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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

少年少女ベルヌ科学名作全集 10 『悪魔の発明』 ジュール・ヴェルヌ 学習研究社

2021-08-21 16:23:37 | 
池田龍雄/装丁 清水耕蔵・依光隆/挿絵 昭和44年初版

「作家別」カテゴリー内に追加します



<推薦の言葉>
「21世紀の科学はベルヌの夢を追って発達した」と言われる






ヴェルヌの小説から潜水艦やロケットでの月旅行などがどんどん現実化していき
本書は今の原子爆弾のモチーフではないかということで興味を持ち読んでみた


少年少女ベルヌ科学名作 全12巻
少年少女学研文庫
少年少女・新しい世界の文学














はじめに お茶の水女子大学教授・文学博士 波多野完治
ヴェルヌの作品には一見奇抜に見える空想の背景に
綿密に組み立てられた科学の土台がある
もう一方で、温かい人間愛、強い正義感がある




なかなか電撃弾の話にならず
それを発明した科学者と看護人が
潜水艦で島に連れてこられるまでで半分経過

インド人のような風貌の伯爵や
いろんな国から集まった船員は
ネモ船長たちを思わせるが
こちらは本物のワルだった

シモンは海賊を大悪党呼ばわりするけれども
1発の弾丸で地球ごと吹き飛ばすような武器のほうが
よほど非人道的だということを失念しているみたいだ

本文の中で「核兵器」という言葉は出て来ないが
科学者、軍人らがヴェルヌを追って、さまざまな武器を造ったのは皮肉

本編は3/4で終わり、その後はエネルギーの歴史と
もう1つの戦争小説だったのもビックリ

これを読んでいるのが終戦記念日、原爆投下の慰霊祭とかぶったのも
偶然とは思われず、とても考えさせられてしまった


「世界を救った決死隊」は
第二次世界大戦中、ドイツの原爆製造を阻止する実話を基にした小説

これを書いたのもヴェルヌ?
本編と同様に、やたらと愛国心が美化されているけれども
戦争は敵も味方も「人殺し」という意味では同じだと思う

ランカスター爆撃機といえば思い出す作家ロバート・ウェストール
彼はドイツ人兵士が同じ人間だということを描いていた

どのみち原爆投下は行われたのだから
ドイツ軍が落としたとしても同じじゃないか

最後の締めは「原子爆弾投下で第二次大戦を終わらせた」という説をとっている
これが本当に真実なのか

「世界大戦」についても他の歴史と同様
教科書やメディアで言われているものとは
全く違った見方ができるということをネットで見かける
真相は当時の人々に聞いてみないと分からない




