1972年初版 1981年 第23刷 伊藤佐喜雄/編著
山下一徳/カバー図案 西村保史郎/カバー絵・口絵・挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
バレエの名作のストーリーを改めて読むことができて勉強になった
一度は実際に観てみたいなあ
ロシアが起源と思っていたけど、発展させたということか?
【内容抜粋メモ】
■白鳥の湖
【歴史】
1877年 モスクワのボリジョイ劇場で初演
ロシアの大作曲家チャイコフスキーの音楽も有名
帝政ロシアにうまれた古典バレエの第一の名作
王子ジーグフリードが成年になったお祝いの日
家庭教師のウォルフガング、親友のベンノらも陽気に酒を飲む
明日の舞踏会で花嫁を選ばなければいけないと母に言われて憂鬱になる
気晴らしに白鳥狩りに行くと、湖のほとりで
白い羽のついた服を着た美しい少女を見て、互いに惹かれる
それはある国の王女オデットが悪い魔法使いにより白鳥に変えられた姿
舞踏会で6人の姫たちと踊っていると、魔法使いロートバルトが娘オディールを連れて来る
オディールは魔法によりオデットそっくりだったため、王子は気づかず踊り、花嫁にしてしまう
魔法使いは騙したことを明かす
影で見ていたオデットは悲しみに暮れていると、王子が来て、魔法使いと戦って勝つ
オデットは湖に身を投げると、王子もあとを追う
真実の愛が魔法を解き、2人は真珠貝の船に乗って戻る
■コッペリア
【歴史】
1870年 パリのオペラ劇場で初演
ドリーブの音楽が素晴らしい
『ジゼル』とともにフランスバレエを代表する作品
上手な人形つくりコッペリウスの家の2階には
いつも本を読んでいる美しい少女コッペリアが見える
町の若者たちはこぞって見に来て、挨拶したりするが全く動じない
そのはず、コッペリアはコッペリウスが娘のように大事にしている人形
婚約者のフランツがコッペリアに夢中で、心配なスワニルダとケンカになる
コッペリアはぜんまいをかけると優しく挨拶を返す
町長は、領主さまが時の鐘を寄付したお祝いの式で
結婚する者には、持参金がもらえるとしらせる
コッペリウスは家のカギを赤いハンカチに包むが
若者たちが周りを踊ったため、ハンカチで汗をふいてカギを落としたことに気づかない
スワニルダたちはカギで家に侵入し、たくさんの等身大の人形があって驚く
中国人、黒いムーア人同様、コッペリアも人形と分かって笑い乱暴に扱う
戻ったコッペリウスは怒って、窓から忍び込んだフランツも捕えられるが
仲直りに酒をおごり、眠ったところに魔法をかけて
フランツの魂をコッペリアに移そうとする
スワニルダはコッペリアに化けて阻止する
祝福の日 たくさんの若者のカップルが式を挙げる
フランツと仲直りしたスワニルダも式を挙げようとして、コッペリウスが弁償しろと迫る
持参金を償いにあてると話すと、領主さまが立て替えて、スワニルダの持参金も払う
コッペリウスはお金をもらって満足して帰る
■ジゼル
【歴史】
ロマンチック・バレエの最大の傑作
1841年 パリのオペラ劇場で初演
美しい少女ジゼルと、隣りに住む村男ロイスは愛し合っているが
ロイスは隣りの国の跡継ぎアルブレヒトで
領主クールランド公の娘バチルデ姫と婚約していることを隠している
狩り場の番人ヒラリオンもジゼルを愛していて、ロイスを恨み
家来のウイルフリッドと話しているところを見て怪しむ
ジゼルはロイスが姫と結婚する夢を見て心配するが
ロイスが夢占いをすると吉が出て安心する
クールランド公の狩りの一隊がやって来て
バチルデ姫はジゼルを気に入り、首飾りをプレゼントし、侍女になって欲しいと頼むが
