メランコリア

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怪盗ルパン全集 15 魔女とルパン ルブラン/原作 ポプラ社

2022-12-25 12:06:46 | 
1961年初版 1991年 第52刷 南洋一郎/訳 牧秀人/カバー絵 柳瀬茂/挿絵

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【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください


以前読んだ「ルパン最後の冒険」にも深く関係するカリオストロ伯爵夫人との対決
『奇巌城』にも関係する謎解きも関わる

これがルパンの最初の冒険で、20歳でもうクラリスと結婚するってビックリ
クラリスは出産で亡くなり、息子は行方不明になったのに
他の作品で快活に活躍している話と食い違わないか?てことがひっかかる


【内容抜粋メモ】

<登場人物>
アルセーヌ・ルパン 怪盗紳士
ゴドフロア・デチーグ男爵
クラリス 娘
オスカール 男爵のいとこ
ボーマニヤン

カリオストロ伯爵夫人 “地獄からきた魔女”と呼ばれる女賊 ジョセフィーヌ・バルサモ
レオナール 馬車の御者
ドミニック

ブリジット・ルースラン







■七本枝の燭台
ルパンはゴドフロア・デチーグ男爵と知り合い
屋敷に出入りするうちに謎の人物が気になり

裏門から侵入してツタにつかまり、窓から覗くと
いとこのオスカール、謎のボーマニヤンで
カリオストロ伯爵夫人を殺す計画を立てているのを知り助けようと思う





カリオストロ伯爵夫人はボーマニヤンの仲間を殺し
ボーマニヤンも毒殺しようとした

マリー・アントワネットの鏡の裏面に書かれた文字は宝をしめす暗号

幸運の女神の印
ボヘミア王の墓石 『三十棺桶島』
フランスの王たちの富 『奇巌城』
七本枝の燭台

カリオストロ伯爵夫人が手足を縛られ、ボートとともに沈む前に助けて
ラウール・ダンドレジーと名乗る(この名前は前も使ってたな

足をくじいた夫人を背負い、盗品の隠し場所に寝かせる
宝のありかを聞くつもりが翌朝は消えている

本名はジョセフィーヌ・バルサモ?



■9本目の柱
男爵らの後を尾けてジェップの古いシャトーへ行く
大勢の男たちが金物を探すために雇われている

ルパンは漁師に扮して、男爵らを地下室に閉じ込め
12本の柱のうち、9本目に穴を開けて1本の燭台を見つける






ジョセフィーヌはルパンの逃亡を助ける
燭台には血のように赤い宝石が埋め込まれていた






農家のバッサールばあさんはジョセフィーヌを追って警察が来ていると教える
ペルグリニという指名手配中の女賊を探している それも偽名
ルパンは夫人のドレスを着て逃げて警官をまく

夫人はルパンが6歳の時に盗んだアントワネットの首飾りの事件を知っている
2人は夫人の豪華なヨットで一緒に暮らしながら宝さがしをする



■女優ルースラン
男爵一味は劇場で女優ブリジット・ルースランを見る
彼女が頭に巻いているバンドには7つの宝石がついている

ルースランがクセ者に首を絞められているのを助けるルパン
クセ者はせむしの御者レオナール






ルパン:君は人を使って人を殺す、地獄からきた魔女だ

キツネとタヌキの化かし合いが始まる



■1万個の宝石
ジョセフィーヌは仕方なく宝にまつわる話を明かす

昔、ルーアンのボンヌショーズ枢機卿がギュールのシャトーに泊まった
その時の城主はオーブ男爵という老人

オーブはフランス大革命の時まだ12歳
囚人の1人が死刑になる前に話した







彼は元カトリックの司祭
7つの教会に寄付された大金を宝石にかえて隠した
目印は大きな花崗岩

司祭:
ギュール村の教会のミサに参列し
黒衣の男に暗号を告げれば花崗岩まで連れていくだろう

オーブは大人になり、ミサに行ったが黒衣の男は現れず50年経った
その後、普仏戦争が起きて、宝石はツゲの小箱につめて
召使ジョベールが馬車で運んだが囚われて射殺された

岩の暗号は小箱の底に刻まれている

枢機卿の死後、蔵書が競売に出され、それを買ったのがボーマニヤン
宝石を見つけようとして金に困った12人の貴族を使って探した

囚人の名はニコラ フェカンの修道院の会計係

ルースランは実家にあった小箱から宝石を見つけた
楽屋に男爵らが来て、大金を出すというからバンドを譲る約束をした






■7つの修道院
7本枝の燭台には指輪と同じ色の宝石がはめこまれていた
ルパンはボーマニヤンをカリオストロ伯爵夫人殺害犯として警察に出すと脅して
指輪に刻まれていた文字を教えてもらうと7つの修道院の名前だった







ジョセフィーヌはルパンに毒を盛り、部屋に閉じ込める
気がつくと、ノンシャラント号の船室にいた



■秘密の小箱
ジョセフィーヌは部下を使って、ルースランの母を洞窟に監禁
2本の指を潰すほどの拷問をして、小箱のありかを聞き出す





ルパンは老母を助けて、ジョセフィーヌと縁を切ると宣言する

老母は恩のある人物に小箱をあげた
その待ち合わせ場所に行くと、ボーマニヤンに捕まる
ボーマニヤンはジョセフィーヌの部下に縛られる

老母の恩人とは男爵の娘クラリス
カリオストロ伯爵夫人はクラリスに父の犯罪を話す

ジョベールを殺して馬車と宝石を奪ったのは男爵とオスカール
ルースランは口止め料に7つの宝石と小箱をもらい、その後死亡

クラリスは知らずに小箱をもらい、父に渡した
そこに書かれていたのはラテン語で
「昔、女王が石にむかって走った」という謎の言葉








■星座の秘密
それは夫人が20年も前から知っていたが解けない謎
ルパンは自分とクラリスを解放したら謎を解くと約束

頭の文字を集めればアルコアとなる
意味は「試す」 北斗七星の大熊座の1つ





今度の事件にはたくさんの7が関係している
北斗七星も7 アルコアは目のいい人にだけ見える星

7つの修道院の場所を北斗七星になぞらえる
アルコアにあたるのはジュミエージュ村






シャルル7世の愛人で「女王」のようにふるまった
アグネス・ソレルの屋敷の近くと解読する

カリオストロ伯爵夫人はルパンを棍棒で殴って先に向かう
クラリスは夜中に戻り、ルパンとボーマニヤンを救う







自転車(!)を飛ばして馬車に追いつくが
ロープの罠にひっかかりw、自転車を潰され
死に物狂いで走って追う!

途中出会った司祭から岩の場所を聞いて、近道をするが
夫人がダイナマイトで爆破して盗んだ後だった



■ベール・リュイザン号の爆沈
ボーマニヤンはショックと失意で自死

船が爆発して沈み、カリオストロ伯爵夫人と部下は溺死したというニュースが流れるが
本当は1万個の宝石をロンドンの銀行の金庫に預けて2人は逃亡

夫人はルパン憎さに、ドミニックに暗殺命令を下す
ナイフで刺されたと思っていたルパンの亡霊が現れる

ルパンはドミニックを味方につけていたと明かす
船に忍び込み、宝石を入れたスーツケースに穴を開けて
釘や大豆を詰めたと笑う

その後、フランス各地の養老院、孤児院などに
全部で1万個の宝石が配られ
「宝石はもともとフランス国民のものである」という無名の投書がある




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