メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1997.7~ part2)

2013-09-22 10:51:53 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『さまよう魂たち』(1996)

監督:ピーター・ジャクソン 出演:マイケル・J.フォックス、トリーニ・アルヴァラード ほか
世界中のマイケルファン待望の軽快な主演作。しかし相変わらず体の動きが軽い!
館中を駆け回るシーンだけでも絵になる動き。「永遠の少年」て言ったら怒るかな。全然歳とらないもの!

ゴースト映画も今やメジャーとなって、どんどんイメージがふくらむリアルな描写。
違和感全くない生きた人間とのからみが目玉。『大霊界』『ゴースト』の知識が役立つ。
どんな役でもスッキリさわやかなマイケル。スーツよりTシャツ、パーカー、革靴よりスニーカーなんだよね。
魂の世界でも銃の殺しがあるのは悲しい。墓番人やら成仏しない方にも役割があるんだ。
骨のズレちゃってる老判事ユーレイは味がある。これメイク?


『ミセス・パーカー』(1994)
監督:アラン・ルドルフ 出演:ジェニファー・ジェイソン・リー ほか
若手実力派女優リーが今回演じたのは、毒をもち、飲んだくれ風な喋りで皮肉を言いつつ、ほだされやすく
いつも孤独と生きる苦しみ、不安を抱えている女性詩人。
むせかえるタバコの煙とあらゆる酒が秘密に運ばれた禁酒法の時代と、モノクロで描かれる晩年の淋しい日々。
アンドリュー・マッカーシー、マシュー・ブロデリックほか若手実力派の間で
やはりキャンベル・スコットが微妙な愛情関係で難しい役所を押さえている。

中島みゆきのどっぷり節にハマった気分。つくづく人生って過酷で長いものだって思わされる。
彼女の人生に幸福だと思える時期があったとしたら、チャーリーとの恋愛時期だけ?
こーゆー自堕落っぽくてキッチュ、コケティッシュさがリーの魅力。
小柄な体から発する存在力、演技力は素晴らしく、1人の女性をどっしり見せてくれる。


『ジョージア』(1996)
監督:ウール・グロスバード 出演:ジェニファー・ジェイソン・リー ほか
こちらのリーはガラリと変わって堕落した生活に純粋な心を持つパンクロッカー。
オーティスの♪FA FA FA 、ルー・リードの♪Walk on the Wildside を子守唄に歌ったり(こりゃヤバイ)、
昔の使い方がイカしてるけど、♪The Piano's drinking, not me ていうラストのT.ウェイツの酔いどれ歌唱と違って、
本職が女優のリーの歌は、演技か地かちょっと頂けない。V.モリソンの歌を歌う長い盛り上がりのシーンも聴くのが辛い。
「書かないわ。just made them up」ってセリフやファンと同棲したり、雰囲気はジャニス風。
愛を求めて自分を痛めつけていく様子がとても痛々しい。

感情も情熱もなく歌う姉のほうが売れて、苦しみをストレートに叫べる妹には声の技量がないってのは皮肉。
ドラッグの深刻さも同時に克明に描かれているのがポイント。
♪hard times no more ってあの歌はこのために作ったの? 誰かのなんだっけ?
姉役の女優はどこかで見た気がするけど、すごくうまいキレイな声は本物?
セイディの歌う♪Almost Blue もイイ曲だけど、ささやき声が小さい。


『シャイン』(1997)

監督:スコット・ヒックス 出演:ジェフリー・ラッシュ ほか
久々に感動で泣ける、心が洗われる作品。天才は平凡な環境からは産まれないんだな。
W.アレンみたいな早口で繰り返す喋り方はスゴイ。支離滅裂のようで実はドキッとする的を得ている。
その風貌から想像つかないピアノの音。全身が音と化す情熱と“輝き”が画面を通して伝わる。
難しい子役も素晴らしく自然。

「音楽は裏切らない。他は全てお前を裏切る。人生は厳しいが生き残らねば」
「父はもういないが、僕は生きてる。そして人生は続く、そうだろ?」

父の人生観も真だけど、人生それほど悪かないのも真。勝ち負けは重要じゃない。原作も興味深い。


『ファーゴ』(1996)

監督:ジョエル・コーエン 出演:フランシス・マクドーマンド ほか
お手軽な殺人もの、ロマンス、アクション、スピード、銃一点張りのアメリカ映画スタイルを打ち破ったこの叙情性、
血生臭くて人情的、ラストはしっかり悪の贖罪、人生の重さを考えさせる作品。
どこまでも真っ白に罪も血も清めて隠す「雪」という大自然を舞台にしてるのがポイント。