近いうちに結婚するからムリだと断る
ヒラリオンはロイスの剣とマントを持ち出して、身分を明かす
ジゼルはバチルデ姫こそ夢に出てきた姫と直感し
ロイスからもらった愛の指輪を見せると、姫も同じものを持っていて絶望し
もらった首飾りをひきちぎり、剣で胸を刺して死ぬ
ジゼルは近くの森に埋められた
嵐の番、ウイリーの森を通りかかったヒラリオンたちは鬼火を見る
魔法の枝を持つ妖精ウイリーの女王ミルタ:あなたたちの新しい妹ができたのよ
と言って、ジゼルの額に星のしるしをつけて祝福する
アルブレヒトはジゼルの墓に白いユリを捧げて許しを請う
そこにジゼルの霊が現れる
ヒラリオンはウイリーの妖しい踊りに巻き込まれ、池に落とされる
妖精はアルブレヒトも同じように引きこもうとする
ジゼル:私のお墓の十字架をつかまえていて
ミルタの魔法の木の枝は十字架にはきかない
アルブレヒトはジゼルの踊りに惹きつけられて十字架を離してしまうが
明けがたの鐘が鳴り、一命をとりとめ、さよならと告げて森を去る
■火の鳥
【歴史】
『シェヘラザード』とともに1910年、パリで初演
イゴール・ストラビンスキーという若い作曲家が選ばれて成功し世界に名が知れ渡る
ロシアの王子イワンは狩りが好きで、変わった獲物がないかと番人に聞くと
誰もまだ見たことがない“火の鳥”の話をして、生け捕りにしようとあちこちを探し回る
恐ろしく深い森に入り、金色に輝く実のなるリンゴの木の上を
火の鳥が舞うのを見て、捕まえる
火の鳥は、逃がしてくれたら、金の羽を1枚あげる
王子が危ない目に遭ったら、羽を振ればすぐに助けると約束する
月光で明るくなると、魔王の城の前にいる
10人の美しい侍女のうしろから、ひときわ美しい少女が降りてくる
ザレウナ姫:コッチェイという不死身の魔王に城に閉じこめられている
互いに惹かれ合い、イワンが城の扉を開けると
ものすごい老人のコッチェイが率いる百鬼夜行が飛び出す
とっさに金の羽を振ると、火の鳥が舞い、洞穴の中の鉄の箱に
大きな卵があり、コッチェイの不死身の魂が入っていると教える
王子は卵を地面に叩きつけると、コッチェイは死に、怪物も城も森も消える
石にされた家来も侍女も元に戻り、2人は結婚する
■ペトルシカ
【歴史】
1911年 パリのシャトレ座が初演 ニジンスキーの名技も素晴らしい
音楽はストラビンスキー
1830年代 今のレニングラード ギリシャ正教のキリスト復活祭前の40日間
人々は肉食を断つが、その前にご馳走を食べて遊ぶカーニバル(謝肉祭)があり
見世物小屋、回転木馬、アコーディオンの音で踊る少女らで賑わう
見世物師がフリュートを吹くと、生きているようにリアルな人形芝居が始まる
道化のペトルシカ、黒いムーア人、踊り子の3人は箱から出て踊り、人々は驚く
ペトルシカは踊り子を愛しているが、ムーア人のようなお金もなく、話も踊りもヘタ
ムーア人が踊り子と話すのを見て嫉妬し、落ちていた棒で頭を殴りコブをつくり
見世物師は驚いて、3人を小屋に入れてしまう
ペトルシカは狭くみすぼらしい小屋で見世物師からひどく怒られる
退屈した踊り子が入ってきて、もてなそうとするがどれも失敗し
踊り子にさんざん悪口を言われる
壁に頭をぶつけて小さな穴を開けて、外をのぞくと
ムーア人と踊り子が踊るのを見てカッとして割り入る
怒ったムーア人は半月刀を振り回す
外では金持ちの商人が、ジプシー女を2人連れて、札束をばらまき
みんな拾うのに夢中
ペトルシカがムーア人に斬られて倒れるのを見て、慌てて警官を呼ぶと
見世物師:これはただの人形ですぜ
と腹に詰めたおがくずを見せると、みんな笑って散る
小屋に戻ろうとすると、ペトルシカの霊が現れ