【内容抜粋メモ】






●ヘルスフル・ハウス病院




この病院はアメリカでも指折りの設備、医師がいて
大金持ちでないと入れない

そこにダルティガス伯爵という有名な大金持ちで
始終船で世界中を旅行している貴族が帆船エバ号でやって来た

病院を見学したいと言われて得意になる院長
きっと48歳のフランス人科学者トマ・ロックを見に来たのだろうと思う





トマ・ロックは精神病患者の特別病棟に入れられている
恐るべき威力を持ち、一度、目標を定めると必ず爆破する
自動推進式のミサイル「電撃弾」を発明した

最初、母国フランスに売ろうとしたが
あまりに莫大な特許料のため断られ

憤慨した彼は敵国ドイツ、イギリスに売ろうとしたが同様に断られ
アメリカは病院に入院させて、言動を監視して秘密を探ろうとしたが
大事な秘密はもらそうとしなかった

ダルティガス伯爵とスペード船長は院内の構造をぬかりなく調べる
トマ・ロックは日常生活は赤ん坊のようだが、科学については正気が戻る

身近で面倒をみている看護人ゲイドンは2人を警戒する
本名はシモン・ハールというフランス技師で
世界平和のために爆弾の秘密を悪人から守ろうと誓っている

伯爵と船長はその夜にトマ・ロックとゲイドンを誘拐する





翌朝、誘拐がバレて、パムリコ海峡は封鎖され
アメリカ海軍の巡洋艦ファルコン号がやって来る





伯爵は2人の誘拐を初耳とウソをつき中尉を丁重に扱う
船内をくまなく探すが2人は見つからず
エバ号は外海に出る

風がまったくないにも関わらず、帆船エバ号は
帆をたたみ、進み出す

ゲイドンは真っ暗な部屋に入れられ
船にしては波の動きがないことをフシギに思う

甲板にあげられて、帆もなく進むエバ号に驚く
誘拐犯が伯爵と分かり驚く





夜中に荷物を運ぶ音がして、着いたのは火山島バック・カップ島
イギリス植民地で海軍の根拠地だったが
2か月ほど前、爆音とともに山頂から煙が上がったため
大噴火が起きると島民は全員避難して無人島となった

洞窟あたりで船をとめ、潜水艇が現れ
これでエバ号を引っ張っていたことが分かる
ゲイドンが押し込められていたのもこの中








ここなら沖の船から見えず、洞窟内の秘密の根拠地に入るには潜水艇を使うしかない
地震や火山も人工だった

岩壁にほったハチの巣型の家々は居心地よく整備されている
ゲイドンは島内をくまなく歩いて出口を探すがどこにもない

倉庫には食料品などあらゆるものが詰められている
発電工場もあり、洞窟内は明るい
天井からのみ陽光がさしているが
絶海の孤島で誰も逃げられない
部下は皮膚の黒い者が多く、伯爵もインド人に近い容貌





セルコ技師:
地上でもっとも不思議なこの洞窟に来られたことを神に感謝するべきだよ
この世の面倒から逃れ、気候は一定している

伯爵はカー・カラージェという大西洋を荒らす大海賊団の首領だ
ふいに姿を消したため、嵐で沈んだと思われている

10年前、オーストラリアで金鉱探しをしていて
スペードとカラージェに会った

カラージェはあてにならない金鉱ほりより
掘りあてて儲けた連中から奪う作戦を立てた

30人ほどの仲間は、植民地の軍隊からの逃亡者や犯罪者集団
オレは潜水艇づくりを任された

アメリカの港で見物させ、浮き上がらず
世間に潜水艇は沈んだと思わせた

その後、次々と船にへさきを刺して沈め
乗組員を皆殺しにして、荷物を奪って財産を作った

トマ・ロックの電撃弾を使えば世界征服もできる
君も協力する気になったかね

カラージェらはゲイドンがシモンだと知っていた
スパイ網があるに違いない

カラージェ:秘密を知った者は、死ななければここを出て行けないのを覚えておくがいい!





トマ・ロックは実験室を与えられて爆弾づくりに励み
発作はおさまり、すっかり正気に見える

ゲイドンが話しかけると、また監禁する気だろう!と激怒する
伯爵が金を用意したため、特許を渡したと言い、シモンは絶望する





カラージェらはエバ号で資材を注文し
他の港の工場で部品を組み立てて完成させるつもりだ

ある日、砲声が轟き、小さな実験が見事成功した
地球だってバラバラに砕いてしまうかもしれない

セルコ技師:これが完成したら、戦争のやりかたは完全に変わる

シモン:守るための戦争だろうね

セルコ技師:
攻めるための戦争もさ!(どっちも同じだと思うが

トマ・ロックの望みはただ1つ
彼の大発明を認めなかった全人類に復讐することだ!

