メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

少年少女世界推理文学全集 No.14 あかつきの怪人 チャータリス著 あかね書房

2023-05-01 17:37:31 | 
1985年初版 福島正実/訳 灘本唯人/絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください

これもハードボイルド
推理もなにもずっとアクション映画みたいなゴリ押しぶり

サイモンと警部は、ルパンと銭形警部
パトリシアは不二子みたいな活躍をする

チャンドラーの「暗黒街捜査官」との2作
ハードボイルドて本格推理小説とは違うジャンルな気がするなあ


【内容抜粋メモ】

あかつきの怪人
高速道路を愛車イロンデルで走っている聖者ことサイモン・テンプラー
拳銃の名手で、イギリス中の悪者から怖れられている謎の男
ロンドン警視庁の頭痛の種

コーンウォールからロンドンまで不眠不休で運転していたため
居眠り運転して、道路に停めて寝ていると
悲鳴を上げて、頭を怪我した男が逃げてくる

2m以上の黒人が襲ってきて、サイモンが殴ると逃げていく
自転車で駆けつけた警官を振りきって帰宅

パークレイホテルに男を連れていく
ホテルの支配人も腹心の部下で医者を呼び治療させる
医師もサイモンの味方をしてくれる

自宅の隣りのヘースチングス家もサイモンの家
本棚と寝室が秘密の通路でつながっている





ライバル兼友だちのような関係のティール警部が来て
妻パトリシアが対応している間に移動してアリバイを作る

毎回、事件についてパトリシアに話すサイモン

被害者はイタリア銀行副総裁のフォルテーザ侯爵
新しい札の発行のために紙幣の原型を持ってイギリスに来た

Zと名乗るクゼラ一味に地下室に閉じ込められ
3億リラのうち1億リラを別の箱に詰めるよう言われる

拒むと大男の黒人サッポーに痛めつけられ
麻薬のモルヒネやスコポラミンを打たれ
朦朧としたところで、特別のメモにサインしてしまった

一味はリラを他国の金に換金する計画
“貧しい”イタリアを救うために事件解決を約束するサイモン

サッポーに尾けられているのを知りながら自宅に誘うと
南アフリカの奥地に住む“土人”が使う
猛毒アナリキアを仕掛けた手袋を届けてくる

Zからアジトに来るようメモが届く
罠と知りつつ、パトリシアには侯爵の介抱を頼み
おもちゃ屋で手品の道具を買ってから出かける
(この後、手品道具を使ったという記述がどこか分からない








玄関ブザーを押すと、また猛毒を塗った針が飛ぶ仕組み

クゼラはプロレスラーのように逞しい体の大男





サイモンは仲間になると言って油断させ
金庫を開ける時、カギを奪って逃げる

窓枠につかまり、再び部屋に入り、クゼラをのして
金庫からリラの入ったバッグ5個をとりかえす







2個ずつクゼラの部下に持たせて戻る際
心配して来たパトリシアに気をとられた隙に縛られて地下室に閉じ込められる
パトリシアは金を持って逃げる

金と侯爵を渡せば命を助けると言うクゼラ
サッポーは乗馬用のムチで殴る

無念無想で痛みに耐え、裾に仕込んだかみそりで縄を切り
ムチを奪ってサッポーをのして、部下を柔道で投げて地下室に閉じ込める







パトリシアは金を侯爵に預けて、再び助けに来る
16時までに帰らないと警察が来る手はず







銃をつきつけられたサイモンは、最後にタバコを吸いたいと言い
落としたマッチ箱を拾ってあげたクゼラは
そこに塗ってあった猛毒で死ぬ

警察が来た時はサイモンとパトリシアは帰宅
またティール警部に問い詰められて

イタリア大使館のダンスパーティーに出席していたと話す
イタリア大使館に電話すると、裏がとれて悔しがるティール警部







サイモンはこの1か月後、ティール警部を助けて事件を解決することになる




暗黒街捜査官 チャンドラー




ヌーン街のサープライズホテルから
けばけばしい紫色の服を着た黒人スマイラーが出てくる
ワルツの部下の1人

トランプですって、すっからかんだが
ヘンリーから貸した金を返せと迫られ
ホテルの番頭から合鍵をもらい
トランプの相手ピート・アングリッチの財布から金を盗もうとする

ピートはFBIの秘密捜査官で、麻薬組織の大ボスを探すため
チンピラに扮して街に暗躍している

ピートは逆にスマイラーを射殺してホテルを出る
(これも立派な殺人だと思うが?