見世物師は人形を放り出して、小屋に逃げ込む
(命の宿った人形なのかな? フシギな話だ
■眠れる森の美女
【歴史】
フランスのシャルル・ペローの童話をもとに
チャイコフスキーが作曲
1890年 ペテルブルグで初演
豪華絢爛たるステージが心を奪う
フロレスタン24世とお妃の間には長いこと子どもがなく
ようやく美しい王女が生まれて、大々的な命名式を行う
式部長官カンタルビュットは、ゲストが到着するたびに名を記入し、案内する
松の精、サクラの花の精、カーネーションの精、小鳥の精らは
姫がたぐいのない舞ができるよう、歌がうたえるよう、と呪文を唱える
みんなに嫌われている妖精カラボッスが来てネズミをプレゼントし
儀式に招かれなかったことを恨み、姫はいつか指を傷つけて死ぬだろうと予言する
妖精の女王、リラの精は死ぬ代わりに長い眠りにつき
心から愛する王子のくちづけで覚めるだろうと約束する
姫は16歳になり、王子が4人も花嫁に欲しいとやって来る
呪いを怖れて、宮殿の1km四方につむぎ針を持ち込んではならぬという法律があるほど
姫は大事に育てられている
せむしの年寄り女に化けたカラボッスが近づいて、つむぎ針をちらつかせたので
姫は手にとり、もて遊ぶうちに、左手の親指を刺してしまう
リラの精は木のつえを振るい、すべてを眠りにつかせる
100年後 狩りに来ていたチャアミング王子は、城での生活が退屈で悩んでいると
リラの精が現れて、オーロラ姫の姿をちらと見せるとたちまち愛してしまう
真珠貝のゴンドラに乗り、クモの巣がはった王宮に眠るオーロラ姫にくちづけをすると
たちまち魔法が解け、王、王女、貴族らもみんな目が覚め
王子を姫の夫、国の世継ぎとして迎える
■解説
イタリアにおこったバレエ風の踊りは、フランスの宮廷で盛んになる
ルイ14世が力を尽くした
ロマン主義の影響を受けて「ロマンチック・バレエ」となる
バレエは歌劇のそえもので、19世紀に歌劇が盛んになると、バレエは独立
『ジゼル』で立派な芸術となる
19世紀後半、王族が生きていたロシアに渡り、愛好される
フランス生まれのバレー(男の踊り手)マリウス・ペティパが振付師となり技術を高めた
ペティパの弟子レフ・イワノフが継いで
新しいロシア・バレエの偉大な指導者ディアギレフが現れる
ディアギレフ:すぐれたバレエは、すぐれた音楽と舞踊、美術が完全に一体にならねば生まれない
ディアギレフを境として、以前をクラシック(古典)バレエ
以後をモダン(現代)バレエと呼び分ける
その他
『シェヘラザード』
アラビアンナイトの世界を描く
東洋風な原色衣装や道具が世界の大流行になった
『くるみ割り人形』
ドイツ・ロマン派の作家ホフマンの童話がもと
チャイコフスキーが晩年に作曲した第三楽章の円舞曲(花のワルツ)が有名
1893年初演時は評判が悪かった
『きみょうな店』
ドイツのバレエをマッシーヌが振り付け
ロッシーニの音楽をレスビギーが編曲して、1919年にロンドンで初演
『三角帽子』
ディアギレフがマルティネス・シェラの原作に興味を持ち
マヌエル・デ・ファリアに作曲を頼んでできた
1919年 ロンドンで初演
『シンデレラ』
ペローの有名な童話がもとだが、バレエではカボチャの馬車は出てこない
シンデレラの靴もガラスではない
1945年 モスクワ初演
山下一徳/カバー図案 西村保史郎/カバー絵・口絵・挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
バレエの名作のストーリーを改めて読むことができて勉強になった
一度は実際に観てみたいなあ
ロシアが起源と思っていたけど、発展させたということか?
