メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

少女名作シリーズ23 アルプスの白ゆり ヨハンナ・スピリ 偕成社

2024-06-05 15:16:23 | 
1977年重版 白木茂/編著 山下一徳/カバー図案 石田武雄/カバー絵・口絵・挿絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


作家になりたいではなく、困っている人に寄付するお金を作りたくて
初めて小説を書いたのが、あの名作『ハイジ』ってスゴイな!

今作も夢中で一気読みした
このシリーズはどれも秀逸で、心が温まる物語ばかり



【内容抜粋メモ】

登場人物
ドーラ
父 ファルク少佐 ドイツの軍人
母 リリ 亡
叔父 ティトス 学者
叔母 ニネッテ

ビルケンフェルト家
父母
ユル、パウラ、ロルフ、ビリ、リリ、フンネ




●ドイツ カルルスルーエ町
ドーラは毎日、同じ時刻に父と散歩する
母リリはドーラを産んですぐ亡くなった









以前はハンブルクに住んでいたが、戦争で胸に弾丸を受けた父は
医師から治る見込みがないと言われ、姉の近くの家に越してきた

叔父は学者でいつも部屋にこもって本を書いている
ニネッテ叔母は心配症でいつも口うるさい



●かなしい別れ
ある朝、父は穏やかに笑ってこの世を去る
生前書いた手紙には、ニネッテ叔母にドーラを頼むとある

ドーラは叔母夫婦の屋根裏に越し
午前は塾で勉強、午後は仕立て屋で腕に職をつける練習をする

小さな窓から5つの星が見えて、悲しい時もそれを友だちと思って慰められる









●おじさんの旅行
1年後、叔父は急に倒れ、医師からすぐに山のキレイな空気を吸わないといけないと言われる
ドーラの母の親戚がスイスにいるため、手紙を書いて
未亡人のクルト夫人の家で静養することにする

ドーラは仕立てやの奥さんが面倒をみる予定だったが
医師からひどい貧血だと言われて、一緒に連れて行く








●丘の上の家
初日に、隣りのビルケンフェルト家から6人の子どもたちの元気な声が聞こえてくる
叔父は音を避けて、部屋に閉じこもる

遠くに旅行していた父が帰ってきて、大騒ぎの家族
リンゴの木の下で歓迎パーティーが開かれるのを
屋根裏の窓からこっそり見るドーラ












イタズラ好きな双子のリリとビリは
ボール紙に火をつけて火事さわぎを起こす

ニネッテ叔母は怒って、明日にでも引っ越そうと言い出すが
ここよりいい場所はないと止めるクルト夫人

長男のユルが夏休みで帰郷し、さらに賑やかになるお隣り
ロルフは毎日なぞなぞを作るが、家族はウンザリ

長女パウラは同じ年ごろの友だちがいないことを嘆き
ドーラは親しくなりたいと切望する

ビルケンフェルト夫人は、幼い頃の親友リリの話を聞かせる
父親が悪い人に騙されて、アメリカに行くといって別れてしまった


●恐ろしい出来事
リリとビリは洗濯小屋でノアの箱舟をしていて、溺れそうになる








それに懲りず、父がロルフにお土産に買った矢で遊び
垣根から様子を見ていたドーラの右腕に刺さってケガをする
ニネッテ叔母は一生“かたわ”になるかもしれないと嘆く








双子は隣りの子どもを殺してしまったかもしれないと思い、家族に告白
ビルケンフェルト夫人は謝りに行く

ティトス叔父が騒音を嫌うと聞いて、風通しのいい東屋を使ってほしいと提案
ドーラには子どもたちの相手をしてほしいと言って、ドーラは大喜びする


●歓迎攻め
隣家に行くと家族全員で迎えてくれて感激する








リリはドーラにピラノを教えるため、嫌っていたピアノがぐんぐん上達する







末っ子のフンネはいつもきょうだいが忙しくて相手にしてもらえないが
ドーラが遊び相手になってくれて上機嫌







ロルフはドーラの好きな5つ星がカシオペア座で女王さまのイスだと教える






ティトス叔父はロルフのなぞなぞを解く相手となる
陽気に鼻歌を歌う叔父を見て、驚くニネッテ叔母

パウラはドーラと親友になり、時間を忘れて話す

ドーラの腕の傷も治り、毎日、リリからピアノを教えてもらう


●別れの日
叔父はもう2週間滞在を延ばす
ニネッテ叔母の泣き言も減った

その2週間もあっという間に過ぎて、最後の日
リリはもうピアノなんか弾かないと言い出す

ドーラは昔のアルバムを見せると
昔、母とビルケンフェルト夫人が別れの際に交わした詩が出てくる

あなたの手と わたしの手
しっかりと にぎりしめて
いつまでもねと ちかったのに
わたしはいってしまう・・・

ドーラが親友リリの子だと分かり、どこか面影があるとフシギに思っていた謎が解ける







ビルケンフェルト夫人はニネッテ叔母にすべて話し
家族として迎えたいと言うと、叔母も賛成する

家族に話すと、みんな感激して盛大なお祝いを開く




解説
本書の原題は『ティトスおじさんの夏の転地』

ヨハンナ・スピリ
1827年スイス生まれ 74歳で死去
父は村の医師
たくさんのきょうだい、叔父、叔母のいる大家族で楽しく育った

フランスとプロシア(ドイツ)が戦争になり
そこに挟まれたスイスは中立を守り、両国の人たちが続々と避難してきた

スピリは小説を書いてお金をつくって助けてあげようと思い
少女時代を思い返し、美しいアルプスの山の暮らしと少女を書いたのが『ハイジ』

『コルネリの幸福』
『ビルデンシュタイン城』


コメント

映画『夫婦』(1953)

