メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1997.7~ part3)

2013-09-22 10:51:52 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『すべてをあなたに』(1996)

監督・出演:トム・ハンクス 出演:トム・エヴェレット ほか
お笑いも、ヒューマンドラマも経て、人を楽しませるツボを充分心得てるエンターテナー、
T.ハンクスの包容力あるあったかな人柄を感じさせる作品。
純粋に若者の夢を描いているのがイイ。懐かしく輝いていた'60の空気が隅々まで漂って、あのビートルズ・マジックが再現された様。
「気分がスカッとする映画にしたかった」とメイキングでハンクスが言う通りのすがすがしい後味。
監督・脚本・作詞作曲までできるなんて本当マルチタレント! 終始流れてるテーマ曲も全然飽きない
チャキチャキしてて面倒見のいい黒人ホテルボーイがイイ。
人生、有名になるばかりが幸せじゃないってことかな。
こうしてみるとビートルズがいかに優れたバンドだったか逆に改めてスゴさが分かる。


『ジャック』(1996)

監督:フランシス・フォード・コッポラ 出演:ロビン・ウィリアムズ、ダイアン・レイン ほか
次から次へと新鮮な驚きと感動で観客を楽しませてくれるロビンが今回挑んだのは10歳の少年役。
J.ショート版は見た目からモロそのままいけてフザけた可笑しさがあったけど、
ロビンは元々性格が子どもっぽいところはあっても、思春期の微妙な年頃を演じるのは難しかっただろう。
未来は未知で限りないと思っている歳に、数年で老人になってしまう運命を背負った複雑な心境が切ないと同時に、
限られているからこそ毎日を大切に、夢を持って、人生を大事に生きようってことが伝わる。

「流れ星はすぐ消えちゃうけど、空を輝いて飛ぶ姿は美しい
「僕はフツーの星がいい」
「君は輝いてるんだ」

「悩んだら僕を見ろ。みんな時間は限られてる。でも輝き続けるんだ」

心の中は青年で、見た目は老人。ロビンの演技力が試される困難な役所。
家庭教師役にビル・コズヒー、母親役にダイアン・レイン、名子役たちに囲まれて駆け回るロビンの巨体がいかにもアンバランス。
でも本当はわたしたちも見た目ばかり大人になって、コントロールするのに戸惑っている、
心の中はまだ子どもなのかもしれない。それでいいんだ。


『恋はデジャ・ブ』(1993)

監督:ハロルドライミス・ 出演:ビル・マーレイ ほか
社員さんオススメ。軽いコメディと思って、それほど期待してなかったけど、そゆのに限ってすごくよかったりする。
コメディに哲学、ヒューマンドラマ、ロマンス、涙もありのマーレー出演作ベストの1本。

「もし今日が毎日続いたら・・・?」
怖くもあり、楽しくもあり、自由で、束縛されてて、とにかく今日、この瞬間が幸せかどうかは
自分の考え方ひとつだという大切なことが分かった。

「冬は二度と終わらない」から「冬が続いても寒くない。この町の人々といるかぎり」に心を入れ替えるまで。
これは神か自然の与えた試練だったのか?
人は明日があるから自由な心を抑え、冒険を控える。でも明日があるのを疑わないから向上しようと努め、夢を抱く。

Tomorrow is the another day.

何が起こるか私たちは知らないから。


『暗黒の森』(1970)

監督:ベルナルド・ベルトルッチ 出演:ジャン・ルイ・トランティニアンドミニク・サンダ ほか
ドミニクが若干18歳の時の初期出演作。射るような挑戦的な瞳とユニセックスでいて女らしいスタイル、
ベルトルッチとは『1900』でも共に仕事をしている。
重厚な映像、難解な展開、イタリア、パリを舞台に『ゴッドファーザー』みたいな風格が伝わる。

「ホモや、ユダヤ人、根性のない奴は生まれる前に殺すべきだ」

イタリアの歴史が常にテーマになっている今作は、背景が飲み込みにくいが、
邦題の強調する暗殺が行われる森の静かな自然の美しさと、人の悪の醜さの対象が印象的。


『101』(1996)
監督:スティーヴン・ヘレク 出演:グレン・クロース ほか
まずビックリなのがビデオカセットまで白地に黒のスポティングのダルメシアン柄なこと!
公開当時は街中が(噂によると地下鉄まで)ダルメシアン一色にしたとか、
撮影にはどんどん成長していっちゃう子犬を取り替えるのに何百匹も必要だったとか、話題は尽きない。
ワンワンのセリフだけでここまで見せてくれる犬と動物たちの演技がイイ。
有名女優ながらここまでブッちぎれてくれるクロースの怪演がまさに「スゴイ悪役ぶり」
糖蜜や糞まみれになった姿は強烈でスタントなし。

ラストに流れるテーマ曲でまたまたビックリ。Dr.Johnおじさんのノリノリのピアノで
ジャズ風ディズニーの曲を書くとは本人もビックリだろうね
これを見たらまずダルメシアンの子犬が欲しくなる、毛皮を買うのに抵抗を感じる(ならいいけど
ステーキを食べる時も思い出しちゃうかも
一時のブームで飼って、結局捨てる人など出てこなきゃいーけど
朝起こしてくれたり、コーヒーをいれたりしてくれるなんて行き届いた犬はめったにいないけどね。


『太陽と月に背いて』(1995)