【内容抜粋メモ】
■白鳥の湖
【歴史】
1877年 モスクワのボリジョイ劇場で初演
ロシアの大作曲家チャイコフスキーの音楽も有名
帝政ロシアにうまれた古典バレエの第一の名作
王子ジーグフリードが成年になったお祝いの日
家庭教師のウォルフガング、親友のベンノらも陽気に酒を飲む
明日の舞踏会で花嫁を選ばなければいけないと母に言われて憂鬱になる
気晴らしに白鳥狩りに行くと、湖のほとりで
白い羽のついた服を着た美しい少女を見て、互いに惹かれる
それはある国の王女オデットが悪い魔法使いにより白鳥に変えられた姿
舞踏会で6人の姫たちと踊っていると、魔法使いロートバルトが娘オディールを連れて来る
オディールは魔法によりオデットそっくりだったため、王子は気づかず踊り、花嫁にしてしまう
魔法使いは騙したことを明かす
影で見ていたオデットは悲しみに暮れていると、王子が来て、魔法使いと戦って勝つ
オデットは湖に身を投げると、王子もあとを追う
真実の愛が魔法を解き、2人は真珠貝の船に乗って戻る
■コッペリア
【歴史】
1870年 パリのオペラ劇場で初演
ドリーブの音楽が素晴らしい
『ジゼル』とともにフランスバレエを代表する作品
上手な人形つくりコッペリウスの家の2階には
いつも本を読んでいる美しい少女コッペリアが見える
町の若者たちはこぞって見に来て、挨拶したりするが全く動じない
そのはず、コッペリアはコッペリウスが娘のように大事にしている人形
婚約者のフランツがコッペリアに夢中で、心配なスワニルダとケンカになる
コッペリアはぜんまいをかけると優しく挨拶を返す
町長は、領主さまが時の鐘を寄付したお祝いの式で
結婚する者には、持参金がもらえるとしらせる
コッペリウスは家のカギを赤いハンカチに包むが
若者たちが周りを踊ったため、ハンカチで汗をふいてカギを落としたことに気づかない
スワニルダたちはカギで家に侵入し、たくさんの等身大の人形があって驚く
中国人、黒いムーア人同様、コッペリアも人形と分かって笑い乱暴に扱う
戻ったコッペリウスは怒って、窓から忍び込んだフランツも捕えられるが
仲直りに酒をおごり、眠ったところに魔法をかけて
フランツの魂をコッペリアに移そうとする
スワニルダはコッペリアに化けて阻止する
祝福の日 たくさんの若者のカップルが式を挙げる
フランツと仲直りしたスワニルダも式を挙げようとして、コッペリウスが弁償しろと迫る
持参金を償いにあてると話すと、領主さまが立て替えて、スワニルダの持参金も払う
コッペリウスはお金をもらって満足して帰る
■ジゼル
【歴史】
ロマンチック・バレエの最大の傑作
1841年 パリのオペラ劇場で初演
美しい少女ジゼルと、隣りに住む村男ロイスは愛し合っているが
ロイスは隣りの国の跡継ぎアルブレヒトで
領主クールランド公の娘バチルデ姫と婚約していることを隠している
狩り場の番人ヒラリオンもジゼルを愛していて、ロイスを恨み
家来のウイルフリッドと話しているところを見て怪しむ
ジゼルはロイスが姫と結婚する夢を見て心配するが
ロイスが夢占いをすると吉が出て安心する
クールランド公の狩りの一隊がやって来て
バチルデ姫はジゼルを気に入り、首飾りをプレゼントし、侍女になって欲しいと頼むが
近いうちに結婚するからムリだと断る
ヒラリオンはロイスの剣とマントを持ち出して、身分を明かす
ジゼルはバチルデ姫こそ夢に出てきた姫と直感し
