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映画『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』(ネタバレ注意@シアター・イメージフォーラム(2016.9.21)

2016-09-22 12:55:33 | 映画
映画『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』(ネタバレ注意シアター・イメージフォーラム(2016.9.21)
上映日程: 9月10日~終了未定
2015年/アメリカ/108分/配給:ザジフィルムズ

監督:エイミー・バーグ
出演:サム・アンドリュー、ピーター・アルビン、デイブ・ゲッツ、クリス・クリストファーソン、カントリー・ジョー・マクドナルド ほか


9.10から封切りされて、ずっと観たかった今作
ツイッタのほうも連日「感動した」などのつぶやきが流れてたけど、
ネタバレを観ちゃうかもしれないから、フォローしつつもほとんどスルーしてた

連休中はかなりの混雑だったみたいだから、平日12:30~の回に観た
幸い、今日は珍しく1日曇りで雨はなし 少し暑い日差しも当たるような天気v

シアター・イメージフォーラムは(たぶん)初めて
「渋谷駅から徒歩8分」のところをまた迷った、迷った
宮益坂のほうは、ほとんど来ないからなあ、、、って渋谷はどこも私にとっては迷路
なんでもかんでも渋谷でやるの、ほんとやめて欲しい/切願

 

入り口が狭いせいもあるけど、もう人がけっこーいた 50代くらいの男女が多かったような
1Fでは、桃井かおりさんの『「火」Hee』を上映
プレミアムトーク 桃井かおり@あさイチ
ジャニスは地下1Fで、チケットを買った整理番号順 私は28番だったけど、右側通路側のいい席がとれたv
後ろのスペースにパイプイスみたいな増席をしてあったけど、客席は前半分くらい空いてた

上映前までジャニスがカバーした原曲が流れていた
このアルバムはテープで持っていたのに、図書館にないんだよなあ



【内容抜粋メモ(ネタバレ注意】

今朝、ウチのポストに珍しく母からの手紙が入ってて、
いつもの通り、日常を話しつつの“一人は寂しい”アピールと、
私を心配しつつの“早く治しなさい”という命令口調のプレッシャーで、すっかり滅入ったことと
“私を認めて!”という叫びに似たジャニスの母への手紙がちゃっかりリンクした
だから今日だったのか・・・


  
この伝記、買って読んだのに、どのノートにもメモがないのはなぜ???

長いはずの108分の中身は、とても濃密で、伝記映画は字幕を読むのに追いつかずに疲れるけれども、
合間、合間にジャニスの大迫力の歌声と映像が挟まれて、その都度書いていた手紙の朗読も相まって
息をするのも忘れて見入った

これまでの伝記で知ったエピソード、写真、ビデオなどで観た映像がほとんどだったけど、
とても貴重だったのは、『ウッドストック』のステージ映像

1日目は、いろんなマネージャー側の策略によって撮影されず、それを聞いたジャニスが激怒して(pissed off)
特別に2日目も出演して撮影された

進行者「1日目にとても評判がよかったバンドにもう一度出てもらいましょう。ビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニー」
紹介されるやいなや大観衆の大歓声!! それに応えたジャニスの渾身のアクトが沁みたあ!

Work Me, Lord のシャウトも凄まじい

「どうしてブルースを歌うんですか?」
「感情を表現できるから。人と会ったりするのも楽しいけど、ブルースを歌っている時は、本物の感情を表現することができる」(概略




経歴(妹、弟、バンドメンバ、当時、周囲にいた人々のインタビュー

テキサスでは、他の女の子と同じように雑誌の表紙のような女性になることに憧れていたけれども、
ニキビとか、容姿へのコンプレックスで、そういった夢は諦めた

絵を描いて自己表現したり、トラブルを起こしたりすることで
周囲(主に両親)の関心が引けると気づいてからはトラブルメーカーになった(妹談

学校でもイジメられていた 高校で学校一の「ブ男コンテスト」というのがあったが、それにジャニスが選ばれた
彼女はいつも気にしていないように強がっていたけど、傷つかないはずがない そういう傷はずっと癒えないものだ

町を出て、海に行った時、オデッタのレコードを聴いて、ソックリに歌っている彼女にみんなビックリした

いつも野郎たちとつるみ、「今日はどこ行く?」なんて声をかけてきた 当時はそんな女はいなかった
酒場で男にケンカをふっかけたりして、俺たちは関係ないふりをしていたよ

ほかにもベッシー・スミスに心酔して、その生き方まで真似ようとしたり、
ディランにも会って「あなたみたいなスターになりたい」「誰でもみんなスターになれるよ」なんてやりとりもあった/驚

ビッグ・ブラザーがシンガーを探していると聞いて、ジャニスがいるじゃないかと推した
映画に出ているサム・アンドリューは去年亡くなってしまったのか/驚




スターダムへの道
「モンタレーフェス」→「ウッドストック」→「フェスティバル・エクスプレス」
グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアが「初めて見た時から惚れてたんだよ!」とゆってるシーンも使われていた