町の名だけで絵になるってイイね。日本の町の名じゃほんとカッコつかないもの。
「人間はおかしくて悲しい」ってキャッチも大成功。

やはりオスカーとっただけある、妊婦で頭のキレる人情味あふれる女性警官の存在が大きい。
田舎町のゆったりした時間、訛り、ちょっとおかしな間とかが上手い。
犯人の特徴を皆「ヘンな顔だった」しか覚えていないのが笑える。

「私には理解できない。はした金のために人生を棒に振るなんて。人生にはもっと大切な意味があるはずよ、分からない?」
と説く言葉が重く響く。
この気の弱い運のない男には同情すらしてしまう。
ゴロツキはあまりに多くの証拠を垂れ流していった上に、皆嘘がヘタなんだ。
真夏真っ盛りにしみわたる冬の冷たく透明な空気が印象的。戸田奈津子さん訳。


『痩せゆく男』(1996)
原作:スティーヴン・キング 監督:トム・ホランド 出演:ロバート・ジョン・バーク ほか
書けば書くほど次々映画化されてヒットするS.キングの最新作は、呪いをかけられてどんどん痩せてゆく男の物語。
そのメイクやガツガツ無制限に食べる獣じみた姿の恐怖もあるけど、
それより自分の罪を認めず妻を陥れ、ジプシーを逆に呪う男の深みにハマる心の醜さのほうがよっぽど怖い。
でも、なぜキング作品には妻を殺す話が多いのか?
しめた!てギラギラ輝く眼が妙に怖い。コンビニ店主でキングも出演w


『猫が行方不明』(1995)
監督:セドリック・クラビッシュ 出演:ギャランス・クラヴェル ほか
観てから何日も経ってるのにすっかりメモとるのを忘れてた。
猫探しを通してパリの日常が気負いなく描かれているのはほのぼのムードでイイ。
アクションもなく、激しいラヴロマンスもないけど、ちょっと自信なさ気な女の子がフツーで共感もてちゃう。
こうしてなんてことない日常は過ぎてゆく。例の兄ちゃんの「人生なんて不公平なんだ」ってつぶやきが悲しい。


『ケロッグ博士』(1994)
監督:アラン・パーカー 出演:アンソニー・ホプキンス、ブリジット・フォンダ ほか
友だちのオススメ作品。健康食品にダンベル体操ほか多種多様な健康グッズブームをあざわらうコメディ。
マシュー・ブロデリックほか豪華キャストがブッちぎれてる中で、ジョン・キューザックがいまいちハジケてないのが気になる。
友だちの証言による「緑のおばさん」なる肌の色が緑になる病は実在するとか!『バロン』の名優も出てる。
ホテルの最高級ステーキのほうが馬糞よりウジが多いとか、菜食で育てたオオカミは、
肉食より小鳥のように大人しくなるとかウソっぽいけど、「本当かな?」と思わず考えさせられる論理の数々。


『フェノミナン』(1996)
監督:ジョン・タートルトーブ 出演:ジョン・トラヴォルタ、カイラ・セジウィック、ロバート・デュヴァル ほか
こちらも友だちおすすめビデオ。今やあちこち引っ張りだこのトラヴォルタ。熟年の魅力も出てこんなゆったりムードの作品もイイ。
K.セジウィックや、まだまだ元気なR.デュヴァルも脇を固める。
煮詰まって追い込まれた時に映る木々が風に揺れるゆったりしたシーンが印象的。

「みんな同じエネルギーで動いている」

結局エイリアンの仕業か脳腫瘍のせいか、どのみちヒトの脳にはまだまだ未開発の能力が眠っているというからね。
ラストには作品にぴったりなヒーリング感覚のテーマ曲を駅の構内のベンチで弾き語るE.クラプトンのサントラ・クリップあり。


『くちづけはタンゴの後で』(1996)

監督:リチャード・ベンジャミン 出演:シャーリー・マクレーン、リッキー・レイク ほか
勘違いコメディ系に外れナシ。女性の母性本能ってスゴイな。子どものためなら何でもできちゃう勇気と自信が持てちゃうなんて。
いってみりゃ安易な玉の輿。跡継ぎ大事さミエミエだけど、正直で哀れな妊婦役R.レイクと、
リッチなのにスノッブじゃなく、サバけた義母役マクレーンの好演で、つい頑張れ!て思わせる。
1人2役の息子役の男優も要チェック。こんなリッチでお人好しの家族どっかにいないかしら?
アメリカ映画らしく、イイ人、悪い人がハッキリしてる。
マクレーンが♪Sunnyside of the street を熱唱するシーンは全然歳を感じさせない変わらぬ声、スタイルも美しいまま。
あんな風に魅力を保ち続けられるのは、やっぱり精神力かな?


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