ロイスからもらった愛の指輪を見せると、姫も同じものを持っていて絶望し
もらった首飾りをひきちぎり、剣で胸を刺して死ぬ
ジゼルは近くの森に埋められた
嵐の番、ウイリーの森を通りかかったヒラリオンたちは鬼火を見る
魔法の枝を持つ妖精ウイリーの女王ミルタ:あなたたちの新しい妹ができたのよ
と言って、ジゼルの額に星のしるしをつけて祝福する
アルブレヒトはジゼルの墓に白いユリを捧げて許しを請う
そこにジゼルの霊が現れる
ヒラリオンはウイリーの妖しい踊りに巻き込まれ、池に落とされる
妖精はアルブレヒトも同じように引きこもうとする
ジゼル:私のお墓の十字架をつかまえていて
ミルタの魔法の木の枝は十字架にはきかない
アルブレヒトはジゼルの踊りに惹きつけられて十字架を離してしまうが
明けがたの鐘が鳴り、一命をとりとめ、さよならと告げて森を去る
■火の鳥
【歴史】
『シェヘラザード』とともに1910年、パリで初演
イゴール・ストラビンスキーという若い作曲家が選ばれて成功し世界に名が知れ渡る
ロシアの王子イワンは狩りが好きで、変わった獲物がないかと番人に聞くと
誰もまだ見たことがない“火の鳥”の話をして、生け捕りにしようとあちこちを探し回る
恐ろしく深い森に入り、金色に輝く実のなるリンゴの木の上を
火の鳥が舞うのを見て、捕まえる
火の鳥は、逃がしてくれたら、金の羽を1枚あげる
王子が危ない目に遭ったら、羽を振ればすぐに助けると約束する
月光で明るくなると、魔王の城の前にいる
10人の美しい侍女のうしろから、ひときわ美しい少女が降りてくる
ザレウナ姫:コッチェイという不死身の魔王に城に閉じこめられている
互いに惹かれ合い、イワンが城の扉を開けると
ものすごい老人のコッチェイが率いる百鬼夜行が飛び出す
とっさに金の羽を振ると、火の鳥が舞い、洞穴の中の鉄の箱に
大きな卵があり、コッチェイの不死身の魂が入っていると教える
王子は卵を地面に叩きつけると、コッチェイは死に、怪物も城も森も消える
石にされた家来も侍女も元に戻り、2人は結婚する
■ペトルシカ
【歴史】
1911年 パリのシャトレ座が初演 ニジンスキーの名技も素晴らしい
音楽はストラビンスキー
1830年代 今のレニングラード ギリシャ正教のキリスト復活祭前の40日間
人々は肉食を断つが、その前にご馳走を食べて遊ぶカーニバル(謝肉祭)があり
見世物小屋、回転木馬、アコーディオンの音で踊る少女らで賑わう
見世物師がフリュートを吹くと、生きているようにリアルな人形芝居が始まる
道化のペトルシカ、黒いムーア人、踊り子の3人は箱から出て踊り、人々は驚く
ペトルシカは踊り子を愛しているが、ムーア人のようなお金もなく、話も踊りもヘタ
ムーア人が踊り子と話すのを見て嫉妬し、落ちていた棒で頭を殴りコブをつくり
見世物師は驚いて、3人を小屋に入れてしまう
ペトルシカは狭くみすぼらしい小屋で見世物師からひどく怒られる
退屈した踊り子が入ってきて、もてなそうとするがどれも失敗し
踊り子にさんざん悪口を言われる
壁に頭をぶつけて小さな穴を開けて、外をのぞくと
ムーア人と踊り子が踊るのを見てカッとして割り入る
怒ったムーア人は半月刀を振り回す
外では金持ちの商人が、ジプシー女を2人連れて、札束をばらまき
みんな拾うのに夢中
ペトルシカがムーア人に斬られて倒れるのを見て、慌てて警官を呼ぶと
見世物師:これはただの人形ですぜ