ロック電撃弾は2km以上近づいた敵には撃てない
味方も粉みじんになるため
特別な点火薬が必要で、トマ・ロックはまだ秘密を明かしていない


一縷の望みを持って、夜中に森を歩いていると
カラージェとセルコ技師が話しているのが聞こえた

セルコ技師:
人が1人通れるくらいの岩穴が必要だ
ロックの火薬ならできるだろう

シモンはぼくと同じ優秀な技術屋で興味がある
懲らしめれば協力するだろう

カラージェ:秘密を聞き出せば、2人とも海に放り込めばいい

数日後、トンネルが掘られ始めた

火薬と点火薬が化合するには少し時間がかかるが
大音響が轟き、数人が爆風で吹き飛ばされ、硬い岩に穴が開いた

シモンはすべての事情を書いた紙を樽に入れ
干潮の時に投げ込み、外海に出て誰かが読むよう神に祈る





冬になるとバック・カップ島ではものすごい暴風雨が吹き荒れる

シモンの手紙は海岸に着き
イギリス海軍の中尉ほか3人がシモンとトマ・ロックを救いに来る





小型潜水艇スワード号に乗り、海底トンネルを出ようという時
運悪くカラージェの潜水艇とかちあい
左舷の後ろにへさきの攻撃を受けて沈められる





洞窟で目覚めたシモンは問い詰められるが
知らない男に縛られて連れ出されそうになったとウソをつきとおして難を逃れる

イギリス潜水艇の乗組員は全員死亡
カラージェらはまだ点火薬の秘密を握っていないと分かる

その日から警戒はさらに厳重となる

トンネルの見張りが騒ぎ、軍艦が5、6隻現れる
イギリス潜水艇が戻らないため攻撃に来た

セルコ技師:いよいよロック電撃弾の実力を示す時が来たぞ!

翌朝から開戦の予定
シモンは最後にもう一度トマ・ロックを説得するために実験室に行く

伯爵がカラージェという大悪党で
この島は家ではなく監禁されていることを話しても聞く耳持たず

トマ・ロック:
誰が何と言おうと、わしの邪魔をできる奴はいない
ここを攻撃する者は盗人だ

シモン:
あなたに支払ったお金は人を殺して盗った血まみれの金だ!
秘密を奪えばあなたを殺そうとしている

この島を軍艦が何隻も取り囲んでいる
あなたは自分の愛する祖国の国旗に向かって撃ち込めますか?


政府が電撃弾の優れた点を認め
平和や科学研究の役に立てることもできたはずだが
今は復讐の鬼となっている
説き伏せる望みも失い、戦争を待つばかり





トンネルに見張りがいないので、5か月ぶりに海岸に出て岩陰に隠れるシモン
夜が明ける前にこれまでのことを手帳に書き遺す

とうとう艦隊が進み始める
発射台は6つ セルコ技師はトマ・ロックを呼び発射を命令





ドイツの軍艦に命中し木っ端微塵となって海底に沈む様子を見て
トマ・ロックの顔には素晴らしい発明を完成した科学者の喜びがいっぱいに浮かぶ
(最初にヤラれたのがドイツって・・・

