは、放埒な福沢諭吉を窘めながら、日本の行く末を静かに見据える。彼は帰国後の幕末の動乱の中で公儀、そして日本の取るべき正しい針路を測り、奔走する。読んでいてどこかでこんな人物がと、作者人気「隠蔽捜査」シリーズの竜崎氏とよく似てる。勝海舟・福沢諭吉・坂本龍馬・榎本武揚など有名人物の知れれざる一面が語られ面白かった。
「おしなべてこの世は足し算です。」(P72)「たりないものを補っていくことで、強くも大きくもなれます。」「己にないものを自覚し、他者のよさを認めて足し算をしていく。品格というのは、そうして育っていくものでしょう。引き算ばかりを考えている連中には、品格が備わることはありません」(P276)
2020年12月講談社刊

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「帝都争乱 サーベル警視庁2」

2021-05-16 | 今野敏
舞台は日露戦争勝利で沸く東京赤坂。明治38年8月30日、ポーツマス講和条約では、国民の期待に反してロシア側から賠償金を一銭も取れなかったという『時事新報』の号外で、莫大な戦費捻出の為に増税に喘いでいた国民は怒りを爆発それまでの戦勝の喜びが消え去り、世間に失望と怒りが広がっていった。警視庁第一部第一課・葦名警部と岩井・荒木・岡崎・久坂ら四人の巡査たちは、赤坂榎坂にある桂首相の妾宅(お鯉)の警備を担当。九月五日、「講和問題国民大会」が日比谷公園で開かれ日比谷焼打事件が勃発する。暴動が広がるなか、伯爵の孫で探偵の西小路が妾宅で死体を発見。葦名警部たちは「騒擾による死亡」として片付けようとする赤坂署に疑問を持ち捜査を始めるのだが・・・・。新撰組生き残り斎藤一(藤田五郎)が助太刀として登場するは前作通リでいい味を出している。フィクションと歴史上の出来事(ノンフィクション)と取り混ぜて登場人物たちの人間味を楽しませてくれた。
2020年9月角川春樹事務所刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「オフマイク」

2021-04-21 | 今野敏
「スクープ」「ヘッドライン」「クローズアップ」「アンカー」に続く報道番組の名物記者・布施と継続捜査担当の敏腕刑事・黒田の活躍するスクープシリーズ第5弾。二十年前に起こった大学生自殺と現役大物政治家の黒い人脈。二つを繋ぐ人物を追ううちに見えてきた意外な真実。黒田とペアを組んでいる若手刑事谷口の視点で展開される。イベントサークルと半グレに、今は成功したIT企業社長、人気の美人キャスターなどTVのニュース番組を支える面々、登場人物の描写と記者の布施と刑事の黒田の駆け引きなど馴染みのキャラの登場とちょっとご都合主義の展開に十分楽しめまたシリーズです。
2020年7月集英社刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「清明 隠蔽捜査8」

2020-10-20 | 今野敏
シリーズ第8作。竜崎は大森署署長から神奈川県警本部の刑事部長として異動になり、神奈川県警刑事部長に着任早々、県境で死体遺棄事件が発生、馴染みの警視庁の面々と再会するが、どこかやりにくさを感じる。さらに被害者は中国人と判明、公安と中国という巨大な壁が立ちはだかることに。一方、妻・冴子が自動車教習所で軽い事故を起こすという一報が入り・・・。今回も「隠し事はせず筋を通す」正義を信じ、妥協せずに自分の本文を押し通す姿勢は公安とのやり取り、警察OBとの軋轢にも発揮され痛快です。続編が待ち遠しい気持ちです。
2020年1月新潮社刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「焦 眉 警視庁強行犯係・樋口顕」

2020-06-02 | 今野敏
樋口顕シリーズ最新刊。東京都世田谷区の住宅街で投資ファンド会社社長の中年男性が刺殺され、捜査一課の樋口顕も現場に急行した。警視庁が特捜本部を設置すると、東京地検特捜部の検事・灰谷卓也が現れる。灰谷は野党の衆議院議員・秋葉康一を政治資金規正法違反容疑で内偵中だった。秋葉は殺された男性と大学時代から親しかったらしく、殺害現場付近の防犯カメラには秋葉の秘書亀田が映ってもいた。それらの事実だけを理由に灰谷は亀田秘書の身柄を拘束。樋口は証拠不充分を主張するも、灰谷は独断で逮捕に踏み切ってしまう。冤罪を作ろうとする地検特捜部と真犯人を追う警視庁特捜本部の競い合いを通じて、樋口の観方考え方生き様を描いて面白い。自己評価が低く、上司の顔色を窺い、部下を気遣い、家族も大切にする樋口。上司に対する忖度がテーマか。特捜本部の人間関係や政治家と検事、思春期の娘との関係など会話中心のこの著者の作品は読み易くいつもながら一気読みができる。
2020年4月幻冬舎刊
新型コロナの感染防止の為3ヶ月間閉鎖されていた市の図書館がやっと厳重な感染防止対策をして貸出のみ再開されて早速借りて来て一気読みした新刊書でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今野敏著「炎天夢 東京湾臨海署安積班」

2019-12-03 | 今野敏

強行犯係長安積剛志警部等が活躍するシリーズ。グラビアアイドル・立原彩花の死体が江東マリーナで発見され、近くのプレジャーボートで被害者のものと思われるサンダルが見つかった。船の持ち主は、立原が愛人との噂がある芸能界の実力者、プロダクションサミットの柳井武春だという・・・。

芸能界の闇に、安積班メンバーがそれぞれの持ち味を出して事件の解決に立ち向かう。

お馴染みのメンバーの活躍、ぶれない安積など心理描写を面白い。意外性がないのが難点か。

20196月角川春樹事務所刊

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする