メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

絵本『セミ』 ショーン・タン/著 河出書房新社

2021-12-10 14:17:24 | 
私好みのイラストで、以前、何冊か読んだショーン・タン

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蝉っていうシンプルなタイトルと
サラリーマンの格好をした虫の絵の表紙が
インパクト強すぎて借りてみた

2019年初版で新しい

見開きは、四角い箱そっくりな高層ビルの絵
この一つ一つの部屋で
大勢が毎日働いてるって異常さが伝わる






名札にも蝉って書いてあって
これが名前なのかなw






手足が異様にリアルで
虫が苦手な私はゾッとするけれども
やっぱりちょっと笑ってしまう



【内容抜粋メモ】

高いビルで17年間データ入力の仕事をしているセミ
(私もちょうどこんな感じだったな






昇進もない
人間は偉い
セミ 偉い 必要ない

言葉の使い方が片言で面白い






トイレを使うことすら許されなくて
12ブロック先まで歩き
給料も引かれるってひどすぎる

人間は誰も仕事を終わらせないから
毎日残業するけど感謝もされない






同僚は蝉のことが嫌いでいじめている





家賃も払えないから
会社の壁の隙間で暮らしている!
ひどい生活環境






17年目でもう定年!
送別会もない
ボスは机を拭いて行けと命令する







家もなく
お金もなく
会社のビルの屋上に行って

そろそろお別れの時間

ってなんだかとんでもない状況






からの脱皮






たくさんの蝉たちが
空に向かって自由に飛び立って行く


セミ みんな森に帰る
時々 ニンゲンのこと考える
笑いが 止まらない

トゥク トゥク トゥク








最後の1行に思わず泣いてしまった
ニンゲンってなんてバカみたいなんだろうね



最後のページにはものすごい迫力で
森の絵が描かれているけれども
よくよく考えるとセミって
人間の住んでいる町に多くいる気がする







ハエや蚊のように
別にヒトに依存して暮らしているわけではないのに不思議

よく道路脇とかにセミの死骸を見つけて
とても怖い思いをするから
たしかにヒトにとっては不快な存在かもしれない

けれどもセミから見たら
ニンゲンのほうがよほど可笑しな生き物かもしれないね




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