しかし、ほかの軍艦は猛スピードで2km以内に入ってきた
先頭の軍艦から軍楽隊の突撃の太鼓が鳴り
祖国フランスの軍艦と分かる

青、白、赤の三色旗があがると、トマ・ロックは手で目をおさえ
「断る わしはイヤだ」と点火しないため

カラージェとスペードは彼を殴り、点火薬を奪い取ろうとしたため
ガラス瓶を岩に叩きつけて割った

その後、全艦隊は一斉攻撃を開始し、海賊らは総退却する
トマ・ロックは先に実験室に駆け出すのが見える

その後、島は本物の火山のように爆発して吹き飛ばされる
シモンは瀕死の重傷で助け出される






トナン号艦長の手記:
ここまではシモンののこした手記により想像で書いたものだ
イギリス、フランス、ドイツ、アメリカは協力して島を攻撃

トナン号は一番速力が速かったため、先頭に進んだ
大砲を発射し、海賊はみんなトンネル内に逃げ込んだ

5分もしないうちに大爆発が起きて、大きな津波が島を襲った
息絶え絶えのシモンを運び手当した

彼は事情を話して息絶えた

シモン:
トマ・ロックは最後に愛国心を取り戻した
カラージェ一味が消し飛んだのもそのためだ

これが島爆発の真相だ
トマ・ロックの発明も消えてなくなったのだが・・・


(それで良かったよ
 命令の中には当然、発明の秘密を奪うことも含まれていただろうし




ベルヌの人と作品 那須辰造・福島正美
ベルヌは「科学小説の父」と言われている





とても努力家で、科学や地理の本を熱心に読み
集会に必ず出席し、新しい発明の発表に耳を傾けた

潜水艇、長距離砲、自動車、テレビ、化学食料など
科学者はベルヌの後を追っていた

本書の原題は「国旗にむかって(Face du drapeau)」
ベルヌの晩年の作品の1つ






日本最初の原子炉 茨城県東海村 原子力研究所



こうした写真を見ていつも思うのは
私たちが知らない間にいつの間にか
こんな巨大な建造物が出来ているという不安
そこで何が行われているかも知らない


昔のMRIのほうが開放的でいいなあ
放射能汚染は大きかったかも?






アメリカの原子力潜水艦
世界で2番目に大きいカナダの原子力発電所







水素爆弾は人類がつくりだした最大のエネルギー






火薬から原子力へ

元軍





中国で生まれた火薬
その頃は珍しいだけで本来の力は知られていなかったため
ほとんど花火に使われていた

爆竹から大砲がつくられ、鉄砲とともに
2つの武器が世界を揺り動かした

城壁内の王様や貴族は地位を失い
封建制度をくつがえす原因の1つにもなった(それはいいことか

大砲と鉄砲で世界を征服しだしたのは中国人ではなくヨーロッパ人だった






ダイナマイト
大きな大砲を積むために、各国が大きな軍艦づくりを競い合い
飛行機が発達する第二次世界大戦まで続いた


火薬の爆発力
火薬には奇妙な性質がある
火をつけただけではよく燃えるだけで爆発しない
起爆薬が必要で「雷管」と呼ぶ
爆発はガソリンエンジンのシリンダーでも起きている