「あれは、彼がジャニスの才能をきちんと見極めていたからだ」と誰かが解釈してた

驚いたのは、♪Move Over を披露した番組の司会者がインタビューに出ていたこと
しかも、「彼女と親密な関係にあったかどうかは秘密だよ」なんてゆって



番組中「座って見ている観客の前で歌うのは違和感を感じるって記事に書いてありますよ」

「客がのれば、バンドのプレイものる 踊ったり、楽しんでほしいの」





10年ぶりに同窓会で帰郷
そのテレビ番組で「10年ぶりに同窓会があるのよ! あなたも来る?
「いや、僕は君の同級生に知り合いはいないからね」
「私もよ」

その同窓会では、ジャニスは完全に浮いていて、全員が無視状態だったそう
カメラマンたちだけが、1人だけ羽などをつけて派手な格好をしたジャニスに群がってインタビューし
その一問一答が、何度見ても痛々しすぎてツラい

どのインタビューでもジャニスは“自分にも、相手にもウソ(bullshit)をつかず”
フランクに、正直に答えていることが、映像の端々から伝わる

手紙にも書いている
「名声などはどうでもいい」「プレッシャーと闘うのは容易じゃない」「世界征服なんてムリよ」

「彼女はジャニスを演じるようになり追い詰められていった」




早すぎる死へのカウントダウン
時々、電車が走る線路のシーンが入る
なんだか、どんどんスピードをあげて人生を走りきるイメージのように思えた

次々と商業的な音楽界のシステムに巻き込まれ、バンドメンバが代わり、プレッシャーはふくらみ、
とドラッグの量も増えていく

世界を放浪していた男性と知り合い、本物の愛を見つける
「ジャニスだとは分からなかった ビキニを着ていたんだ」(この写真キレイだった!



「ロードマネージャーを依頼されたが、しばらく止めていたヘロインを再び始めたことが耐えられずに断った」

「ジャニスは、彼にまだ未練があったのかもしれない その後しばらくはドラッグをやらなかった」

彼に宛てた手紙にも「4ヶ月もドラッグに手を出していないわ」と書いている


けれども、ある日、「ジャニスが来ない」と連絡があり、ホテルに行ったロードマネージャーは
「人の気配がしなかった ベッドの横で彼女が倒れているのを見つけた」


死後に発売された『パール』
Me and Bobby McGee を完全に自分の歌のように歌う様子を撮影した映像を見て録音
作者クリス・クリストファーソンが聴いたのは、ジャニスの死後だった

C「とても光栄に思うよ」

「彼女は、苦しんでいる人間をそのままにはできなかった 自分も苦しんだから分かるんだ
 共感し、寄り添う だからブルースを愛した」


「ずっとトップでいることは辛い それには常に代償(price to pay)がともなうものだ」


エンドロールで、ジャニスについてジョンとヨーコもインタビューを受けていた映像にはビックリ!

司会者「ドラッグの蔓延についてはどう思いますか?」

ジョン「閉塞的な世の中における生きづらさの中で、自己実現するための道具になってしまっている」(概略

2人とも、似た体験を経ただけに重みのある言葉。
うつむき加減に答えるジョンと、いつも真っ直ぐ前を見て、ジョンの発言を肯定するヨーコの姿が目に残る



それでも、これらはすべて周囲が彼女の死後に語っていること
本当のことは、本人しか知らない
“短い”27年間で、彼女は自分のすべてを出し切り、楽しみ尽くしたかもしれないし

でも、こうして通して見ると、酒やドラッグに逃げていた頃の肌の荒れようと、
シラフに戻った時の、健康的で、セクシーな脚、胸、自由に動く髪etc...の美しさの違いは歴然
改めて27歳が若い死だったと痛感する

70年代のフラワーチルドレンのファッションも好きだなあ!
サイケデリックで、カラフルで、ルーズで、形も自由
ボランも可愛い衣装を着ていた

カメラを向けられると、どんな時もニッコリしてみせる、彼女の優しさ、ユーモアも伝わる

ラストに流れる、本作のタイトルにもなっている♪Little Girl Blue ではみんな泣きそうになる




劇中使用楽曲が書いてあるけど、こんなに流れたかなあ?
インタビューや映像やらに集中しなくちゃならなくて、BGMとして流れていたものは耳に入らなかったのかも

サントラももう発売されているのかあ!
『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』





その他の映画も気になるものがたくさんあった そのうちinstagramにもアップします



 

『ハート・オブ・ドッグ』
可愛いわんこ映画かと思いきや、なんと、ルー・リードの奥さんが思い出を綴ったストーリー/驚
 

 

『MR.DYNAMITE』
  

 
これがハマケンの激推ししていたやつか DVDになったかな?


追。
宮益坂では神輿をかついでピーヒャラと練り歩いていたけど、何のお祭りだったんだろう?




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