監督:アニエスカ・ホランド 出演:レオナルド・デカプリオ、ロマーヌ・ボーランジェ ほか
これでもうデカプリオの演技力の確かさを疑うことはできない。
現代劇だろうが、クラシックだろうが、子どもから大人もいとわない優れた現代の男優は、
とくにゲイ役もこなせないとダメみたい。
ランボーって名だけ知ってたけど、こんな激しい人生を送ったのか。
詩人は過激で破滅型が多いけど、機会があれば読みたい。

彼は「肉体の愛ほど忠実だ」というけど、彼らの間にはしっかり魂の結びつきが見えてくる。
詩は個人の感情の発散、そして読む側の心を豊かにするが「世界は変えられない」
それは半分真実で半分ウソ。心の底を変える力が言葉には潜んでいる。

「本当の太陽が見たいんだ
解放のため? 癒しのため? ランボーにとっての太陽とは?


『ダーク・スカイ 1』(1996)

出演:エリック・クローズ、ミーガン・ウォード ほか

【プロローグ:MJ 12 The Awakening】
これは矢追純一だけじゃなく、Xファイラーなら絶対ハマる
話題は聞いてたけど、もうビデオ8巻まで出てたのね。
主演の2人は、はたしてモルダー&スカリーコンビを越えられるか
モルダーも最初はこんな手探りで怖く不安な日々もあったんだろうね。後々FBIの1匹狼になったけど。
これだけリアルなSFが続出したら、もう米政府が「実は・・・」て明かしても誰も驚かないんじゃない?
それにしてもアメリカ人の政府に対する不信感は相当根深く、強いんだね。

最初の仕事は地方農園に現れた巨大ミステリーサークルの調査。
ここまで構成されると「実話かも・・・」て気がしちゃう。
さてこれからJはMJに、キムはホワイトハウスに戻れずどうやって真実を暴いていくか見所。


『ある貴婦人の肖像』(1997)
監督:ジェーン・カンピオン 出演:ニコール・キッドマン、ジョン・マルコヴィッチ、バーバラ・ハーシー ほか
とっても拡張高い雰囲気は漂ってるんだけど、『人形の家』路線のお堅い小説が原作なのかも。結局、彼女はどうしたの?

「キスする前の瞬間が好き」と踊る太めの現代女性。違うビデオかと思った。
いろいろ考えがあるんだろうけど、あちこちに分散したり、ひとつに強調したり・・・。

「籠の鳥になるのかい?」「もし私がその籠が好きならね」

固い枝ほど折れやすいってことかな。でも不幸な結婚生活。
彼が金目当ての利己主義みえみえなのははじめからなのに、目の前にあって見えないのは愛のマジック!
ここまで引き延ばして、ヤラれたと思うラスト。小説ならもっと展開が飲み込めたかも。
とにかく今回はニコールが中世劇で頑張ったこと、古風な感じも不自然なく、ひたすら不幸な女に徹しているのが印象的。
突然ドレスの衣擦れのスローモーションとか入って意味不明なんだけど、そっか、カンピオンなら納得。


『堕落天使(天使の涙)』(1995)

監督:ウォン・カーウェイ 出演:レオン・ライ、金城武 ほか
超人気監督カーウェイの『恋する惑星』に続くヒット作。
最新作『ブエノスアイレス』も公開前から前売り、試写会が超満員になる等の話題。
香港の移りゆく姿を透明に描いて、ドロドロした人間関係、殺人シーンにも関わらず後味はいつもスッキリ。
ノスタルジックでさえある集団劇で他人同士がなんらかの形で出会う様が面白い。
前作の殺し屋のモチーフを拡大させた物語りらしい。

もう一方の話は、金城武が聾唖の変わった青年役で、夜、他人の店を開けては無理矢理客にサービスして金を儲けている。
言ってもいないのに髪を洗ったり、死ぬほどアイスを食べさせたり

「父といた時、僕は子どもで、今は大人だ。ずっと子どもでいたかった」

彼と失恋したての大阪系の女みたいな娘の初恋のくだりも面白い。
急に金髪になったり、失恋した途端、金髪がなくなったり。

「人の気持ちには期限があるそうだが、僕のほうが先に期限切れを迎えてしまった」w


『HATARI!』(1962)
監督:ハワード・ホークス 出演:ジョン・ウェイン、ハーディ・クルーガー ほか
友だちオススメ西部劇。ジョン・ウェインファンなんだって。わたしは実はジョン・ウェイン作品はこれが初めて。
私は西部劇は苦手だけど、今作は軽いコメディタッチ&ロマンス、東アフリカを舞台としたハンターの物語り。
今じゃ動物保護団体でなくても動物狩りの映画は流行らないよね。
当時はとにかくエキサイティングな要素だったのかも。野生動物が必死で走ったり、本気で車を角で突くシーンは貴重か?
CGじゃないからスタッフも本当に危険だし。カッコつけるだけじゃないお茶目なウェインも見所。

ダラスとかみんな名前が分かりやすくて派手だねえ。イタリア系で訛りがキツイ。
とっても健気で可愛い子象らが今作の主役みたい。鼻のいい子象らを放すと、たちまち見つけて追いかけてくる。
ここまで慣れてるのは撮影中もずっと世話していたんじゃないかしら?
タイトルのハタリとは「危ない!」て意味かな。動物園の動物たちってこうやって連れてこられるのね
ほとんど密猟。それをコメディにしたら、ちょっと単純に笑えない。


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