食堂ベラドンナで食事をとっていると
いかにも家出した感じの白人少女に会う

落としたバッグからジャガーノートクラブのマッチが出てくる
ピートは昔、病死した妹の面影を重ねて、心配で後を尾ける

角から黒塗りのデューセンバーグが来て、なにか包みを投げた
少女は拾わないと殺されると恐怖に怯える







ピートが代わりに拾うと、近くの窓からフラッドライトが光り
張り込んでいた刑事に囲まれる

FBIとバレないために、チンピラを装ったままでいると
人気映画スターのジョン・ビドリー脅迫犯人に疑われる

女の声で1000ドル払わないと顔に硫酸をかけると脅迫電話があった

ピートはジョンがここ数年落ち目なこと
今回の件でえらい宣伝になるじゃないかと言うと顔色が変わる

警部が人気のない場所まで送り、FBIであることに気づいたと話して
パトカーから降ろす

ジャガーノートクラブに行くと、裸のような格好で踊るダンサーの中に
あの少女がいる







テーブルに呼ぶと名前はトークン・ウエア
ここから連れ出してくれと懇願する

このクラブのオーナーはトリマー・ワルツ
裏の顔は暗黒街を操る黒幕

トリマーはピートを部屋に呼び、私立探偵ではないかと疑う
黒人の大男ルーフに頸動脈をおさえられて意識を失い
安アパートで目が覚める

ルーフはピートに酒をかけて、外の公衆電話から警察に通報する







ピートは寝室にヘロイン中毒患者の女性の死体を見つける
外の電話ボックスに隠れて、警察の目を逃れる

ルーフが金がないのにクスリを欲しがり
警察に訴えると言い出した女性を殺し
ピートのせいに仕立てた

ワルツはしばらくNYに行けと指示すると
逆にワルツの頸動脈をおさえたため、腹を撃って殺す

見ていたピートを仲間に引き入れようとして500ドル払うと言うワルツ
油断した隙にパンチを食らわす

机に住所のメモを見つけてリノを訪ねると
鉄の扉の向こうは麻薬中毒患者の巣窟で
トークンも囚われている







トークンを連れて、ジョンの家に来る

ジョンは人気を取り戻すために脅迫事件をでっち上げた
ワルツに相談して協力してもらうが、逆に脅されて
麻薬の運び屋にされた

そこにワルツが来て、ピートとトークンを始末しようとするが
ジョンはすべてから手を引くと言い出し
2人で相撃ちになりワルツが死ぬ

ジョンはトークンを故郷に帰すと約束
(彼も犯罪者なのに?

ピートはふたたび密売組織の捜査に戻る
疲れたな・・・てつぶやきがなんだか切ない



作者と作品について 福島正実

レイモンド・チャンドラー
1888年 シカゴ生まれ
アメリカのハードボイルド・ミステリの代表作家







レスリー・チャータリス




英米推理小説でもっとも人気のある作家の1人
サイモン・テンプラーはルパン、ホーナングのラッフルズなどとともに
世界で有名な5人の義賊物語の1人(ほかは誰だろう?

1907年 シンガポール生まれ
父は中国人医師、母はイギリス人

弁護士の勉強のためにケンブリッジ大学に入るが推理小説にハマる
両親は怒って学資を止めたが、さまざまな職業をやりながら小説を書いた

(こうした経緯の作家さんて多い気がする
 いろんな職業の経験が作品にも生きるよね










読書の手びき 滑川道夫
伏線は作者の計算
伏線が上手い作品ほど面白い

いろんな他の作品と読み比べて、類似点を思い出して読むと一層楽しい







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