火薬の利用
道路をつくるにもダイナマイトは欠かせない
ほとんどのトンネルは火薬の力で掘られた








石炭、石油などの地下の鉱物を探すため
地層を調べるにも火薬で人工地震を起こして
振動の伝わり方から調べる

(人工地震は起こせるのか


新しい火薬の利用法
ダムをつくるにはものすごい量の岩石が必要で
近くの山を選び、ダイナマイトで爆発させる

(いくら自然の生態系を調べた上とはいえ自然破壊には違いない

「爆発整形」
爆発の力は丈夫な金属板を思い通りの形にできる
金属の板を張り合わせるのにもつかわれる


エネルギーとは
動力のもとはいろいろある

人力に頼っていた時代
昔はエネルギーは人間の力だけだった
小さなモーターバイクも人間の50倍の力がある

蒸気機関の発明
ベルヌの青年時代には500万馬力
1900年には1億2000万馬力
驚くべき増え方です





迷惑な蒸気機関
石炭をたくと、黒い煙、火の粉、スス、スモッグでノドを痛めたり
蒸気や機械の騒音も出る

もっとすばらしい動力を
より小さく、静かで、キレイで、力の強い動力が求められた
本書のカラージュの潜水艦、ネモ艦長のノーチラス号も電気で動いている






電気エネルギーの時代
電気には元になる別のエネルギーが必要
電池は大きく、重く、長く貯めておけない


黒部発電所





ふえゆくエネルギー
石油を使う内燃機関が発明された
軽くて、小型、扱いやすく、力が強い

世界のエネルギーの使い方は石炭に置き換えて計算される
石油1KLのエネルギーは、石炭1・43トン

毎年数%の割合で増えている
石炭も石油もすぐになくなってしまうでしょう


動力源としての原子炉

原子力商船「むつ」





原子力はまず原子爆弾として使われた
完全な原子動力の時代は、潜水艦だった

陸では原子力発電所が進み
東京電力では1年半に1つずつ原子炉をつくる計画
関西電力は2年に1つずつ


(だからこんなに大量にあるのか/驚








プルトニウム
原子力が使われると燃料のウランが足りない
ウランをプルトニウムにかえて熱を出す新しい原子炉が造られた

重水素の核融合エネルギー
核分裂後の原子は、強い放射能を持ち、生物に害を与える
海水には無限に近い重水素がある

「磁気瓶」
磁石の力で高温の重水素をとじこめる方法
長時間はムリ

日本の大河博士が考えた「大河トーラス」は目覚ましい成果をあげた






よごれる大気
石炭の煙、石油ガスにも有害なガスが大量にある
炭酸ガスが増えると地球温暖化となり
極地の氷がとけて、陸地が沈むと言われる

自然にあるエネルギー
原子エネルギーは有害ガスを出さない
核融合反応は死の灰も出ない

私たちはむやみにエネルギーをつくりだすよりも
今ある自然エネルギーを利用すべきではないか
水、海、風、とくに太陽は大きなエネルギーになる


太陽エネルギーの利用




太陽エネルギーはベルヌの時代から考えられていた
(そうなの?! なぜそっちが主流にならなかった?

今では太陽の光を電気にかえる「太陽電池」が使われはじめたが
値段が高くて、大きい電力は取り出せない

(ほんとにそうか? 最初の設備投資を太陽光にすればよかったのに


エネルギーの便利な使いかた
エネルギーをどう集めるかにかかっている

すみやすい地球を
今の私たちは地球をかえるほどのエネルギーを手にしようとしている
それを平和利用すればよいのです







世界を救った決死隊




1942年 アイナールはノルウェーのドイツ占領地区で特別任務につく地下工作隊員の1人
ノルウェー海岸は、ドイツ国防の第一線地帯
パラシュートでおりて、携帯無電機で暗号を送る





ノルスク・ヒイドロの水素電解工場を爆破し
重水の貯蔵庫を吹き飛ばす任務

この戦争の勝敗に重大に関わる





重水は原子爆弾を作るために必須の材料
ノルスクは当時、世界最大の工場だった

原子爆弾は当時もっとも大きな秘密だった

(そもそもそんなもの作らなきゃいいのに


アインシュタイン
物質とエネルギーはもともと同じもの
物質を完全に壊せば、非常に大きいエネルギーが生まれる

元素はそれぞれ原子核を持ち、電子が回っている
元素により、決まった数の陽子が入っている
水銀の原子核から陽子を1個抜けば金となる/驚

中性子も発見され、これまでのどんな火薬より
もの凄い破壊力を持つエネルギーに「原子力」と名付けた

核分裂の連鎖反応によりもの凄いエネルギーを出すことが分かる
連鎖反応にはウラニウム235を集めなければならない







そして第二次世界大戦が勃発(なんの因果かねえ

アインシュタインはアメリカに渡り
ルーズベルト大統領に手紙を書いた

アインシュタイン:
ドイツでは原子力を用いた新兵器の研究を進めている
これを早く作ったほうが、この戦争の勝利者となる
その研究ができるのはアメリカしかない
アメリカ政府が早く原子爆弾の研究所を開いてください


(なぜアメリカ?


磁気を利用したサイクロトロンでウラニウム235を集める
イタリアの物理学者はウラニウム238を研究

プルトニウム239が発見される
水中に含まれる重水が良いと気づく

ウラニウム235の原爆第一号
プルトニウム238の原爆第二号が
それぞれ広島、長崎に投下された

(戦争を終わらせるより、これを実験したかったとか?