と腹に詰めたおがくずを見せると、みんな笑って散る
小屋に戻ろうとすると、ペトルシカの霊が現れ
見世物師は人形を放り出して、小屋に逃げ込む
(命の宿った人形なのかな? フシギな話だ
■眠れる森の美女
【歴史】
フランスのシャルル・ペローの童話をもとに
チャイコフスキーが作曲
1890年 ペテルブルグで初演
豪華絢爛たるステージが心を奪う
フロレスタン24世とお妃の間には長いこと子どもがなく
ようやく美しい王女が生まれて、大々的な命名式を行う
式部長官カンタルビュットは、ゲストが到着するたびに名を記入し、案内する
松の精、サクラの花の精、カーネーションの精、小鳥の精らは
姫がたぐいのない舞ができるよう、歌がうたえるよう、と呪文を唱える
みんなに嫌われている妖精カラボッスが来てネズミをプレゼントし
儀式に招かれなかったことを恨み、姫はいつか指を傷つけて死ぬだろうと予言する
妖精の女王、リラの精は死ぬ代わりに長い眠りにつき
心から愛する王子のくちづけで覚めるだろうと約束する
姫は16歳になり、王子が4人も花嫁に欲しいとやって来る
呪いを怖れて、宮殿の1km四方につむぎ針を持ち込んではならぬという法律があるほど
姫は大事に育てられている
せむしの年寄り女に化けたカラボッスが近づいて、つむぎ針をちらつかせたので
姫は手にとり、もて遊ぶうちに、左手の親指を刺してしまう
リラの精は木のつえを振るい、すべてを眠りにつかせる
100年後 狩りに来ていたチャアミング王子は、城での生活が退屈で悩んでいると
リラの精が現れて、オーロラ姫の姿をちらと見せるとたちまち愛してしまう
真珠貝のゴンドラに乗り、クモの巣がはった王宮に眠るオーロラ姫にくちづけをすると
たちまち魔法が解け、王、王女、貴族らもみんな目が覚め
王子を姫の夫、国の世継ぎとして迎える
■解説
イタリアにおこったバレエ風の踊りは、フランスの宮廷で盛んになる
ルイ14世が力を尽くした
ロマン主義の影響を受けて「ロマンチック・バレエ」となる
バレエは歌劇のそえもので、19世紀に歌劇が盛んになると、バレエは独立
『ジゼル』で立派な芸術となる
19世紀後半、王族が生きていたロシアに渡り、愛好される
フランス生まれのバレー(男の踊り手)マリウス・ペティパが振付師となり技術を高めた
ペティパの弟子レフ・イワノフが継いで
新しいロシア・バレエの偉大な指導者ディアギレフが現れる
ディアギレフ:すぐれたバレエは、すぐれた音楽と舞踊、美術が完全に一体にならねば生まれない
ディアギレフを境として、以前をクラシック(古典)バレエ
以後をモダン(現代)バレエと呼び分ける
その他
『シェヘラザード』
アラビアンナイトの世界を描く
東洋風な原色衣装や道具が世界の大流行になった
『くるみ割り人形』
ドイツ・ロマン派の作家ホフマンの童話がもと
チャイコフスキーが晩年に作曲した第三楽章の円舞曲(花のワルツ)が有名
1893年初演時は評判が悪かった
『きみょうな店』
ドイツのバレエをマッシーヌが振り付け
ロッシーニの音楽をレスビギーが編曲して、1919年にロンドンで初演
『三角帽子』
ディアギレフがマルティネス・シェラの原作に興味を持ち
マヌエル・デ・ファリアに作曲を頼んでできた
1919年 ロンドンで初演
『シンデレラ』
ペローの有名な童話がもとだが、バレエではカボチャの馬車は出てこない
シンデレラの靴もガラスではない
1945年 モスクワ初演