2024-06-05 14:47:49 | 映画
監督:成瀬巳喜男

出演
中原伊作:上原謙
中原菊子:杉葉子
早川直吉:藤原釜足
早川たか:滝花久子
早川茂吉:小林桂樹
早川久美子:岡田茉莉子
武村良太:三國連太郎
藤野ミエ子:木匠マユリ
野田アヤ:田代百合子ほか
ほか


杉葉子さんが原田知世ちゃんぽい



【内容抜粋メモ】
5年ぶりに会った学校の女友だち








実家はうなぎ蒲焼屋はや川
通りを祭りにまじってイサクが来る
2階は兄夫婦が住むから、それまでに家を探さなきゃならない

物件を見て回るキクコ 1軒1枚のモノクロ写真

タケムラと飲むイサク
タケムラは妻を亡くして泣いている

イサク:君の家を貸してくれないか?
タケムラ:思い出の家だから大事にしたい



兄嫁両親が結納で家に来る
荷物が届いてバタバタする

叔父夫婦も家に来る
キクコは結婚して6年目



タケムラ宅に引っ越すが風邪で寝ていた
家の中はごちゃごちゃで片付けを手伝う
3人でうどんの夕飯







タケムラにお見舞いの花を持っていく女性社員ノダとフジノ
キクコがタケムラのヒゲをそってあげててなんだか腑に落ちない

薪が家まで売りに来る
キクコ:日曜までにわっておいてくださいね



4人で夕食
キクコは銀座の時計屋さんに勤めていた
タケムラ:僕は熱烈な恋をしたいんだよ







女友だち:
子ども2人産んで、形が崩れるから家でもブラジャーしてる
主人は自分を女と見てない
外でなにもない人は千人に1人くらい
事務員が愛人


お豆腐さんや、チャルメラの音が鳴ってる

タケムラは近所の友だちと将棋をうつ
「おい、お茶」ってひさびさ聞いたな

タケムラは配給時代に女房がつくった下着を着ていて笑う
イサキ:色消しだねえ(笑








♪ジングルベル が流れて賑やかな町
日本のクリスマス商戦はこんな前からなんだな/驚

チャップリンのマネをした無声演劇を見に行く3人









ものすごい狭い部屋でダンスしてる男女
タケムラもキクコと踊る










混んだ道ではぐれたイサクは女性社員と出くわす
タケムラは普段のお礼だと言ってキクコにお酒をおごる









タケムラ:
お陰で女というものが少しわかった
こういう女性もあるんだなと
うちの女房は不器量だけど健康が自慢で茶碗をおきっぱなしで
それが普通だと思っていたが貧乏くじを引いたな
あんたがたが羨ましい

キクコ:
中原もあなたのようなファイトがあれば
この頃はしんから夢中になるのは野球くらい

イサク:フジノと飲んだんだよ いいな若いコは、はつらつとしてて

タケムラがショールを買ってくれたのを見て
イサキ:返せよ、こんなもん



中原とフジノがいっしょに帰るのを見かけたタケムラはキクコに教える
(女性の声たっかいな!

タケムラ:
中原さん、ボクを誤解してませんか?
奥さんが可哀想だ

イサク:君は女房を好きなんじゃないか

タケムラ:好きです だが理性を持ってる 純真なんです











課長:明日、日曜だが仙台まで出張してもらいたい

少年が納豆を売り歩いてる/驚

イサク:頼むよ 何度も念を押して出かける

門松を玄関に釘で打つのを手伝うタケムラ



会社は女性社員だけで大掃除
報告書を持って、課長が忘年会をしてる芸者屋さんへ
課長:部長にまわしてくれ 熱海に行くと言っていた

芸者:後ろになにか下がってる
課長:オーバーの裏だよw







キクコの実家に帰ると頼んだラーメンが来てる
キクコ:私も一度宿屋に泊ってみたい 修学旅行以来、どこにも泊まったことがない









キクコ:
待ってる身にもなってください
お友達に田舎臭くなったって言われて
こんなに一生懸命やってるのにちっとも分かってくれないのね
一人できりきりまいして、ダイキライよ
私もよく考えてみます

ちんどん屋がねり歩いてる

うなぎ屋も大繁盛

母:大晦日にケンカするなんていい身分ですよ

クミコが着飾っているのをまぶしそうに見る









母:悪いことはいわないからお帰り

キクコ:
一生の問題ですもの
年中一人相撲でほんとにくたびれた

父:
女は5、6年経つとまったく違ってくる
こんなに憎たらしく見えるものはないね









囲炉裏で餅を焼いて食べるタケムラとイサキ
12時を過ぎて帰ってくるキクコ

除夜の鐘が鳴る



正月
子どもと凧あげをして電線にひっかけて泣かせるタケムラ

兄と嫁が挨拶に来て、それぞれに忠告する
イサク:はじめが肝心だ
キクコ:男は大きな坊やだと思えば腹も立たない



兄嫁ナミコのつてで家を見に来る







女主人:
2階ならあいてる
応接間に学生が2人、お茶とお花をしてる未亡人がいる
家賃はもらわない(!

でも障子へだてただけで他人と一緒の一軒家はイヤだなあ・・・


フジノが来て、課長のことずてを伝えて部屋にあげる



キクコらは引っ越す
列車の音がするのに「静かだなあ!」て

キクコ:
ここもほんの腰かけね 子どもができちゃったら・・・
まだ半年あるし、それまでにどこか探しましょう
内職するわ

イサク:産むのよそう まだムリだよ










イサク:おおげさに考えないで すぐ済むんだから(ひどいな・・・

産婦人科へ行くが逃げだすキクコ

イサク:帰ろう 飯でも食っていこう なんとしでも育てよう










肩を抱いて歩く後ろ姿で終わる





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