●ツバメ隊
10日間の厳しい訓練の後、アイナールはモスキート機に乗り込み
ドイツ軍守備隊の様子を知らせる任務を実行
この工作隊は「ツバメ隊」と命名

ノルスクの工場は、標高1200mの断崖絶壁の上
ナチスドイツの科学者がプルトニウム239の分離に成功したため
工場を攻撃・占拠し、完全に破壊する作戦がたてられる

ツバメ隊は暗号無電で、天候、守備隊の動きを
毎日、イギリス本部に知らせた

(なぜドイツの動きは丸わかりで、ツバメ隊の無電はキャッチされなかったの?





イギリス空軍爆撃機は墜落し死者が出て
捕虜は拷問にかけられて攻撃目標が何かがバレる





ノルウェー人のスパイが関係していると疑い
工場に勤める罪もない何十人のノルウェー人が強制収容所に送られた


●ガンナーサイド隊
3度目にしてようやくガンナーサイド隊がツバメ隊と合流
ドイツ軍の警備兵の正確な位置、交代時間などを伝えて作戦をたてた

爆破隊は高度濃縮装置に爆薬をしかけて完全に爆破すること
戦友が倒れても、別の誰かがやること
もし捕虜になりそうになったら自殺すること








「戦時国際規定」により軍人は軍服を着ないといけないルールのため
ノルウェー陸軍の軍服に着替える

ロッククライミングで絶壁を上がり、2つの門を抜け
1階のドアはカギがかかっているため、トンネルから出ると

ノルウェー人の警備員に見つかり、工作員であることを告げ
脅してカギを奪い、爆薬を貯蔵庫にとりつける

ノルスクの貯蔵庫にある3000ポンドの重水は流れ出し
装置は破壊された





ドイツ山岳部隊は付近の山、谷、森をくまなく調べ
奇襲部隊の基地の山小屋を見つけたが
部隊はすでにスウェーデンに逃げた後

その後、ドイツは意外に早く修理して
再び重水の生産を始めた

(これだけ苦労して、月日もかけたのに!?
 戦争って本当に馬鹿馬鹿しい

再びノルスク工場の爆撃作戦が立てられ
アメリカとイギリス空軍の大編隊が
発電所、工場を空襲して完全に破壊した


(最初からこのほうが早かったね/汗

ドイツは装置を分解して、本国に運んで重水をつくろうと考えた
アイナールは列車で運び、テインショー湖から船で運搬すると報告
チャーチルは完全爆破命令を下す

テインショー湖の渡し船ヒドロ号に
船員のフリをして乗り込むアイナールたち





ノルウェー人の警備員に疑われ
「抵抗運動をしていてゲシュタポに追われている 助けてくれ」とウソをついて逃れる

2箇所に時限爆破装置を設置
自分たちを救った警備員もろともヒドロ号は沈む

ドイツは重水製造施設を失い
その後、原子爆弾の研究が出来なくなった

2年後、アメリカが原子爆弾をつくり
第二次世界大戦を終わらせた


祖国と自由世界を守るために命がけで戦った
このノルウェーの愛国者たちの活躍は忘れてはならないだろう




科学のあり方を学ぶ 日本読書指導研究会 今村秀夫
本書は『海底二万マイル』と似ている点がある

科学が誤った方向に利用された時
人類への恐ろしい影響が描かれている


原子爆弾の恐ろしい洗礼を受けた日本人にとって
世界のどの国の人々より強く
ベルヌの警告を読み取らないといけない

爆薬のイメージは、戦争、殺人、災難、、、
私たちは科学技術の進歩に目を奪われがちですが
人間愛の精神を失わず
巨大エネルギーを幸福のために使う大切さに目を留めて欲しいと思います

決死隊の話は第二次世界大戦での実話です
この作戦が成功しなければ、原子爆弾はヨーロッパで爆発し
そしてナチスドイツが世界征服していたかもしれません

(どのみち使われたことには変わりない



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